税金のこと2021.01.26
転勤が決まったら住宅ローン控除は受けられる?
※コラム内容は掲載当時の最新情報となり、現在改正されている場合があります。
サラリーマンの方なら、マイホームを購入するタイミングは「この先転勤はない」と思った時でしょう。
ところが、そんな時に限って転勤の辞令が出たりするものです。
仕方なく買ったばかりの家を売るのか、それとも人に貸すのか。
いずれにしても住宅ローンを借りていれば相当残っているでしょうし、住宅ローン控除の適用も受けているでしょう。
転勤などで転居してしまう場合、住宅ローン控除は対象になるのでしょうか。
マイホーム購入後に転勤になったらどうなる?
住宅ローン控除とは、住宅ローンを借りて居住用の不動産を購入した場合、年末のローンの残高の1%相当額を所得税や住民税から控除してくれる制度です。
つまり「税金が還ってくる」ということ。ただし住宅ローン控除を受けるには様々な条件があります。
海外に転勤の場合
住宅ローン控除を受けるには、いくつかの条件を満たしている必要があります。その一つが「本人が居住している住宅であること」(居住者=日本国内に住所を有するもの等)。そのため海外に住所を移転すると、住宅ローン控除の適用は受けられません。もし家族が日本に残っていても、住宅ローンの名義本人が居住していないため控除の適用外となります。
しかし、すでに住宅ローン控除の適用を受けていた人で住宅ローンの控除期間(入居から10年)が残っていれば、必要な手続きを行うことで、日本に戻って再居住した場合に再適用を受けることができます。
再適用を受けるためには、忘れずに次の書類を税務署に提出してください。
【転勤前までに提出】
・「転任の命令等により居住しないこととなる旨の届出書」を家屋の所在する管轄の税務署に提出
・税務署長から「年末調整のための住宅借入金等の特別控除証明書」及び「給与所得者の住宅借入金等の特別控除申告書」の交付を受けている場合には、未使用の証明書、申告書を税務署に返還(税務署に相談を)
【帰国後に提出】
再度居住することになった年分の確定申告で必要なもの
・確定申告書に住宅ローン控除の記載
・「住宅借入金等特別控除の計算明細書(再び居住の用に供した人用)」
・住民票の写し
・「住宅取得資金に係る借入金の年末残高証明書」
国内で転勤の場合
国内で転勤する場合でも、原則としてその物件に居住していない期間は住宅ローン控除は受けられません。海外赴任の場合と同様の手続きが必要です。
ただし海外に単身赴任する場合と異なるのは、国内で単身赴任の場合なら、残された家族が引き続き住み続け、本人が転勤から戻ってきて再び同居する場合は、引き続き住宅ローン控除を受けられることです。
引渡前の転勤は住宅ローン控除が適用されるのか
念願のマイホームを手に入れ、「さぁこれから住むぞ」というタイミングで転勤の辞令が…。そんなケースは実際にあります。
住宅ローン控除は、原則として購入者本人が住まなければ適用を受けられない制度です。しかし、本人が住めない理由が、転勤や転地療養などやむを得ない事情にある場合は、引渡の日から6カ月以内にその家族が住み、再び本人がマイホームに戻ってきて家族と同居する場合には、住宅ローン控除を受けることができます。
海外赴任中に購入した日本のマイホームは控除の対象?
先にも説明した通り、住宅ローン控除が適用されるのは「居住者(日本国内に住所を有するもの等)」だけ。そのため、今までは海外居住者が帰国する前にマイホームを購入しても、引渡時に日本に住所を有していなければ住宅ローン控除を受けることができませんでした。
しかし、平成28年4月以降はこの制度が緩和され、本人が引渡時に日本に住所を有しなくてもローン控除が適用できるようになっています。