税金のこと2022.01.11

相続した空き家を売却。3000万円控除が受けられる空き家特例とは?~その2

住宅の売却では、とても節税効果の大きい「3,000万円控除」という特例があり、相続した実家の空き家も一定の要件を満たせば控除が受けられます。

しかしこの「一定の要件」が結構厳しく、解釈が難しい点もあります。今回は、適用要件をわかりやすく解説していきましょう。

空き家特例(相続空き家の3000万円特別控除)の適用要件

適用要件の詳細は、国税庁HPに記載されています。一読しただけでは理解しにくいため、ここでは噛み砕いて10のポイントを挙げていきます。以下の要件は、全てクリアできていないと空き家特例を利用することはできません。

①建物だけでなく土地も相続していること
②相続があった日(亡くなった日)から3年後の年末までの間に売却したこと
③区分所有建築物(マンション)でないこと
④1981(昭和56)年5月31日以前に建築された建物であること
⑤被相続人(亡くなった方)が亡くなる直前まで居住していた家であること
⑥同じ被相続人(亡くなった方)の相続ですでに空き家特例を利用していないこと
⑦買主は第三者で、配偶者や直系血族など、特別な関係の人に対する売却ではないこと
⑧売却金額が1億円以下であること
⑨売却するとき建物がある場合は一定の耐震性が認められること、もしくは建物を解体して土地だけで売却していること
⑩相続してから売却するまで、賃貸に出したり、相続した人が住んだりしていないこと

各項目を、さらにわかりやすく解説していきます。

①建物だけでなく土地も相続していなければならない

建物(家屋)を相続しているだけでは要件を満たしません。土地(敷地)も相続している必要があります。

②適用される期限に注意!

まず、この制度自体に期限があります。適用期限は、2016年(平成28年)4月1日から2023年(令和5年)12月31日までの間です。
さらに、相続が開始された日から3年後の年末までに売却すること、という条件付きです。
例えば、2019年6月1日に相続が開始(基本的に被相続人の死亡)されたとしたら、2022年の12月31日までの売却に適用となります。

③マンションは空き家特例を利用できない

区分所有建築物とは、簡単にいうと「マンション」のことです。
空き家特例は「耐震性の低い空き家」を対象としているため、管理組合などが建物の適切な修繕を行なっていることが多いマンションは、いくら空き家でもこの特別控除を利用することはできません。また、二世帯住宅でも区分所有登記されている場合は適用外となります。

④なぜ「1981(昭和56)年5月31日以前」に適用?

この日が適用要件の線引きになっている理由は、「昭和56年5月31日」が、耐震基準が改訂された日だからです。つまりこの特例は、倒壊のリスクが高い「旧耐震基準」の家を対象にしている、ということです。
この制度の背景には、古い空き家の増加を食い止めたいという国の思惑があります。多くは相続がきっかけで空き家になっており、倒壊の危険性や犯罪の温床になる恐れがあるため、この制度が作られたのです。建築年月日に線引きがあるのは、そのためです。

⑤亡くなる直前まで居住していた家でなければならない

相続開始まで、亡くなった人が一人暮らししていたことを証明するには、その家屋がある市区町村に申請して「被相続人居住用家屋等確認書」の交付を受けるほか、被相続人(亡くなった人)の住民票、電気ガスの使用中止日を確認できる書類などが必要です。

〈老人ホームに入所していた場合は?〉

亡くなる前は老人ホームに入居していた、というケースも多いでしょう。その場合でも、次の要件を満たせば空き家特例を利用できます。
●被相続人が介護保険法に規定する要介護認定などを受け、かつ相続開始の直前まで老人ホームなどに入所していたこと
●被相続人が老人ホームなどに入所したときから相続開始の直前まで、その家屋が被相続人によって一定の使用がなされ、かつ事業や貸し付け、被相続人以外の者に居住用に利用されていないこと

空き家特例を利用するための残り5つのポイントは、引き続き次回の記事で解説します。

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著者
相続した空き家を売却。3000万円控除が受けられる空き家特例とは?~その2

札幌手稲店 野口 祥子

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