土地や空き家のこと2025.01.10

実家じまいとは?検討するタイミングや進め方、費用、問題点をくわしく

こんにちは。イエステーション北章宅建 札幌北店の蛸星です。

「実家の処分ついて考えている」
「『実家じまい』という言葉を聞いたけど、どのようなものだろう?」
そんな疑問をお持ちではありませんか?

実家じまいとは、親が住んでいた実家が不要になった際、子どもが実家を整理し、処分することです。

今回のコラムでは、実家じまいの概要を解説します。
どのようなタイミングで行うのか、流れや費用、起こりやすい問題点もあわせてご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
片付け

 

実家じまいとは?検討するのはどのようなタイミング?

実家じまいとは、親が亡くなったり施設に入ったりなど、実家が不要になった際、子どもが親の家(実家)を整理し、処分することを指します。

「家じまいとはどう違うのだろう?」と感じた方もいらっしゃるかもしれません。

家じまいは、自分自身が住んでいる家や、現在自分の所有している家を処分することを意味します。

つまり、実家じまいとの違いは「誰が」「誰の家を片付けるのか」という視点にあります。
親が自分の家を片付ける場合は「家じまい」、子どもが親の家を整理する場合には「実家じまい」と呼ばれるのです。

 

実家じまいが増えている背景

実家じまいが増えている背景には、いくつかの要因があります。

まず、高齢化が進む中で、親が亡くなったり、介護施設に入所したり、子どもと同居するなどして実家が空き家になるケースが増えていることが挙げられます。

さらに、子世帯は実家から遠く離れた場所に自宅を構えるケースもあるため、空き家となった実家を管理するのは、時間的にも経済的にも大きな負担となります。

一方で、実家を空き家のままにしておくと、固定資産税が発生するだけでなく、老朽化や防犯面の不安、近隣住民への影響といったリスクも避けられません。

こうした状況から、「実家を整理し、売却や賃貸に出すといった形で処分を検討する」動きが増えているのです。

空き家の放置リスクについては、「空き家を放置するのはリスクが高い。リスク回避の解決方法とは?」で詳しく解説していますので、ぜひあわせてご参照ください。

 

実家じまいを検討するタイミング

では、実家じまいはどのようなタイミングで検討することが多いのかといいますと、一般的には、次のようなケースが多いです。

  • 親が施設に入居したとき
  • 親が亡くなったとき
  • 維持管理が難しくなったとき
  • 空き家問題を避けたいとき

 

実家じまいを進める際の流れとは?

実家じまいは、親が亡くなった場合と存命の場合の2つのパターンに分けられますが、共通する手順があります。

以下は実家じまいの一般的な流れです。

1.家族と話し合う
2.処分方法を検討する
3.専門家に相談する

まずは、実家を手放すかどうかを家族できちんと話し合い、全員が了承した上で進めるのがスタート。

その後、実家じまいをすることが決まったら、売却・賃貸・解体など、どのように実家を処分するのかを検討しましょう。

処分方法が決定したら、不動産会社などに相談し、実家じまいの手続きを始めます。

ちなみに、処分方法が決まらない場合も、不動産会社などの専門業者に相談するのがおすすめです。
ご家族の考えや不動産情勢などをふまえた上で、より良い形での処分方法を提案してくれるでしょう。

ただし、親が亡くなった場合は、実家は相続財産となるため、話し合いは相続人全員で行い、遺言書があれば、その内容に従う形となります。
「相続登記」をして、名義を亡くなった親から変更する必要もあります。

登記手続きは自分でも行えますが、スムーズに手間なく進めたいなら、司法書士に依頼すると良いでしょう。

また、実家を売却して処分し、売却の利益「譲渡所得」が発生した場合は、売却の翌年2月16日〜3月15日までに確定申告が必要です。

確定申告については「家や土地を売却した際の確定申告について理解しよう」をご覧くださいね。

 

実家じまいにはどのような費用がかかる?

