税金のこと2022.01.11

相続した空き家を売却。3000万円控除が受けられる空き家特例とは?~その4

相続空き家を売却して売却益が出ると、その額に応じて譲渡所得税を支払わなければなりません。しかし一定の要件を満たせば、「空き家特例」を利用して3,000万円の特別控除を受けることができます。

この特例を受けるために必要な要件を10のポイントで解説してきましたが、実は注意すべきことは他にもあります。空き家特例解説の最終回となる本記事では、要件以外に注意すべき点と、申請方法について解説します。

空き家特例(相続空き家の3000万円特別控除)の注意点

適用要件以外には、どのような点に注意すべきか見ていきましょう。

兄弟で相続した不動産を売却した場合

相続空き家の3,000万円特別控除は、相続人1人につき3,000万円が控除されます。そのため、たとえば3兄弟で均等に不動産を相続した場合、空き家特例が適用できると、物件を売却して9,000万円の売却益が出た際、1人につき3,000万円ずつ控除を受けることができます。

ただし、被相続人(亡くなった方)の建物と土地をセットで引き継いで売却することが条件ですので、長男が土地を、次男と三男が建物を相続していた場合などは、どちらも特例を利用することができません。特例を受けるためには「土地と家屋はセットで相続している必要がある」という要件を満たしていないからです。

自宅と相続空き家の両方を同じ年に売却した場合

マイホームの売却時も、一定の要件を満たせば居住用財産の3,000万円特別控除が受けられます。しかし、もし相続空き家も同じ年に売却した場合はどうなるのでしょう。2つの特例を併用することは可能ですが、限度額は合わせて3,000万円となります。6,000万円ではないため、注意が必要です。

相続により一部を先に取得していた場合

父が亡くなった際に実家の持分2分の1を相続で取得し、その数年後に母が亡くなったことで、残り2分の1の持分を所得した、というケースもあるでしょう。

その場合は、相続した不動産全体ではなく、母から相続した2分の1のみが3,000万円控除の対象となります。

空き家特例(相続空き家の3000万円特別控除)の申請方法と必要書類とは

空き家特例の適用によって納税が0円となる場合でも、必ず確定申告が必要です。空き家の特別控除申請の際は、次の書類と空き家特例チェックシートを添付して提出してください。

・譲渡所得の内訳書(確定申告書付兼計算明細書)【土地・建物用】(5面)
・土地と建物の登記事項証明書(登記簿謄本)
・土地と建物の売買契約書のコピー
・被相続人居住用家屋等確認書
・耐震基準適合証明書または建設住宅性能評価書のコピー(土地の売却の場合は不要)

※「被相続人居住用家屋等確認書」は、自分が今住んでいるところではなく、その家屋がある市区町村に申請して交付を受けます。Googleで「◯◯市 被相続人居住用家屋等確認書」と検索すれば、申請窓口を調べることができます。

 

まとめ

相続した実家を、空き家のまま放置しておく方は少なくありません。しかし、このコラムでお伝えしてきたように、一定の要件を満たす場合は、売却で得た譲渡所得から最高3,000万円まで控除を受けることができます。要件に適合するかどうかを確認し、すぐに売却するのが賢明です。

しかし旧耐震基準の家は、新耐震基準を満たすためのリフォームを行うか、解体して更地にする必要があります。いずれにしてもまとまった費用がかかるため、どちらを選択すべきか慎重に検討すべきですし、そもそも売却益が出て税金が発生するのかどうかも、調べておく必要があるでしょう。

相続空き家を売却したいけれど、何から始めれば良いか分からない、耐震リフォームか解体かで迷っている、という方は、北章宅建にいつでも気軽にご相談ください。

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著者
相続した空き家を売却。3000万円控除が受けられる空き家特例とは?~その4

札幌手稲店 野口 祥子

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