相続や名義のこと2022.04.18
親の家を兄弟で相続。遺産分割にはどんな方法がある?〜後編
親の遺産として実家を相続する場合、兄弟がいればどのように遺産分割するのが良いのでしょうか。遺産相続は、分割割合で不平等が生じるとトラブルに発展しかねません。どのような遺産分割の方法があるのか具体的に解説します。
兄弟で実家を遺産分割する4つの方法
相続した実家を兄弟でうまく分ける方法はあるのでしょうか。遺産分割には、次の4つの選択肢が考えられます。
①現物分割(げんぶつぶんかつ)
現物分割とは、財産をそのままの形で相続する分割方法です。例えば、相続財産が実家と現金1,000万円の場合、2人の子のうち1人が実家、もう1人が現金を相続することをいいます。実家だけの場合は、土地を分筆する方法もここに含まれます。
●現物分割のメリット
・分割が簡単
・双方が納得していれば、相続後に揉める可能性が低い
・兄弟のどちらかが自宅に住む場合、スムーズに相続できる
●現物分割のデメリット
・法定相続分通りに分割することが難しい
・実家と現金の価値に差があると、揉める原因になる
・兄弟いずれも家が不要な場合は成立しにくい
②共有分割(きょうゆうぶんかつ)
共有分割とは、相続する家を複数の相続人で一緒に所有する方法です。2人の兄弟が1/2ずつ相続するなら、家の持ち分をそれぞれ1/2の共有名義とし、現金やその他の相続財産も1/2に分割します。
●共有分割のメリット
共有分割とは、相続する家を複数の相続人で一緒に所有する方法です。2人の兄弟が1/2ずつ相続するなら、家の持ち分をそれぞれ1/2の共有名義とし、現金やその他の相続財産も1/2に分割します。
・相続割合通り、公平に分割できる
●共有分割のデメリット
・不動産を共有名義にすると独断で売却や活用はできず、共有者の同意が必要
・将来的に相続が発生すると、兄弟の配偶者や子などに所有権が移行し、権利が複雑化する
③代償分割(だいしょうぶんかつ)
代償分割とは、相続財産が実家だけのような場合、例えば長男が家を1人で相続する代わりに、次男に対して代償金を支払うという方法です。兄弟2人が1/2ずつ相続する場合、実家の評価額が3,000万円であれば、兄は弟に1,500万円の代償金を支払います。
●代償分割のメリット
・公平に分割することができる
・相続後に揉める可能性が低い
・兄弟のどちらかが実家に住む場合、相続がスムーズ
●代償分割のデメリット
・実家がいくらなのか評価が必要
・実家を相続する方は、まとまった代償金を支払う必要がある
④換価分割(かんかぶんかつ)
換価分割とは、相続財産を売却し、得たお金を相続分で分け合う方法です。相続財産が実家と現金1000万円で、実家を売却して3,000万円で売れた場合、2人の兄弟が1/2ずつ分割するなら計4,000万円の現金を、2,000万円ずつ分け合うことになります。
●換価分割のメリット
・公平に分割できる
・相続後に揉める可能性が低い
●換価分割のデメリット
・売却する手間がかかる
・売却による仲介手数料や諸費用がかかる
・必ず売れるとは限らない
まとめ
親が遺した財産を、兄弟2人が1/2ずつ相続するケースを想定して解説してきました。遺産相続の分割割合は、両親のうち一方が健在な場合や、兄弟姉妹が複数人いる場合などによって様々です。いずれにしても複数人が相続する際には、後々揉めることがないよう、状況に応じて最適な分割方法を選択するようにしましょう。
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