不動産売却のコツ2022.10.31

連棟式建物(長屋)を売却する注意点や高く売るポイントを解説

こんにちは。イエステーション北章宅建 小樽店の柴田です。

連棟式建物とは、複数の建物がつながって1つの住宅として登記された物件です。
建築基準法では「長屋」に該当します。

長屋は2つ以上の住戸が平行に連なり、住戸の間にある壁を共有して建築されます。最近ではテラスハウスとも呼ばれている形態の住まいです。

そのため、連棟式建物は通常の戸建て住宅・マンションに比べて売却しづらいのが一般的です。

今回は、連棟式建物(長屋=テラスハウス)の相場や高く売るポイントを解説。
売却の注意点や売れない場合の対策として、売却条件の見直し方もご紹介します。

 

連棟式建物とは?売却の注意点から確認

連棟式建物とは、複数の建物がつながり、1つの住宅として登記された物件のことを指します。

建築基準法では「長屋」に分類され、隣の住戸と壁がつながっている(共有している)ことが特徴です。

ですが、マンションやアパートとは異なり、エントランスや廊下、階段といった共用部分がなく、各住戸に直接出入りできる独立した玄関があります。

タウンハウスも連棟式建物ですが、テラスハウスとは違い建物の権利は「区分所有権」となります。

タウンハウスには、住民が自由に行き来できる共用の庭(コミュニケーションスペース)があったり、駐車場が敷地の一角にまとまっていたりと、分譲マンションに似た管理形態があります。

タウンハウスの特徴や一戸建てとの違いは、こちらのコラムでも詳しく解説しています。
タウンハウスとは一戸建てとは違うの?日本では需要はある?

対するテラスハウスは、住戸ごとに敷地が分けられて独立しており、庭や駐車場を各敷地内に保有するのが一般的です。一戸建てやマンションなどと比べテラスハウスは売却しづらい一面があるため、その注意点をご紹介します。

連棟式建物(長屋=テラスハウス)は売りづらい?売却の注意点とは

売却を難しくする点として、注意したいのが次の2つです。

  • 所有者単独での建て替えが難しい
  • 住宅ローンが利用できない可能性がある

1つずつ、注意点を確認しましょう。

所有者単独での建て替えが難しい

売却時、少しでも物件の価値を高めて売りたい人もいるでしょう。
建て替えやリフォーム、古くなった建物を取り壊して更地にするなど、建物の状態によって物件価値を高める方法はいくつかありますが、テラスハウスは壁を共有した独立住戸のため、隣家との調整なく単独での建て替えは難しいといえます。

隣の住戸との連結を切り離すことは認められていますが、接合部を切り離すと建物の強度に影響が生じるリスクがあり、実施が困難な場合が多いのも売却が難しい理由の1つです。

住宅ローンが利用できない可能性がある

住宅ローンが利用できない可能性があるのも、購入希望者を少なくする原因の1つ。

連棟式建物は上でお伝えした理由から建て替えが難しいことが多く、中には築年数が古い物件や耐震基準に適合していないものも。

そのため、金融機関に担保価値が低いとみなされ、住宅ローンを利用できない(審査に通りづらい)場合があります。
住宅購入者の多くは住宅ローンを利用するため、利用できないデメリットは大きいでしょう。

 

連棟式建物(長屋=テラスハウス)の相場や高くスムーズに売る方法をご紹介

連棟式建物(長屋=テラスハウス)は現況を変えづらく、購入しにくいという特徴から、資産価値が低いとみなされることが多いです。

そのため、売却相場は同じ面積や立地条件の一般的な住宅に比べて20〜30%ほど低くなります。

では、連棟式建物を少しでも高く売るにはどうしたら良いのでしょうか。

 

住人全員の許可を得て建て替える

買い手が付きづらいポイントは、建物が築年数を経たことで起こる劣化や耐久性の低下。

少しでも高く売るポイントは、現況を改善し、買い手のニーズに合った形で売り出すこと。
連棟式建物(長屋=テラスハウス)を高く売るなら、建て替えが可能かを確認するのも1つでしょう。

取り壊して新たに住宅を建築したり、長屋の壁を取り払って1つの住宅にしたりといった建て替えを行うなどの方法があります。
建て替えと同時に耐震工事をしておけば住宅の強度・耐久性への不安も解消され、高く売れる可能性も出てきます。

