不動産売却のコツ2025.03.27

不動産売却時のエアコンはどうする?残す・外すの判断基準と注意点

こんにちは。イエステーション北章宅建 小樽店の枝久保です。

「不動産を売却するけど、エアコンはどうしよう?」
「取り外したほうが良いのか、それともこのまま残しておいたほうが良いのか…」

不動産売却を検討されている場合、エアコンの扱いについて悩まれている方も多いのではないでしょうか。

実は、不動産売却時のエアコンの取り扱いは、売り主が自由に決められますが、買い主との円滑な取引のために知っておくべきポイントがあります。

今回のコラムでは、不動産売却時のエアコンの扱い方について詳しく解説します。

エアコンを残すべきか外すべきかの判断基準や、残す場合の方法、撤去する場合の注意点もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
エアコン

 

不動産売却時はエアコンを残す?残さない?

不動産売却を考える際、エアコンの取り扱いについてはさまざまな疑問が出てくるかと思います。

「エアコンは家の一部だから残しておかなければならないのでは?」と思われる方や、「使い慣れたエアコンを新居に持っていきたいけど、外しても良いのだろうか?」とお悩みの方もいらっしゃるでしょう。

結論から言いますと、エアコンは法律上「動産」に分類されるため、売り主の判断で自由に外すことができます。

ただし、実際の売買においては、買い主との話し合いで決めるのが一般的です。

 

エアコンは「残す」「残さない(外す)」の両方が選択可能

民法では不動産を「土地およびその定着物」と定義しており、簡単に取り外しができないものは「不動産」、取り外し可能なものは「動産」として区別しています。

給湯設備や空調設備(床暖房、換気扇など)、水回り設備(キッチン、浴室など)は、容易に取り外せないため不動産の一部とみなされ、基本的に撤去せずに引き渡すことになります。

「エアコンも建物に取り付けられているのでは?」と思われるかもしれませんが、エアコンは取り外しが可能なため、家具や家電製品と同様に「動産」として取り扱われます。

つまり、エアコンは売り主の判断で、撤去・引き渡しを選んでも問題ないということです。

 

エアコンの取り扱いは売り主・買い主の話し合いで決めるのが一般的

ただし、実際の不動産売却では、エアコンを残すか外すかは売り主だけで決めるのではなく、買い主との話し合いで決めるのが一般的です。

買い主によっては「エアコンがあると助かる」と考える方もいれば、「古いエアコンは不要」「購入した家でも、今使っている自分のエアコンを取り付けたい」と思う方もいるからです。

買い主の意思や希望を無視して「撤去・引き渡し」を決めてしまうと、売買取引に影響が出る可能性がありますから、お互いの都合を考慮した上で最終的な判断をすることが重要です。

特に買い主がエアコンを必要としている場合は、売り主も撤去費用が不要になるため、双方にメリットがあるでしょう。

 

不動産売却時にエアコンを残すなら付帯設備表に記載を

エアコンを残す場合は、売買契約に際して口頭だけの約束だけでは不十分であり、「付帯設備表」という書類にその旨を明確に記載しておく必要があります。

エアコンを残したまま不動産を売却する場合、エアコンはその物件の「付帯設備」となるからです。

 

付帯設備とは

付帯設備とは、物件に備え付けられている設備のことです。

本来は取り外し可能なものですが、売買契約によって物件と一緒に引き渡すことが決まったものを指します。

 

付帯設備表とは

「付帯設備表」は、売却する不動産にどのような設備が残されるのか、その設備の状態はどうかを記載した重要な書類です。

売り主と買い主の双方が確認し、署名することで、「付帯設備について合意の上で売買がなされた」と明示できます。

つまり、将来的に下記のようなトラブルが起こらないよう、未然に防ぐことができるのです。

  • 「内覧時にはエアコンが付いていたのに、引き渡し時になかった。聞いていない!」
  • 「エアコンは残るものだと思っていたのに、なぜ撤去されているの?」
  • 「エアコンが付いているからと安心していたのに、使ってみたら故障していた…」

口頭での説明だけだと、「言った・聞いていない」といった問題になる可能性があるため、忘れず記載を行いましょう。

 

エアコンを残す際に付帯設備表に記載すべき内容

エアコンを設備付帯表に記載する際には、以下の内容を具体的に明記することがポイントです。

<設置場所>
エアコンが設置されている部屋や位置(例:リビング、寝室など)を明確に記載します。

複数台エアコンを設置していた場合、どの部屋のエアコンが残されたか(あるいは撤去されたか)を判別できるようにしましょう。

<メーカー名・型番>
エアコンのメーカーや型番を記録しておくことで、買い主が性能や仕様を確認しやすくなります。

<製造年・購入時期>
エアコンの製造年や購入時期を可能な範囲で記載し、使用年数の目安を提示します。

<動作状況>
現在の動作状況(正常動作しているか、不具合があるか)を具体的に記載します。
不具合がある場合はその内容も詳しく書きましょう。

<リモコンの有無と状態>
リモコンが付属しているかどうか、またその状態(正常に動作しているか、バッテリー交換が必要かなど)を記載します。
リモコンが紛失している場合は、その旨も記載しておくと良いでしょう。

