ローンやお金のこと2022.03.24

同居するなら検討したい「親子リレーローン」のメリットや注意点とは?〜その1

親と子が一緒に1つの住宅ローンを組み、リレーのように親子2代にわたって返済する「親子リレーローン」をご存知でしょうか。

親子リレーローンは、主に「親と同居するための住宅を購入したいけれど、単独で住宅ローンを組むのは難しい」という悩みを持つ方に利用されています。

具体的にどのような住宅ローンなのか、特徴や注意点を3回に分けて詳しく紹介していきます。現在、同居している方や、これから同居するために二世帯住宅などを購入する予定の方は、ぜひ参考にしてください。

 

親子リレーローンとは?

親子リレーローンとは、親と子で1つの住宅ローンを契約し、その返済を親から子に引き引き継ぐ形で借り入れを返済していく制度です。金融機関によっては、「親子リレー返済」や「親子リレー住宅ローン」といった名称の場合もあります。

親子一緒に住む住宅を購入する際に利用でき、新築だけでなく、リフォームや住み替えなどにも利用できます。
利用に向いているのは、主に以下のような方です。
・親子どちらか一方の収入では、単独で住宅ローンを組めない
・親が高齢で、短い返済期間でしか借り入れできない
・子の住宅取得を資金的に支援したい親

一般的に親子リレーローンでは、親が主たる債務者、子は連帯債務者となり、いずれも同じ返済の義務を負います。

親子ペアローンとはどう違う?

「親子リレーローン」と混同されがちなものに、「親子ペアローン」があります。どちらも親子で住宅ローンを借り入れる方法ですが、ローンの契約数や返済開始時期など、内容は異なります。

親子ペアローンは、親と子がそれぞれ単独で住宅ローンを契約し、互いが連帯保証人となって同じ住宅の借入金を返済するのが特徴です。住宅ローン契約が2本となるため、親子リレーローンよりも高額な借り入れが可能になりますが、契約事務手数料や登記手数料といった契約にかかる諸経費や手間も倍になります。

親子リレーローンが、最初に親が契約時に定めた期間まで返済し、その後は子が住宅ローンを引き継いで返済を続けていくのに対し、親子ペアローンは、親と子の返済が同時に始まります。

親子リレーローンの申込要件

金融機関によって若干異なりますが、親子リレーローンを借りる際には主に次のような要件が設定されています。

●同居についての要件

親子リレーローンの対象者として、現在同居中、もしくは将来、同居を予定している親と子であることを要件としていることが多いです。しかし中には、住宅金融支援機構の「フラット35」の『親子リレー返済』のように、同居の有無や将来の同居を要件にしていないものもあります。

●収入についての要件

親と子、ともに安定した収入を得ていることが必要です。一方に安定した収入があっても、もう一方が退職や転職したばかりだと、収入が安定していないとみなされて申込要件を満たせない場合があります。給与所得者の場合は、勤続年数や前年度の年収などで審査されます。

住宅金融支援機構の「フラット35」など、金融機関によっては、親が退職後でも公的年金などを収入とみなして親子リレーローンを借入することが可能です。

●団体信用生命保険についての要件

団体信用生命保険(団信)とは、住宅ローンの返済中に契約者に万が一のことがあった場合、ローンの残債が完済される住宅ローン専用の保険です。

金融機関の住宅ローンでは、1つの契約に対して1名が団信への加入を義務付けられていることが一般的です。

親子リレーローンの場合は、加入者は1名。「子どもが加入すること」と限定しているケースが大半ですが、金融機関の中には、親子どちらが団信に加入するか選べるところもあります。

団信加入者が親で、親が早い時期に亡くなった場合は残りの住宅ローンは全額弁済されますが、加入者が子で、親が亡くなった場合は、親の債務も含めて子が返済する必要が生じます。親と子、どちらが団信に加入するか選べる場合は、慎重に検討しましょう。

次回は、住宅金融支援機構の住宅ローン「フラット35」の『親子リレー返済』について、詳しく解説します。

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同居するなら検討したい「親子リレーローン」のメリットや注意点とは?〜その1

札幌手稲店 野口 祥子

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