ただし、建て替えの費用はかかるため、利益が想定できる場合に限られるでしょう。
また、建て替えをするには住人全員の意思確認が必要です。

このほか、連棟式建物が建て替え可能な条件には次のようなものがあります。

  • それぞれの敷地が公道に接している
  • それぞれの敷地に接する位置指定道路を認めてもらう
  • それぞれの敷地に公道が接するよう敷地区分を変更する(分筆の仕方を変える)

さらに上記のいずれかとともに、次の2つの条件が必要です。

  • 各自治体が定めた敷地面積要件を満たしている
  • 分筆費用・建て替え時期について住民全員の許可がある

要件が整ってから建て替え完了まで、およそ2年はかかるため、できるだけ早く売りたい場合には不向きかもしれません。

 

ほかの住戸を買い取って自分の所有とする

ほかの住人も住戸を手放すことを希望している場合、その住戸を買い取って自分の所有とする方法もあります。

物件全体を所有すれば、古い建物を解体して更地にすることも、建て替え・リフォームすることも自由です。

一般的な住宅物件とほとんど変わらず売却でき、立地や面積の広さなど人気条件が整えば、高価格での売却も期待できるでしょう。

 

隣人に購入できないか相談する

他の住民が建て替えや住戸を手放すことを希望しない場合は、隣人に住戸を購入できないか打診してみるのも手段の1つ。

隣人がこの先長く住み続ける場合は、生活スペースを2倍にできるメリットがあります。
新たな購入希望者と違って建物の良さをよくわかっているため、相場通りに買ってくれる期待が持てるでしょう。

突然「買ってくれないか」と相談をしても難しいので、日頃からコミュニケーションを図り、関係を深めておくことも大切です。

 

不動産会社に買取をしてもらう

売却価格は低くても良いのでなるべく早く売りたいという方には、不動産会社に直接買い取ってもらう方法がおすすめです。

不動産会社が買主となるため、買い手を探す手間がなくスピーディーな現金化が期待できます。

中でも、訳あり物件の取扱い経験があったり、地域情報に詳しかったりと独自のノウハウがある不動産会社であれば、高く買い取ってもらえる可能性があります。

 

連棟式建物・長屋が売れない場合の対策もチェック

連棟式建物・長屋は、長期間売れない場合が多くあります。

売り出してからもう数年経ってしまった…という時は、次のポイントを見直し、対策してみましょう。

  • 住人の希望を再確認する
  • 売却価格を調整する

住人の中には、売り出した当初と事情が変わり、「引っ越ししたい」「リフォームしたい」と気持ちが変わった人もいるかもしれません。

住人全員の同意で物件価値を上げる対策が取れれば、現状よりも良い条件で売却も可能です。
日頃から積極的にコミュニケーションを図って情報を集めることで、交渉の機会を逃さないようにしましょう。

また、ローンが組めない買主のために自己資金でも買えそうな価格に抑えるなど、売却価格を調整するのも有効です。

不動産会社に相談すると、市場の需要に見合った価格設定のアドバイスをもらえますよ。

 

まとめ

・連棟式建物とは?
連棟式建物とは、複数の建物がつながって1つの住宅として登記された物件。隣の住戸と壁がつながっていることが特徴で、建て替えなど現況を変える手続きに住人全員の許可が必要です。築年数が古い、耐震基準に適合していない物件も多く、住宅ローンを利用できない可能性があることも、売却が難しい原因となっています。

・連棟式建物・長屋の相場と高くスムーズに売る方法
連棟式建物の相場は、同面積・立地条件の住宅に比べて低くなるのが一般的。高く売るポイントは、現況を改善して買い手のニーズに合った形で売り出すことです。売却を検討するなら、①住民へ建て替えの許可を取り、建て替え後に売却、②ほかの住戸を買い取って自分の所有とする、③隣人に購入できないか相談する、④不動産会社へ直接売却するといった方法があります。

・連棟式建物・長屋が長らく売れない場合の対策
売れない場合は、住人の希望が変わっていないか再確認をしたり、売却価格を調整することをおすすめします。物件の現況を変えられない場合は、ローンが組めない買主のために、自己資金でも購入可能な価格に調整するのも良いでしょう。

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小樽店 柴田 朋也健康には自信があります。平成24年より不動産業に従事しており、まだまだ勉強中の身ではありますが、持ち前の体力で日々向上心を持ちお客様と向き合い成長していきたいと思っております、お客様に満足していただけるサービス提供を心がけ仕事に打ち込みます。

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