<保証書や取扱説明書の有無>
保証書や取扱説明書があると、トラブルが起こった際の安心材料となります。
保証書については、保証期限も付記しておくと親切です。

付帯設備表には、正確な情報を漏れなく記載し、売り主・買い主双方が納得できる状態で契約を進めることが大切です。

記入時の注意点など、詳細は「付帯設備表とは?記載事項や記入する際の注意点もご紹介」のコラムで解説していますので、ぜひあわせてご参照ください。

 

不動産売却時にエアコンを撤去する際の費用と注意点

エアコン取り外し

最後に、エアコンを撤去して不動産を売却する際の撤去方法、撤去にかかる費用、そして注意点をご紹介します。

 

エアコンを撤去する際にかかる費用

エアコンを撤去する場合、専門業者に依頼する必要があります。
主な選択肢としては、次のような選択肢があります。

  • 家電量販店に引き取り処分を依頼する
  • 自治体の指定業者に引き取りを依頼する
  • 不用品回収業者に依頼する

費用は地域や業者によって異なりますが、取り外し作業とリサイクル料金を合わせると一定の金額がかかります。

費用の目安は、依頼する業者やお住まいの地域によっても異なりますが、一般的な相場は5,000円〜1万円程度です。

ただし、引越しシーズンや夏季といった繁忙期におけるエアコン撤去費用は、通常期と比べて高くなる傾向があることを知っておきましょう。

また、どの方法を選ぶにしても、エアコンは家電リサイクル法の対象製品であり、処分時にはリサイクル料金が必要となります。

加えて、家電量販店や専門業者に収集・運搬を依頼した場合に、運搬費用が別途必要となる場合もあるため、事前に複数の業者から見積もりを取ることをおすすめします。

なお、不要品回収業者に依頼する場合は、一般廃棄物収集運搬業の許可を得ているか確認することも大切です。

 

撤去時の注意点1|自分で撤去するのは避けよう

エアコンを撤去する際の注意点として、自分で撤去を行うのは避けたほうが無難です。

エアコンには地球温暖化に影響を与える冷媒ガスが含まれていて、大気中に放出すると環境に悪影響を与えるだけでなく、法律違反となる可能性があります。

また、不適切な電気配線の取り扱いは感電や火災のリスクがありますし、エアコンの室外機は非常に重く、一人で持ち上げるのは危険です。

もし横倒しにしてしまうと、室外機に内蔵されているコンプレッサーや冷媒配管に負荷がかかり、破損する恐れがあります。
破損してしまうと冷媒ガスが漏れてしまう危険性があるのです。

さらに、エアコンには再利用可能な部品や、適切に処分すべき有害物質が含まれています。

専門の業者であれば、適切な機器・道具・人員を用いて、安全に撤去を進められます。
冷媒や室外機、廃棄物などを適切に処理するノウハウがあるからです。

 

撤去時の注意点2|撤去後の穴について買い主に説明しておこう

撤去後の壁には配管用の穴が残ることが多く、これが原因で雨水や虫の侵入、風の吹き込みのリスクが生じる可能性があります。
長期間設置されていた部分が変色していることもあるでしょう。

エアコンが撤去された壁の穴を知らずに購入した場合、買い主は雨漏りや害虫の侵入による損害を被る可能性があります。

また、美観上の問題も生じるため、買い主が売り主に補修を要求することも考えられます。

そのままの状態で物件を引き渡す場合は、付帯設備表に明確に記載し、事前に買い主に説明して合意を得ておくことで、引き渡し後のトラブルを防ぐことができるでしょう。

 

まとめ

●不動産売却の際、エアコンは売り主の判断で残すことも取り外すこともできる
エアコンは不動産ではなく「動産」に分類されるため、売却時に撤去しても法的な問題はありません。
ただし、実際の売買では買い主との話し合いで決めるのが一般的です。

●不動産売却時にエアコンを残す場合は必ず付帯設備表に記載する
トラブル防止のために、エアコンの有無や状態を付帯設備表に明記しましょう。
特に故障や不具合がある場合は、必ず記載して買い主に説明することが重要です。

●不動産売却時にエアコンを撤去する場合は専門業者に依頼するのがおすすめ
エアコンの取り外しは危険を伴うため、必ず専門業者に依頼しましょう。
また、撤去後の壁の穴や汚れについても、事前に買い主に説明しておくことが大切です。

北章宅建は、不動産に関するご相談を全て無料で対応しています。
空き家に関する相談や無料査定、相続問題など、どんなことでもお気軽にご相談ください。

 

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著者
不動産売却時のエアコンはどうする?残す・外すの判断基準と注意点

小樽店 枝久保 良太平成27年4月より入社致しました。日々勉強して一生懸命頑張らせていただきます。 父母が小樽市内で商売を行っており、昔からこの街には馴染みがあります。2017年に地元に住宅を購入し、よりお客様の気持ちに寄り添いたいと改めて思います。小樽は海と山が近くにあり、自然が多い所が魅力です。 大学時代はサッカーをやっており、冬はスキーを楽しんでいました。これからも休日などに続けていけたらなと思っています。 北章宅建株式会社をこれからも宜しくお願いします。

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