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不動産に関する手続き2021.02.12
不動産売却契約後のキャンセルは可能?違約金の有無などを解説
こんにちは。
イエステーション北章宅建 石狩店の古木です。
不動産を売却しようと思って手続きを進めていたけれど、売買契約を結んだあとに「やっぱり売るのはやめた」とするのは可能なのでしょうか?
売り出したから、契約を結んだからといって、絶対にキャンセルできないわけではありません。
ただし、契約後のキャンセルにはそのタイミングによって違約金が発生してしまうので要注意。
今回は、不動産売却中のキャンセルとその違約金について解説します。
予想外のキャンセルが発生しないとも限らないので、さまざまなパターンについて知っておいてくださいね。
不動産売却をキャンセルするケースにはどのようなパターンがある?
不動産を売却しようと思って手続きを進めていても、事情が変わって「やっぱり売らないことにした」となる可能性はゼロではありません。
いま不動産売却をキャンセルすることはできるの? と悩んでしまうのは、たとえばこんなタイミングではないでしょうか。
- 不動産会社に査定をしてもらったあと
- 不動産会社と媒介契約を結んだあと
- 不動産会社が物件の広告を出したあと
- 購入希望者から購入申し込みを受けたあと
- 買主と不動産売買契約を結んだあと
- 不動産売買契約を結び、物件を引き渡す直前
それぞれのタイミングについてキャンセルができるかどうか、違約金が発生するかといったことについてご紹介していきます。
不動産売却で媒介契約のキャンセルは可能?違約金は発生する?
不動産売却では、不動産会社に売却を依頼するのが一般的。
不動産会社と媒介契約を結び、売却活動をスタートさせます。
不動産売却の媒介契約とは、「不動産の売却活動を任せる代わりに、売却が成立すれば仲介手数料を支払う」というもの。
通常の売却活動にかかる費用は仲介手数料の中に含まれ、仲介手数料は成功報酬として不動産が売れて初めて支払いが発生します。
不動産会社と媒介契約を結び、販売活動を開始したけれども「やっぱり売却はやめる」とキャンセルすることは可能です。
ただし、媒介契約の種類によってキャンセルに違約金が発生することも。
不動産売却の媒介契約には以下の3つの種類があります。
一般媒介契約
複数の不動産会社と同時に契約が結べる、一番自由度の高い媒介契約。
購入希望者を自分で見つけてきて、不動産会社を通さずに売買契約を結ぶことも可能です。
契約期間の規定はありません。
専任媒介契約
1社とのみ契約を結ぶ媒介契約。
購入希望者を自分で見つけてきて不動産会社を通さずに売買契約を結ぶことは可能です。
契約期間は3ヵ月以内です。
専属専任媒介契約
専任媒介契約をさらに厳しくした媒介契約。
同時に複数の不動産会社と契約を結ぶことはできず、自分で購入希望者を見つけてきた場合もかならず不動産会社を通しての契約となります。
契約期間は3ヵ月以内です。
一般媒介契約では契約期間の規定がないため、売主はいつでも媒介契約を解約できて違約金も発生しません。
ただし、これまでにかかった広告費や宣伝費の実費支払を求められる可能性はあります。
また、専任媒介契約や専属専任媒介契約の場合はさらに注意が必要。
最長3ヵ月の契約期間内での解約には違約金が発生する可能性があります。
違約金の金額は標準媒介契約約款で定められており、売却できたときに支払う仲介手数料を上限としていることが多いです。
仲介手数料は、800万円以下の物件は30万円+消費税、800万円超物件は「売却価格×3%+6万円+消費税」で計算されるため、違約金の上限もこの金額となることが多いです。
不動産会社との媒介契約をキャンセルするのには、こんな理由が考えられます。
- 売却せずに賃貸に出すことにした
- 売却せず親族に贈与することにした
- 購入希望者が見つからない など
もちろん「売却活動をきちんとしてくれない」など、不動産会社側に責任がある場合の解約では、売主に違約金が発生することはありません。
また、最長3ヵ月の契約期間が終了したタイミングで「契約更新をしない」ことを選べば、違約金はなく契約を終了することができます。
ご紹介した3つの媒介契約の詳細やメリット・デメリットについては、こちらのコラムでも詳しくご紹介しています。
不動産売却の媒介契約は専任媒介契約?一般媒介契約?違いや選び方とは
ちなみに、「不動産会社に査定をしてもらったあと」のタイミングは、媒介契約を結んでいるわけではないので違約金などもなく自由にキャンセルができますよ。
不動産売却で売買契約後のキャンセルは可能?違約金は発生する?
