不動産に関する手続き2021.07.01

不動産売却のときは書類が多くてわからない。買い付け証明書とは何のための書類?

日々、多くの売主様の売却のお手伝いをさせていただく中で、よくご質問を受けることがあります。
それは、「この書類は何のための書類ですか?」といった質問。
不動産書類は、本当にたくさんの書類に署名と捺印が必要となり、しかも、全て大切に保管をしておかなければいけません。
どんな書類があり、なぜ必要なのか、またどんな効力のある書類なのか、今回の記事では、売却に必要な書類の1つでもある「買い付け証明書」について説明していきます。

そもそも買い付け証明書とは何?

不動産の契約において、売買契約書や媒介契約書に関しては、全て理解をしないまでも、なんとなくわかるといった回答をいただきますが、買い付け証明書に関しては「よくわからない」という方が多いように感じています。
確かに買い付け証明書は、100%提出する必要はなく、提出しなかったからと言って問題になることもありません。

買主が売主に対するアピールの一つ

買い付け証明書は、要するに、買主が「○○万円で購入したい」という意思表示の一環です。
高額な買い物であればある程、「できるだけ安く購入したい」と思うのは、誰しも持っている思惑であり、その思いを具体的に表すためのツールだと考えられます。
別名「購入申込書」や「買受証明書」といった名称でも呼ばれることがあります。
ちなみに、私たち不動産業界では、「買付」と省略をすることが多いですね。
もちろんこの書類を提出することは義務ではなく、あくまで買主の思いを発散するものであり、アピールの一例でもあるので、パフォーマンスとして行うか行わないかは買主の自由ということになります。

法的な拘束力はない

買主からの希望価格が、値下げ価格で書かれていたとしても、必ずしも売主がその金額で売却しなければならないわけではありません。
むしろ、買い付け証明書には法律的な効力や拘束力はないので、売主としては、提出されたからといって、構える必要はないと言えます。
また、法務局や税務局などで揃える書類は特になく、仲介となる不動産会社が用意することも多いので、雛形には沿っているものの、法的効力は期待できません。

記載される事項はケースバイケース

基本的に不動産会社が独自に買い付け証明書を用意し、売主に提出するケースが多いですが、記載する項目は物件の種類や状況によって異なります。
もちろん不動産会社によって用意する書類や、参考にする雛形が異なるので、記載項目は三者三様です。
基本的な項目を挙げると、買主の個人情報をはじめ、購入の希望する価格、金銭の授受に関する項目、引き渡しや現況についてが主な事項となります。

買い付け証明書における注意点はこちら

一見、「出したもの勝ち」といった感覚が強い買い付け証明書ですが、いくつか注意点があるので、正しく認識をするためにもこちらを参考にしてみてください。
特に、買い付け証明書を提出された売主は、「必ずこの金額で売却しなければならないのか」と不安になることも多いようですが、そのような決まりはないのでご安心ください。

必ず買主の希望金額で売却する必要はない

「証明書」という言葉から、なんとなく強制力が働いているような書類に感じることもあるのでは?
ご紹介してきたように、買い付け証明書には、法的な決まりや拘束力は一切ありません。
なので、買主が希望する購入金額で売却する必要はなく、必ずその購入希望者に売却する必要もありません。
特に人気の高い物件である場合は、購入希望者がたくさんいる状態となる可能性も多く、あなたが売主である場合は「どの希望者に売却しようか」と選ぶ権利もあります。
さらに言えば、買い付け証明書に購入希望金額が記載されていることから、一番希望額が高い人に売却することもできるのです。
ただし、人気があるからといって、より高い価格と欲することも注意が必要です。

損害賠償が発生する事案も

例え強制力や拘束力がないにしても、売買契約に向けてある程度進んでいる場合、売主もしくは買主が契約破棄をしたり、何らかの問題を起こした場合は、損害賠償が発生する可能性があります。
特に、買主の勝手な都合により契約を流してしまった場合、買い付け証明書が購入の意思とみなされることから、売主から買主へ損害賠償を請求したという事例が過去にあります。

信用度につながる

買い付け証明書を用意したことによって、「購入したい」という意思表示になるのは間違いありません。
この意思表示をしたにも関わらず、「別の物件が気に入った」とか「建物が崩壊した」など様々な理由によって自己都合で契約が白紙に戻った場合は、過失があった側の信用度が損なわれてしまいます。

買い付け証明書を提出してきた人は購入意欲が高い

基本的に買い付け証明書まで発行するということは、かなり購入の意思が高いと考えられます。
人気物件や需要の高い物件では、多くの購入希望者から申し込みが入る可能性があり、同時に買い付け証明書が集まってくるでしょう。
売主として注目しておくべき点は、購入希望金額はもちろん、「他者との差別化ができているか」という点です。
例えば、購入希望金額とは別に「売主の希望額に対して要相談」など書かれているかどうかをチェックしましょう。

意思表示をすることで、物件の公開を止めることができる

提出義務が強いわけではない買い付け証明書ですが、口約束ではなく、文面にて提出することによって、買主の購入したいというモチベーションが把握できます。
売主は、買い付け証明書によって、買主との売買契約に向けて1歩を歩みだすことができ、物件情報の開示をストップすることができるのです。

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