不動産に関する手続き2021.11.22

買ったばかりの家を損せずに売却する方法はある?〜その3

買ったばかりの家を売って、購入価格よりも高く売れるのはレアケースで、損をしてしまうのがほとんどです。しかし購入時との差額がマイナスになると、家の売却代金だけでは住宅ローンが完済できないという問題が発生します。

では、できるだけ損しないためにはどうすればいいのでしょう。今回は、後悔しないために知っておきたい対処法をお伝えします。

家をすぐに売っても損を最小限にする対処法

買ったばかりの家をすぐに売る場合、損をしないために以下の3つを知っておきましょう。

①できるだけ早く売り出す

家の価値は築年数が経過するごとに下がるため、できるだけ早く売り出すことをおすすめします。

一度も住んでおらず、かつ建築工事完了(竣工)から1年以内であれば「新築」として売ることができます。高い価格設定での売却が可能なので、損をするリスクを抑えることができるでしょう。ただし、一度も住んでいなくても工事完了から1年が経過すると「築浅中古」となりますので、注意が必要です。

一方、短期間でも一度人が住んだ場合は「中古」として扱われます。それでも築浅だったり周辺環境が良ければ、比較的高い価格設定で売れる傾向があります。

新築、築浅中古、中古では、購入を検討している人に与える印象はそれぞれ異なります。いずれにしても、売ると決めたらすぐに売却活動を始めることが肝心です。

〈ヒント〉売り出し価格を少し高めに設定してみる
できるだけ損しないようにするためには、売り出し価格を少し高めに設定してみることも1つの方法です。フリマサイトを使ったことがある人は分かると思いますが、出品の際には売れる価格の相場を調べて値付けします。家も考え方は同じです。

中古マンションなら、過去に同じマンションで売れた直近の成約価格(実際に売れた金額)から、1㎡あたりの価格を出して計算すれば、およそいくらで売れるか見当がつきます。新築マンションの場合は、基準となる価格が新築時の販売価格しかありません。そのため、新築時の購入価格にできるだけ近い金額で売れる可能性が高いといえます。

新築一戸建ては、立地や面積などの条件が全く同じ物件がないため、周辺地域で売りに出されている物件と比較して販売価格を決める必要があります。しかし全く同じ物件がない分、気に入ってくれる方が見つかれば、高値で売れる可能性もあります。

いくらで売れるかは誰にも予想できません。最初は相場より少し高めの価格に設定して売り出してみることも考えましょう。

②相場を把握する

相場価格とは、過去実際に売れた価格から判断して、現時点で市場に出して「実際に売れるであろう金額」のことです。一般的に不動産会社が提示する査定価格は、相場価格より少し高めの金額設定になっています。売出価格の上限だと思ってください。

査定価格は、不動産会社によって何百万円もの差が出ることはよくあります。査定価格はあくまで売出の参考価格であって、実際に売れるであろう「相場価格」ではありません。そのため基準となる相場価格を自分で把握しておかないと、どの査定を信用して依頼する不動産会社を決めたらいいのか判断できないでしょう。

査定額だけを見て、高いところに飛びつくのは危険です。相場価格からかけ離れた金額で売りに出しても、結局は売れず、値下げを繰り返して売却活動が長期化する恐れがあるからです。

そのため、不動産会社に依頼する前に、まずは自分が相場価格を知ることが大切です。自分で調べるのは大変ですが、周辺の同条件の物件がいくらで売り出されているかや過去に売れた金額を調べると、だいたい分かります。

③依頼する不動産会社の見極めが最重要

家の相場価格がある程度把握できたら、いよいよ不動産会社選びです。会社の選定次第で売却の失敗にもつながりかねないため、非常に重要なポイントになります。

家の売却価格は、依頼する不動産会社によって大きく変わります。査定は複数の会社に依頼するのが基本ですが、ただ数が多ければ良いというものではありません。重要なのは、その地域での売却実績が多い不動産会社に査定してもらうこと。地域の市場動向を熟知している不動産会社なら、少しでも高く売れるノウハウや販売戦略、さらにその地域の家を買いたいという購入希望者のリストも持っているでしょう。

さらに「戸建て・マンションに強い」「集客方法や買主との交渉力に長けている」など、会社や担当者によって得意とする部分は異なりますので、そこを見極めることが大切です。

まとめ

買ったばかりの家をすぐに売ると、基本的にはほとんどのケースで売却価格が購入時の価格を下回り、損をしてしまいます。しかし物件の状況によっては同程度の価格か、より高値で売却できる可能性もあります。

家を売る際にできるだけ損をしないためには、「早く売る」「相場を把握する」「不動産会社を見極める」という3つの対処方法が非常に重要なポイントになります。売る際には、住宅ローンが完済できるかどうかも考えた上で売却活動を進めましょう。

北章宅建では、不動産売却に関するご相談をいつでも無料でお受けしています。やむを得ない事情で、買ったばかりの家をすぐに手放すことになったなど、お困りのことがあれば、ぜひお気軽にご連絡ください。

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著者
買ったばかりの家を損せずに売却する方法はある?〜その3

札幌手稲店 野口 祥子

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