不動産管理コラム
不動産管理のこと2026.04.13
木造アパート経営のメリット・デメリットと成功のポイント
こんにちは。イエステーション北章宅建 不動産管理部の小幡です。
「木造アパートって低コストで始めやすいと聞くけど、修繕費や空室リスクが心配」
「相続したものの、このまま経営を続けるべきか、売却したほうがいいのか迷う…」
そんな疑問や迷いを抱えていらっしゃいませんか?
今回のコラムでは、木造アパート経営の特徴とメリット・デメリット、失敗しやすいポイントと対策、相続した場合の選択肢と判断基準まで詳しく解説します。

木造アパート経営の特徴とメリット・デメリットを解説
木造アパートはRC造(鉄筋コンクリート造)や鉄骨造と比べて、建築費や購入コストを抑えやすいのが特徴です。
まずは木造アパート経営のメリットとデメリット・注意点を整理し、どんな人に向いているか見ていきましょう。
木造アパート経営のメリット
木造アパート経営には、主に次のようなメリットがあります。
メリット①低コストで始められる
木造アパートは、建材費や施工費が比較的安く、同規模でもRC造や鉄骨造に比べて建築費を抑えやすいのが特徴です。
そのため、自己資金が多くなくてもスタートしやすく、初めてのアパート経営にも取り組みやすいといえるでしょう。
メリット②高利回りを期待しやすい
木造アパートは初期投資を抑えられる分、家賃収入に対する利回りが高くなりやすい傾向があります。
特に土地価格が比較的低いエリアでは、RC造では実現しにくい収益水準を狙える可能性もあります。
メリット③減価償却による節税効果が期待できる
木造の法定耐用年数は使用目的によって異なり、事業用の住宅は22年とされています。
木造の賃貸アパートは入居者が居住する「住宅用」の建物ですが、オーナーにとっては家賃収入を得るための事業用資産に該当するため、税務上は事業用の耐用年数(木造22年)が適用されます。
減価償却は、固定資産の取得費用をその耐用年数にわたって分散して計上する仕組みです。
このため、耐用年数が短い資産は、1年あたりに計上される減価償却費が大きくなります。
結果として、課税所得を圧縮しやすくなり、節税効果が期待できます。
※法定耐用年数は税務上の減価償却を計算するための基準であり、実際の建物の寿命とは異なります。
木造アパート経営のデメリットや注意点
一方で、木造アパート経営には次のようなデメリットや注意点もあります。
デメリット①老朽化のスピードが速い
木材は水分や紫外線の影響を受けやすく、RC造や鉄骨造と比べて経年劣化が進みやすい傾向があります。
長期的に安定した経営を目指す場合は、定期的な点検やメンテナンスを計画的に行うことが重要です。
デメリット②修繕費がかさみやすい
外壁や屋根の塗装、設備の更新、害虫対策など、維持管理には継続的な費用がかかります。
修繕費自体はどの構造でも必要ですが、木造は老朽化が早い点やシロアリなどの虫害対策が必要な点から、維持管理には注意が必要です。
また、シロアリの防除など木造ならではの対応も求められます。
あらかじめ修繕計画を立てて資金を積み立てておくことで、突発的な出費にも対応しやすくなります。
デメリット③防音・遮音性が低め
木造は構造上、RC造と比べて音が伝わりやすい傾向があります。
ただし、防音材の採用や床・壁の工夫など、設計段階で対策を講じることで、一定程度の改善は可能です。
木造アパート経営はどんな人に向いている?
