不動産管理コラム
不動産管理のこと2024.05.15
入居者がペットを無断飼育していたら?対応方法や放置するリスク
こんにちは。イエステーション北章宅建 不動産管理部の佐々木です。
マンションやアパートにはそれぞれ入居者が守るべきルールがあります。
しかし、犬や猫などペットの飼育を禁止している賃貸物件で、無断飼育している入居者に頭を抱えている不動産オーナー様も多くいらっしゃいます。
そこで今回は、入居者のペットの無断飼育について解説。
入居者への対応方法や無断飼育を放置するリスクなどもご紹介しますので、ぜひご覧ください。
入居者のペットの無断飼育を見つけたらどうする?
入居者がペットを連れて部屋に入るところを見たり、窓の外からペットの姿が見えたりといったことから、無断飼育が判明するケースがあります。
また、ペットの飼育を禁止している賃貸物件では、ペットのにおいや鳴き声がするとして、ほかの入居者から苦情があり判明する場合も。
ペットの無断飼育をしているという情報を得たら、その入居者が確実にペットを飼育している証拠を集めましょう。
証拠がない状態で無断飼育について対応を求めても、入居者が認めない限り解決に至らない可能性があります。
ペットの無断飼育に関する入居者への対応方法
ペットの無断飼育について、入居者への対応手順を見ていきましょう。
飼育停止の要求までの流れと、それでも飼育をやめない場合の流れをご紹介します。
飼育停止の要求までの流れ
ペットの無断飼育の判明から飼育停止を求めるまでの流れは次のとおりです。
1.賃貸借契約の内容を確認する
2.無断飼育の証拠収集をする
3.入居者に確認する
4.契約違反であることを伝え、飼育停止を求める
入居者の無断飼育が判明したら、まずは今一度、賃貸借契約にペットの飼育を禁止している事項が明記されているかを確認しましょう。
次に、ペットを無断飼育しているという証拠を収集します。
防犯カメラの映像を確認したり、ほかの入居者から苦情が寄せられている場合は詳細を記録したりすることで、証拠につながります。
証拠が集まったら、無断飼育をしている入居者に事実確認を行います。
もしペットの飼育を認めない場合は、居室の内部を確認させてもらいましょう。
ペットの姿が見当たらないときは、壁や床の傷や毛などペットの痕跡がないか室内点検や話し合いをします。
ペットの飼育を入居者が認めたら、契約違反であることを伝え、飼育の停止を求めて話し合いましょう。
ペットを手放す意思がある場合は、あわせて期日も確認しておくと安心です。
要求に応じず飼育をやめない場合の流れ
1.退去を要求する
2.部屋の原状回復費用を請求する
3.強制退去を執行する
入居者がペットの無断飼育を認めたにも関わらず飼育をやめない場合は、退去を要求します。
退去に応じた際は、退去手続きとあわせて部屋の原状回復費用を請求しましょう。
ペットを室内で飼育している場合は、においが染み付いていたり、床・壁が破損していたりと、汚損が発生するケースが多いです。
契約違反をした入居者には原状回復費用の請求ができるため、必ず清算してもらいましょう。
入居者が話し合いや退去に応じない場合は、強制退去を執行します。
入居者と不動産オーナー様の信頼関係が破壊していると判断される場合は、賃貸借契約を解除して強制退去を求めることができます。
強制退去を執行する際は、入居者に契約解除通知を内容証明で送付し、提訴する必要があります。
入居者の強制退去について下記コラムでもご紹介していますので、あわせてご覧ください。
強制退去の条件とは?強制退去の方法と注意点、費用について解説
入居者のペットの無断飼育を放置するリスク
ペットの無断飼育が判明した場合は、早急に対応することが重要です。
無断飼育を放置すると、次のようなリスクが発生します。
黙認しているとみなされる
ペットの無断飼育を把握しているにも関わらず放置していると、不動産オーナー様が黙認しているととらえられます。
黙認しているとみなされた場合は、強制退去執行の判断材料となる「信頼関係の破壊」にいたっていないと判断され、強制退去の執行が難しくなるでしょう。
ほかの入居者から不信を買う
ルールを守らない入居者を放置していれば、ほかの入居者から不満が募り、退去してしまう恐れがあります。
また、ほかの入居者からペット飼育に関する苦情があった場合も、放置せずにすぐに対処しましょう。
賃貸管理のクレーム対応については、こちらのコラムもご覧ください。
賃貸管理のクレームの事例と適切な対応について解説
入居希望者が減る
入居希望者が内見している際に、ペットの飼育を禁止している賃貸物件にも関わらず、ペットの鳴き声やにおいがした場合は、不信感を抱き入居を見送る可能性が高いです。
原状回復費用の負担が大きくなる
ペットを室内で飼育していると、傷がついたり破損したりするほか、においが部屋に染み付いてしまいます。
時間が経てば経つほど汚損は悪化し、原状回復費用が高額になります。
通常、原状回復費用は入居者の負担になりますが、ペットの無断飼育を黙認していたとみなされる場合、請求できる金額に影響が出る可能性もあります。
まとめ
●入居者のペットの無断飼育を見つけたらまずは情報収集を
入居者がペットを連れて部屋に入るところを見たり、ほかの入居者からの苦情が寄せられたりすることで、無断飼育が判明するケースがあります。ペットの無断飼育が判明したら、その入居者が確実にペットを飼育している証拠を集めましょう。
●ペットの無断飼育に関する入居者への対応方法
ペットの無断飼育が判明したら、まずは賃貸借契約の内容を確認します。続いて無断飼育の証拠収集をして入居者に事実確認し、契約違反であることを伝えて飼育停止を求めます。要求に応じず飼育をやめない場合は、退去を要求して部屋の原状回復費用を請求します。それでも退去に応じない場合は、強制退去を執行します。
●入居者のペットの無断飼育を放置するリスク
ペットの無断飼育が判明した場合は、早急に対応することが重要です。無断飼育を放置すると、黙認しているとみなされて強制退去の執行が難しくなります。また、ほかの入居者から不信を買う、入居希望者が減る、原状回復費用の負担が大きくなるといったリスクも発生するでしょう。
北章宅建では、都市部以外の賃貸アパート・戸建てを中心に不動産管理を行なっております。
入居者のペットの無断飼育など不動産管理のことでお悩みがあれば、お気軽にご相談ください。
著者
栗山店 佐々木 博明不動産オーナー様の大切な資産の管理と、入居者様の住環境維持に努めてまいります。些細なことでもお気軽にご相談ください。 どうぞ、よろしくお願い致します。
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