では不動産会社との媒介契約ではなく、購入希望者と不動産売買契約を結んだあとに売却をキャンセルすることはできるのでしょうか?
やむを得ない事情、契約違反などがある場合は、売買契約を結んだあともキャンセルは可能です。
しかし、タイミングによって違約金が発生し、その金額も異なります。
不動産売却では買主から購入申し込みをもらい、売買契約を結んで手付金を受け取り、残金決済と同時に物件の引き渡しをして取引完了となります。
キャンセルが可能なタイミングや、どんなタイミングで違約金が発生するのかをご紹介します。
購入申し込みを受けたタイミングでのキャンセル
購入申し込みは契約上の拘束力を持ちませんので、この時点でキャンセルしても違約金は発生しません。
やっぱり売るのを辞めようと思えば、キャンセルは可能です。
売買契約を締結したあとのキャンセル
売買契約を結んだあとにキャンセルできるの? と思うかもしれませんが、契約直後ならキャンセルは可能です。
ただし、この場合売主は、契約時に受け取った手付金の倍額を買主へ支払う必要があり、これがキャンセルの違約金となります。
これを「手付倍返し」といいます。
手付金は物件価格の5~10%程度で設定されることが多く、たとえば3,000万円の物件で10%なら300万円。
300万円の手付金を受け取っていたら、600万円を違約金として支払うことになります。
不動産売却の手付金については、こちらのコラムでも詳しくご紹介しています。
不動産売買の手付金とは?相場や手付解除についても解説
引き渡し直前のキャンセル
契約を結んでから時間が経って、引き渡しの準備が進んでいるなかでのキャンセルでは、手付金の倍返しでキャンセルというわけにはいきません。
買主は引き渡しに向けて残金の準備をしたり、引っ越しの手配をしたりしています。
このような動きを「契約履行の着手」といい、契約を遂行するためにすでに動いている時点でのキャンセルでは違約金が発生します。
キャンセル時の違約金の金額については、不動産売買契約書に記載がされています。
もし記載がない場合でも契約解除に対する損害賠償をするのが通常で、損害賠償額は売買価格の1割程度が相場となっています。
もちろん、買主都合のキャンセル、買主に責任がある場合のキャンセルでは売主が違約金を負担することはありません。
また、「住宅ローンの審査が通らずに、購入ができなくなった」という場合もまれにあります。
住宅ローンについては「住宅ローンに通らなかったときは違約金なしで契約解除となる」という住宅ローン特約を、売買契約書へ記載していることがほとんどです。
まとめ
・不動産売却をキャンセルする場合のパターンとは
売却をキャンセルするケースとしては、不動産会社に査定をしてもらったあとや媒介契約を結んだあと、不動産会社が物件の広告を出したあと、購入希望者から購入申し込みを受けたあと、買主と不動産売買契約を結んだあと、不動産売買契約を結んで物件を引き渡す直前などがあります。
・不動産売却で媒介契約のキャンセルは可能?
不動産会社と結んだ媒介契約のキャンセルは可能です。一般媒介契約では違約金はありませんが、専任媒介契約や専属専任媒介契約の場合は、最長3ヵ月の契約期間中のキャンセルで違約金が発生することがあります。契約満了時に契約更新をしなければ、違約金なしで契約を終了することができます。
・不動産売却で売買契約後のキャンセルは可能?
やむを得ない事情や契約違反などがあるなら不動産売買契約を結んだあとでもキャンセルは可能です。契約を結んだ直後なら手付金の倍返しで売却をキャンセルできます。契約履行の着手が進んでいる場合はキャンセルには違約金が発生。契約書に記載された違約金、または売却価格の1割程度の損害賠償が相場となっています。
不動産売却の流れや契約の注意点などについては、下記のコラムでもご紹介していますので、ぜひご覧くださいね。
不動産売却の手続き、その流れと押さえたいポイント
不動産を売却契約する際に注意したいこと
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著者
石狩店 古木 篤広過去の経験や知識を活かして、お客様のお悩みや不安を解消する、最善と思われるご提案をさせていただきます。 お住替えや不動産売却などのお取引を通じて皆様のお役に立てるよう頑張ります。 不動産に関するご相談お待ちしております。
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