特徴を踏まえると、木造アパート経営は次のような方に向いています。
まず、新規投資としては、初期費用を抑えてアパート経営を始めたい方に適しています。
また、相続で物件を取得した場合は、既存の建物の状態に応じて、修繕しながら運用を続けたい、建替えも含めて柔軟に判断したいといった方にも向いています。
木造は建築コストを抑えやすく、初期投資や相続後の修繕方針を検討しやすい点が特徴です。
そのため、新規・相続いずれの場合でも、状況に応じた運用や投資判断を行いやすいといえます。
ただし、老朽化が比較的早く、定期的な修繕が必要になるため、長期的な維持管理を前提に計画的に運用できる方に適しています。
木造アパート経営で失敗しやすいポイントは?対策もご紹介
アパート経営では、下記に挙げるようなさまざまなリスクが想定されます。
- 空室リスク
- 家賃下落
- 修繕費の増加
- 管理会社とのトラブル
- 家賃滞納など入居者トラブル
上記のうち多くは、事前の計画や見通しが十分でないことに起因します。
特に木造アパートでは、木造特有のリスクも踏まえて経営の見通しを立てることが重要です。
木造アパート特有のリスク
木造アパートでは、一般的なリスクに加えて、次のような特有の注意点があります。
- シロアリなどの害虫被害
- 雨漏りや湿気による腐食・劣化
- 老朽化による修繕コストの増大
木材は湿気や外的要因の影響を受けやすいため、これらのリスクが顕在化しやすい傾向があります。
そのため、定期的な点検や早期対応が長期的なコスト抑制につながります。
アパート経営全体のリスクは「今後のアパート経営はどうすべき?リスクや成功のポイントを紹介」で解説していますので、ぜひあわせてご参照ください。
リスクを抑える具体策
リスクを最小限に抑えるために、次のポイントを意識することが大切です。
修繕・点検を前提にした計画を立てる
定期点検とメンテナンスを前提とし、外壁や屋根の塗装、シロアリ対策、雨漏りチェックの時期も含めて計画し、必要な資金をあらかじめ積み立てておきましょう。
木造物件の管理実績がある、信頼できる管理会社を選ぶ
建物の状態管理や入居者対応の質は、物件の価値に直結します。
そのため、木造物件の特性を理解した上で適切な点検・修繕の提案ができる管理会社を選ぶことが重要です。
また、地域の賃貸需要や入居者ニーズに詳しい会社であれば、空室対策や家賃設定の面でも安心して任せやすいでしょう。
修繕・建替えも見据えて立地を選ぶ
木造アパートは、将来的な修繕や建替えを前提に運用するケースも多いため、長期的に賃貸需要が見込める立地を選ぶことが重要です。
入居ニーズが安定しているエリアであれば、修繕後や建替え後も収益化しやすくなります。
相続した木造アパートの経営は続けるべき?売却すべき?
相続した木造アパートをどう扱うか、主な選択肢としては下記の3つがあります。
①自分でアパート経営を続ける
②管理会社に管理を委託する
③売却する
それぞれのメリット・デメリットや、「経営継続か売却か」の判断基準を解説しましょう。
3つの選択肢のメリット・デメリット
各選択肢の特徴は次の通りです。
①自分でアパート経営を続ける
自分でアパート経営を続ける場合は、管理費がかからないため、家賃収入をそのまま手元に残しやすい点がメリットです。
一方で、入居者対応や修繕管理などを全て自分で行う必要があり、手間と責任が伴うデメリットもあります。
②管理会社に管理を委託して経営する
アパート経営を管理会社に委託する場合は、家賃収入を得ながら、日常的な管理業務の負担を軽減できる点がメリットです。
ただし、管理費用が発生するため、手取り収入はその分減少します。
③売却する
アパートを売却する場合は、まとまった資金を得られる点がメリットです。
また、管理や修繕の負担から解放されるため、将来的なリスクを避けやすくなります。
一方で、家賃収入という継続的な収益は得られなくなります。
判断基準とする考え方
最適な選択は状況によって異なるため、次のようなポイントを整理して検討することが重要です。
- 家賃収入がローン返済・修繕費・管理費を上回るか
