マンションのこと2023.08.16

古いマンションは売却できる?対策や注意点を解説

※コラム内容は掲載当時の最新情報となり、現在改正されている場合があります

こんにちは。イエステーション北章宅建 札幌手稲店の星です。

「古いマンションを売りたいけど、スムーズに売れるのだろうか」

築年数が古いマンションを所有している方のなかには、売却できるかどうかお悩みの方もいらっしゃるかもしれません。

そこで今回のコラムでは、古いマンションが売れにくい理由と対策を解説します。
高く売るためのコツや注意点もあわせてご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

古いマンション

 

古いマンションの築年数の目安とは?

古いマンション(築古マンション)の築年数の目安は、築30年以上を指すことが一般的です。
大手不動産検索サイトでも、築年数の選択肢の上限となっているので、築30年は古いマンションといえるかどうかの節目と捉えられるでしょう。

また、現行の耐震基準(新耐震基準)を備えているかどうかも目安の一つです。
耐震基準とは、家の耐震性の基準として国が定めたもので、1981(昭和56)年に震度6強〜7の地震でも耐えられることを目標にした「新耐震基準」が導入されました。

1981年6月1日以降に建築の許可(建築確認)を受けていれば新耐震基準を満たしているため、2023年現在時点では「2023年-1981年=42年」です。
つまり、耐震基準の面から見ると「築40年以上は古いマンション」といえます。

そして、税金の算出時に使う「法定耐用年数」では、一般的なマンション(鉄筋コンクリート造)の建物の法定耐用年数は47年となっています。
築年数が50年弱を過ぎれば、税法上の建物の価値はゼロになり、土地のみの価値で計算されるということです。

ただし注意点として、上記の築年数を超えても必ずしも居住性に不安があるということではありません。
「法定耐用年数」は、あくまでも税金の算出のために使うための一つの基準であって、「寿命」ではありません。

国土交通省の資料によれば、鉄筋コンクリート造の寿命は117年、修繕工事(外壁塗装など)を行うことで150年維持できるという情報も。

管理が行き届いていれば、築年数を経たマンションでも十分居住用として機能することを知っておきましょう。

 

古いマンションは売却可能?売れにくい理由と対策

古いマンションでも、売却は十分可能です。
公益財団法人東日本不動産流通機構(通称レインズ)の「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2022年)」によると、築31年超の中古マンションの成約件数は、ほかの年数区分よりも多く、3割(31.5%)を占めています。

ただし上記の結果は、マンションの立地や建物の条件など、さまざまな要素が合わさったものです。

築年数の古さだけを見ると、古いマンションは次のような理由から買い手が付きにくく、一般的に売りにくい傾向があります。

  • 経年劣化や建物の構造・設備の古さが心配である
  • 旧耐震基準のマンションの可能性がある
  • 住宅ローン控除が利用できない
  • 修繕積立金が高い
  • 管理組合が機能しているか不安である

1つずつ解説します。

 

経年劣化や建物の構造・設備の古さが心配である

築年数が経てば経つほど、建物は経年劣化していきます。
「古い=不具合の発生」を心配する買い主は少なくないでしょう。

また、建築年度が古いほど、マンションに導入される設備は古く、機能性を懸念する買い手はいるはずです。

実際に、築50年を超える物件では、入口にオートロックがなかったり、複数階あってもエレベーターの備え付けがなかったりするケースもあります。

 

旧耐震基準のマンションの可能性がある

築40年以上のマンションは、現行の耐震基準を満たしていない「旧耐震マンション」の可能性があります。
マンションは住居が縦に伸びる建築物であるため、戸建てよりも耐震性を不安視する買い手は多いでしょう。

 

住宅ローン減税が利用できない

住宅ローン減税(住宅借入金等特別控除)とは、10年以上の住宅ローンを借りている場合に、年末の住宅ローン残高の0.7%を所得税額から控除できる制度です。

新耐震基準を満たしていない住宅は、制度を利用して節税できないため、買い手の需要が低い傾向があります。

 

修繕積立金が高い

修繕積立金とは、将来的なマンション共用部分の修繕(大規模修繕など)のために、マンション所有者が積み立てておくお金です。
実際の工事に必要な費用を見積もり、計画立てて月ごとに徴収されます。

年数が経てば、建物や設備に不具合が生じやすく、修繕費用もかさむのが通常です。
築年数の浅いマンションに比べて月々の出費が高いのも、古いマンションに買い手が付きにくい理由といえます。

 

管理組合が機能しているか不安である

古いマンションのなかには、相続によって所有者がわからなくなったり、そもそもの管理組合が組織されていなかったりして、きちんと管理されていない物件もあります。

管理費や修繕積立金の徴収がうまくいかず活動の資金が不足すると、管理組合の業務である清掃や修繕などがままならなくなり放置されてしまいます。

管理組合の実態は、入居してみないとわからない部分が大きいので、不安視した買い手は購入を避ける傾向があります。

 

古いマンションが売れないなら「買取」の検討を

古いマンションが売れない対策としては、「買取」がおすすめです。
買取とは、一般的な不動産売却の方法である「仲介」とは異なり、個人ではなく不動産会社に直接売却する方法をいいます。