実家じまいには、一般的に下記のような費用がかかります。

  • 実家の片付け・不用品処分にかかる費用
  • 実家(土地や家屋)の売却にかかる費用:仲介手数料や税金、きれいに整えるためのリフォームや修理代など
  • 解体費用:90~120万円程度(30坪木造の場合の目安)

片付けの費用は、自分で行うか、業者に頼むかといった処分方法や、不用品の量、地域差などの要素で異なります。

業者に不用品回収や整理を頼むなら、複数業者に見積もりを取り、比較されると良いでしょう。

売却に際しては、仲介手数料や税金、きれいに整えるためのリフォームや修理代などがかかります。
税金とは、主に下記のものです。

  • 印紙税
  • 消費税
  • 登録免許税
  • 所得税
  • 住民税

売却費用について詳しくは、下記のコラムでご紹介していますので、ぜひあわせてご覧ください。
家の売却でかかる手数料や諸費用を詳しく解説
不動産売却の税金はいつ払う?種類や支払いのタイミングを解説

そのほか、実家を相続する場合は相続税、相続登記を依頼する際は、司法書士への報酬支払いが必要です。

 

実家じまいで起きやすい問題点

悩みの相談
実家じまいでは、次のような問題が起こりやすいです。
それぞれの対策もあわせて紹介します。

 

問題点1|リフォームや解体で費用がかさみ、売却で損失が出てしまった

「建物が古いから土地だけのほうが売れそう」「リフォームしたほうが売れやすいだろう」と考え、解体やリフォームを行った結果、費用がかさみ、売却益がマイナスになってしまうケースがあります。

【対策】
解体やリフォームが売却に本当に必要かどうか、不動産会社に相談してから決定すると安心です。

また、売却だけでなく、賃貸として利用する選択肢もあります。
判断に迷ったときは、下記のコラムを参考に検討してみてくださいね。
実家を売りたくないときの対策方法や売却の可否の判断基準も解説
空き家の実家は売るべきか貸すべきかどっち?メリット・デメリット

 

問題点2|相続税を払おうと思ったのに、期限に間に合わなかった

「実家を売却したお金で相続税を支払おう」と考えていた場合でも、片付けや売却に時間がかかり、申告期限内に間に合わないケースがあります。

【対策】
相続税の申告期限(相続開始から10カ月以内)から逆算し、余裕を持った売却計画を立てることが重要です。

実家じまいでは、片付けや売却の両方に時間がかかりやすいため、売却代金を相続税以外に使う予定がある場合も同様に、早めに準備を始めましょう。

時間が足りない場合は、片付けや不用品回収を専門業者に依頼することも検討してください。

 

問題点3|勝手に荷物を処分してしまい、相続人間でトラブルになった

「自分の親の物だから」とほかの相続人に確認せずに荷物を処分した結果、「必要な物だった」と言われてトラブルになることがあります。

【対策】
実家の片付けや遺品整理を行う前に、相続人全員と話し合うことが大切です。
話し合いが難航しそうな場合は、弁護士など専門家に仲介を依頼するのも一つの方法です。

また、処分に迷って作業が滞ったり、思い出の品を片付けることに心理的負担を感じたりすることも多いため、無理をして急いで片付ける必要はありません。
実家の中をカラにすることを目標にし、処分の優先順位を決めながら進めると良いでしょう。

 

まとめ

●実家じまいとは「子どもが親の家を整理・処分すること」
実家じまいとは、不要になった実家を子どもが整理し、売却などの方法で手放すことです。

●実家じまいを進める流れ
一般的な実家じまいの流れは、「1.家族と話し合う」「2.処分方法を検討する」「3.不動産会社など専門家に相談する」という3ステップです。

●実家じまいにかかる費用
実家を売却して処分する場合の費用としては、売却費用(仲介手数料や税金など)のほか、片付けや不用品処分、解体費用などがかかります。

●実家じまいによくあるトラブルに対策を
実家じまいを行う際は、費用がかさんだり、相続人間でトラブルになったり、といった問題が起こりがちなので、事前に対策を取ることが大切です。

北章宅建は、不動産に関するご相談を全て無料で対応しています。
空き家に関する相談や無料査定、相続問題など、どんなことでもお気軽にご相談ください。

 

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著者
実家じまいとは?検討するタイミングや進め方、費用、問題点をくわしく

札幌北店 蛸星 香奈実日々、お客様とのふれあいを通じて、新たな発見ができることを楽しみながら仕事をしています。 ご売却、ご購入に限らず、お住まいでお悩みのことがありましたら何でもご相談ください。 過去の経験や知識を活かし、お客様の希望をかなえられるよう、より良い提案をさせていただきます。どうぞ宜しくお願いいたします。

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