- 今後の修繕費や築年数を踏まえても黒字を維持できるか
- 立地の賃貸需要が長期的に見込めるか
- 管理の負担を許容できるか
上記を踏まえると、それぞれの選択肢は次のようなケースに向いています。
- 自己管理:収支が安定しており、管理の手間も許容できる場合
- 管理委託:収益は確保しつつ、管理の負担を減らしたい場合
- 売却:修繕費の増加や収支悪化が見込まれ、早めに現金化したい場合
なお、アパート経営を継続する場合は、維持管理の優先順位も意識した経営計画が必要です。
外壁・屋根など建物の耐久性に直結する箇所を優先しつつ、設備更新の記録を残しておくと、将来の売却時にも資産価値のアピールになります。
相続した木造アパートの経営継続について詳しくは、「アパート経営を親から引き継ぐ流れや経営継続のメリットなどをご紹介」で解説しています。
売却・継続の判断で迷っている場合は、「古いアパート経営のお悩み解決。継続か売却かの選択肢」もぜひ参考にしてください。
木造アパート経営を成功させるためのポイント

木造アパートを長く安定して経営するには、短期的な収益だけを追うのではなく、長期的な視点での運用が求められます。
収益を安定させるための実践的なポイントを紹介しましょう。
ポイント①長期的な収支と修繕を前提に運用する
木造アパート経営では、長期的な収支と修繕を見据えて運用することが重要です。
木造は劣化が比較的早いため、修繕費が定期的に発生します。
あらかじめ中長期の修繕計画を立てておくことで、突発的な出費を防ぎ、収支の安定が期待できます。
また、家賃設定も周辺相場や入居ターゲット(単身者・ファミリーなど)に合わせて見直すことで、空室リスクの軽減につながるでしょう。
家賃設定の考え方については、「家賃設定の根拠とは?算出方法や決め方のコツを解説」もぜひ参考にしてください。
ポイント②将来の売却も見据えた管理を行う
木造アパートは長期保有だけでなく、将来的な売却も視野に入れて管理することが大切です。
修繕履歴や設備更新の記録を残しておくことで、建物の状態を客観的に示すことができ、売却時の信頼性や資産価値の向上につながります。
ポイント③迷ったときは不動産会社へ相談を
木造アパートの運用に不安を感じた場合は、不動産会社に相談することも有効です。
「保有を続ける」「管理を委託する」「売却する」といった複数の選択肢のなかから、現在の状況に合った方法について、専門的な視点でアドバイスを受けることができます。
特に、収支や修繕の見通しに不安がある場合は、早めに相談することで、適切な判断につながるでしょう。
まとめ
●木造アパート経営は低コスト・高利回りが期待できる
木造アパート経営は初期費用を抑えやすく、節税効果や高利回りも期待できます。
老朽化の速さやそれによる修繕費の増加といったデメリットも正しく理解した上で臨みましょう。
●木造特有のリスクを知り、事前の計画で対策を
害虫被害や雨漏りなど木造ならではのリスクには、修繕計画の策定・管理体制・立地の見極めなどで軽減できます。
●木造アパート経営の継続・委託・売却、状況に合わせた判断を
木造アパート経営継続か売却かの判断は、収支や築年数・管理負担を整理し、自身の状況に合った選択をしましょう。
●木造アパート経営は長期視点で運用し、迷ったら専門家へ相談しよう
修繕計画と将来の売却を見据えた管理が安定経営の鍵です。
不安な点は不動産会社に早めに相談しましょう。
北章宅建では、都市部以外の賃貸アパート・戸建てを中心に不動産管理を行なっております。
不動産管理のことでお悩みがあれば、お気軽にご相談ください。
著者
小樽駅前店 小幡 将大賃貸物件に関するお悩みや不安、ご相談ごとは、どんなに小さなことでも私たちにお任せください。入居者様にとっては毎日の暮らしを支える住まいであり、オーナー様にとっては大切な資産です。だからこそ、お一人おひとりに寄り添い、誠実で丁寧な対応を心がけています。「ここに相談して良かった」と思っていただけるサービスを、これからも提供してまいります。
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