買取には次のメリットがあります。

  • スピーディに現金化できる
  • 契約不適合責任を免責できる
  • 売却について周囲にバレにくい

一般的な仲介は、売却まで3〜6カ月ほど(長いときは1年以上)かかりますが、買取の場合は買い手が決まっているので販売活動が不要となり、売買契約を結んで1〜3週間ほどで現金化が可能です。

また、不動産のプロが買い主になるため、不具合が発見された場合に売り主が負う「契約不適合責任」が免責される場合が多いのもメリットといえます。

そして、販売活動が不要なため、広告などの露出がなく、周囲に売却について知られにくいという利点もあります。

ただし、買取価格の相場は仲介の7割ほどと安くなる場合もありますので、デメリットも考慮して検討してくださいね。

 

古いマンションを高く売却する方法はある?注意点も解説

コツ

古いマンションを高く売るためには、いくつかコツがあります。

  • 立地の良さをアピールする
  • 売出価格を高めに設定する
  • 実績豊富な信頼できる不動産会社に仲介を依頼する

1つずつ解説します。

 

立地の良さをアピールする

古いマンションは、立地が良い物件が多い傾向があります。
マンション建設当時、「マンションを売るには良い立地に建設するのが必須」という考えが開発事業者にあったからです。

立地が良ければ、資産価値が下がりにくく、住む人(買い手)にとって安心材料となります。
駅に近い、便利施設が多いなどといった立地の良さがあるなら、広告でしっかりとアピールしましょう。

また、立地が良いなど人気のマンションは、賃貸用の収益物件としても需要があります。
購入よりも賃貸のほうがハードルが低いため、築年数が古くて見た目が気になるという方は、収益物件としての売却を検討してみるのも良いでしょう。

 

売出価格を高めに設定する

不動産売却は、最初に広告する価格(売出価格)を起点に、「リフォーム費用分を値下げしてほしい」といった価格交渉が行われるのが一般的です。

そのため、売出価格をあえて高めに設定しておくことで、減額されても希望の売却金額で売れる期待が持てます。
物件の条件が良い場合などは、高めの設定のまま売却できる可能性もあります。

 

実績豊富な信頼できる不動産会社に仲介を依頼する

仲介を任せる不動産会社は、古いマンションの取り扱い実績がある会社を選ぶのがポイント。
取り扱いの経験があれば、より多くの広告での見せ方や売れない場合の対応策も提案してもらえるからです。

加えて、地域の情報に詳しく、誠実に対応してくれる担当者に任せたいですね。
一括査定サイトのサービスなら、無料で複数の不動産会社に一括して依頼できます。
査定結果や対応力を比較し、信頼できる1社を選んで依頼しましょう。

 

リフォームには注意が必要:基本的にはしなくてOK

「きれいにリフォームしたほうが高く売れるのでは」と思われるかもしれませんが、リフォームは基本的にしない方向で進めることをご検討ください。

リフォームしても売れるとは限りませんし、リフォームしないほうが実質的に高く売れたという事態もありえます。

そして、費用をかけた分売却金額に上乗せしてしまうと、安く中古マンションを買いたい方にとっては、かえって購入の妨げにもなるからです。

また、自分好みにリフォームしたいという買い主もいるため、リフォームの方向性を決めるのが難しいという理由もあります。

そのほかのマンション売却の失敗例は、「マンション売却の失敗例とは?事例をもとに対策を立てよう」にて解説していますので、ぜひあわせて参考にしてください。

ただし、見た目があまりに汚いと、内覧の際、訪れた人に良くない印象を与えてしまいます。
水回りだけはリフォームするという買い主も多いので、トイレ周りだけきれいにしておく、設備を新しくしておくといった対応をすると喜ばれるでしょう。

いずれにしても、リフォームには費用がかかりますし、需要を判断するのも個人では難しいため、不動産会社に相談するのがおすすめです。

 

まとめ

●古いマンションは築30年以上が目安
古いマンションとは築30年以上のマンションを指すのが一般的です。また、新耐震基準を満たしていない物件も多いことから「築40年以上」も目安の一つとなっています。

●古いマンションが売れない場合は不動産会社の「買取」がおすすめ
古いマンションは耐震性の問題や、住宅ローン控除が利用できないなど、買い手が不安に感じる要素がいくつかあるため、一般的に売りにくい傾向があります。売れない場合の対応策には、不動産会社に直接売却する「買取」がおすすめ。仲介よりも価格は安くなりますが、スピーディな現金化が可能です。

●古いマンションを高く売るなら立地の良さをアピールしよう
古いマンションは立地が良い物件が多い傾向があるので、広告などでしっかりとアピールすると、高く売れる期待が持てます。見た目の古さが気になるなら、収益物件として売り出すのも検討してみましょう。

北章宅建は、不動産に関するご相談を全て無料で対応しています。
空き家に関する相談や無料査定、相続問題など、どんなことでもお気軽にご相談ください。

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著者
古いマンションは売却できる?対策や注意点を解説

札幌手稲店 星 尊之北章宅建株式会社札幌手稲店の星です。担当している手稲区は社会人1年目に担当させていただいたことがあり、第二のふるさとみたいなものです。2年目からは別の区で約10年仲介をさせていただきましたが、また戻ってこられて縁を感じています。人生で何度も経験することない不動産の売却、購入ですので、わかりやすく、楽しくお手伝いさせていただきます。お気軽にお問い合わせください。また、店舗にもお気軽にお立ちより下さい。心よりお待ちしております。

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