不動産に関する手続き2022.06.24

生活保護中に不動産売却は可能!売却必須なケースや売却益の影響は

こんにちは!
イエステーション北章宅建 美唄店の小河です。

「生活保護の受給中は不動産を売却できない?」
「不動産を所有していたら生活保護を受けられない?」
生活保護と不動産の関係で、このような質問を受けることがあります。

今回のコラムではそんな疑問を解消するべく、生活保護と不動産の関係を解説。
生活保護中に不動産を売却した場合の対応や、生活保護受給中でも保有が可能な不動産・売却しなくてはいけない不動産についてお話しします。

生活保護

 

生活保護でも不動産売却は可能!ただし売却益に注意

生活保護を受給しているときに、不動産を売却するのは可能です。
「生活保護を受けている人が不動産を持っていることはないのでは?」と思うかもしれませんが、生活保護中に不動産を相続したケースなどが想定されます。

ただし、不動産売却によって「利益が出た」と判断されると、その金額に応じて生活保護費の返還や停止、生活保護認定が取り消される可能性があります。

生活保護とは、収入や資産がなく困窮している人を助け、自立を促すための制度です。
厚生労働省では以下のように定義しています。

「資産や能力等すべてを活用してもなお生活に困窮する方に対し、困窮の程度に応じて必要な保護を行い、健康で文化的な最低限度の生活を保障し、その自立を助長する制度です。」
厚生労働省 生活保護制度より

不動産を売却して「利益」があったなら、「収入や資産がなくて生活に困窮している」には該当しないことになります。

生活保護中に不動産を相続したケースで、不動産を売却すると生活保護がどうなるのか、いくつか例をご紹介します。

例として、毎月15万円の生活保護費を受給中で、相続から3カ月後に不動産を売却したという共通の条件を想定します。

【生活保護費よりも売却益が少ない場合】利益分を返却

たとえば売却益が30万円だったとすると、相続から売却までの期間中に受給していた生活保護費45万円(15万円×3カ月)から、利益を得た分の金額(30万円)を返金します。

生活保護は、厚生労働省が定めた基準で計算された最低生活費から、世帯の収入を引いた分を支給するものです。
そのため、収入があったなら、その分の生活保護費は返金しなくてはいけません。

ただし、その後に収入がなければ、引き続き生活保護の受給を続けられます。

【生活保護費よりも売却益が少しだけ多い場合】生活保護の停止

たとえば売却益が60万円だった場合は、まずは同じように期間中に受けた生活保護費を返却します。
15万円×3カ月の45万円全額を返金しても、15万円残ります。
そして「この15万円があれば、1カ月の最低生活費になる。保護が必要な状態ではない」と判断されると、1カ月の間は生活保護が停止します。

ただし、1カ月が過ぎて、その後に収入がなければ生活保護が再開し、引き続き生活保護を受けられます。

【売却益が高額になった場合】生活保護認定の廃止

たとえば売却益が200万円だった場合、期間中に受給していた15万円×3カ月の45万円全額を返金しても、155万円も残ります。
これは最低生活費が15万円という基準で考えると、10カ月以上分の生活費となります。

継続的に生活できる資産があるなら保護の必要はないため、生活保護の認定自体が廃止され、生活保護の受給はなくなります。
生活保護の廃止は、最低生活費を基準に半年分以上の資産があることが目安となっているようです。

もし、売却益を使い切ってしまった場合は、再度生活保護の申請をし、審査を受けることになります。

 

生活保護を受けるために不動産売却が必要なケースもある?

生活保護は「資産や能力等すべてを活用してもなお生活に困窮する方」が対象です。
健康で仕事があれば働き、活用できる資産があれば売却などをして生活費にし、家族や親族から援助を受けられる方はまずそちらを頼ります。
そのうえで収入がない、または収入が最低生活費を下回る場合に、生活保護の対象となります。

そのため、不動産を所有しているなら、まずはその資産を売却して生活費を捻出することを求められます。

ただし、マイホームについては例外的に保有が認められるケースもあります。
築年数がたって価格が下がっているマイホームなどは、売却して生活費にするよりも、住宅として住んでいる方が利用価値が高い場合が多いからです。

生活保護は自立を支援する制度。
数カ月分の生活費のために無理に自宅を手放させるよりは、自宅に住みつつ生活保護を受給し、その間に体調を整えて仕事を探す方が社会全体としてメリットがあるからと考えられます。
同じ理由で、事業用の不動産で最低限度のものも保有が認められています。

なお、厚生労働省の指針では、利用価値よりも処分価値が著しく大きい場合(目安として2,000万円程度)は、売却等による資産の活用を求めています。

また、住宅ローン返済中の不動産については、マイホームであっても保有が認められません。
生活保護費で住宅ローンを支払うことは、税金が原資である生活保護費で個人の資産形成を行うことになってしまうからです。

ただし、どんな状況でどの不動産の保有が認められるかは、個別に判断されることになります。

 

まとめ

・生活保護でも不動産売却は可能!ただし売却益に注意
生活保護とは、資産や能力などのすべてを活用しても生活に困窮する人を支援するための制度です。相続などで不動産を得た場合、生活保護受給中であっても売却は可能です。ただし、不動産を売却して利益が出た場合は、期間中に受給した生活保護費の返金が求められます。利益の金額によっては生活保護の停止や廃止の可能性もあります。

・生活保護を受けるために不動産売却が必要なケースもある
生活保護を申請する際に不動産を所有しているなら、原則としてまずは不動産を売却して生活費を捻出することを求められます。マイホームの場合は保有を認められるケースもありますが、利用価値よりも処分価値が著しく大きい場合や住宅ローンが残っている物件の場合は売却を求められるでしょう。

 

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生活保護中に不動産売却は可能!売却必須なケースや売却益の影響は

美唄店 小河 利也特に担当している岩見沢東部、三笠市、美唄市、奈井江町は地元という事もあり、細かな対応に自信があります。 不動産売買仲介のみならず、買取、賃貸仲介、管理等不動産に関する事はどのような事でもご相談ください。どうぞ宜しくお願いします。

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