不動産売却のコツ2024.06.06
中古の注文住宅は売れない?売れないといわれる理由や売却のポイントを紹介
こんにちは。イエステーション北章宅建 小樽店の小林です。
「中古の注文住宅はなかなか売れない」と聞いてしまい、売却に一歩踏み出せない。
注文住宅の売却を検討中の場合、そんな悩みを持つ方も多いのではないでしょうか。
今回のコラムでは、なぜ注文住宅が売れないといわれるのか、その理由を解説しています。
近年の注文住宅の需要や、どうすれば売れやすくなるのか、売却成功のために役立つポイントもご紹介しますので、ぜひあわせて参考にしてください。
そもそも注文住宅とは?建売住宅との違い
「注文住宅が売れない」といわれる理由の前に、注文住宅とは何か確認しておきましょう。
注文住宅とは、建築主(施主)の好みの内装・外観で設計され、所有地や新たに購入した土地の上に建てられた戸建て住宅を指します。
また、新築住宅には「建売住宅」というものもあり、注文住宅と間違われやすいです。
建売住宅は建売会社によって「土地とセットで販売されている建築済みの住宅」であり、注文住宅はこれから建てる家、建売住宅はすでに建っている家という区別が可能です。
ちなみに、分譲された土地に建築・販売されている建売住宅は「分譲住宅」とも呼ばれます。
中古の注文住宅が売れないといわれる理由は?
「中古の注文住宅が売れない」といわれてしまうのはなぜでしょうか。
大きな理由としては、注文住宅が「建築主の好みの内装・外観で設計され、建築された住宅」であるため。
注文住宅は建てた人のこだわりが強く反映されており、万人受けしにくいというイメージがあるからです。
そして、家を重視するために土地の予算を削らざるを得ないことや、建築費が高く住宅価格が上がりやすいことも、売れにくい原因といえるでしょう。
それぞれ詳しくご紹介します。
理由①こだわりが強くて万人受けしにくい
注文住宅が万人受けしにくいのは、下記のように、建てた人のこだわりと購入希望者の好みが食い違ってしまいやすいからです。
<建てた人のこだわりがデメリットになってしまう例>
- 家族構成に合わせた部屋数がほしい → 部屋が多すぎる・少なすぎる
- 趣味を満喫できる部屋にしたい → 部屋の機能にこだわりが強く使いづらい
- あこがれのデザインを取り入れたい → 好みに合わないデザイン
- スキップフロアでおしゃれにしたい → 段差が多くて移動がつらい
- 使い勝手の良さを追求したい → 生活スタイルに合わない
- 広々とした家に住みたい → 広すぎてスペースが余る
「素敵な家だけど、自分の好みとは違う」「うちの家族構成や生活スタイルには、使い勝手が悪そう」と判断されてしまい、購入には至らないケースがあります。
理由②土地の条件が良くない
家を建てる際には予算があり、決められた枠のなかで家にこだわると、つい土地購入の予算を下げざるを得ず、資産価値が低い土地を購入するケースも。
注文住宅が売れない理由には、「土地の形が悪く、庭づくりがしにくい」「前面道路が狭くて、出入りがしにくい」など、土地の条件が良くないという理由も挙げられます。
理由③売り出し価格が高額で予算に合わない
注文住宅にこだわりをたくさん詰め込むと、通常よりも建築費は高くなるものです。
高額な建築費や住宅ローンが必要になる分、売却価格も高く設定されやすいので、そもそもの買い手の選択肢(予算相場)から外れてしまって、買い手が付かない結果に陥っているパターンもあります。
中古の注文住宅が売れないのは過去の話?近年の需要動向
売れないといわれる理由からもわかるとおり、確かに注文住宅には買い手が付きにくい特徴もあります。
しかし、実際に売れないのかという問いには、近年の需要を見る限り、「売却の成功は工夫次第で、売れる期待は十分持てる」といえるでしょう。
国土交通省の「建築着工統計調査報告」によると、令和5年(2023年)に新しく着工された住宅の戸数は、注文住宅の場合(約22.4万件)前年より11.4%減少、全国的な傾向として、新築住宅の需要が下がっています。
背景には、海外情勢の影響による建築資材の高騰や、国や自治体による省エネリフォームへの助成など、「新築住宅よりも中古住宅を買ってリフォームしたほうが安くつくのでは?」という風潮が挙げられます。
そのなかでも特に、「注文住宅なら、こだわりの良い設備、良い間取りがあるだろう」という期待感があり、中古注文住宅への需要は高まっているといえるでしょう。
注文住宅の売却を成功させるために
注文住宅の売却を成功させるには、「売却しやすい特徴がないか」洗い出し、「注文住宅の強みをアピールできる方法はないか」工夫することが大切です。
ここでは、成功させるための3つのポイントをご紹介します。
ポイント①売却しやすい注文住宅の特徴を洗い出す
売却しやすい注文住宅の特徴には、次のものが挙げられます。
- 大手ハウスメーカーが建築した
- 分譲地など立地条件の良い土地に建っている
- 建物面積が30~40坪ほどの適度な広さである
- 二重窓など快適な住み心地に役立つ機能がある
- 耐震性に配慮した構造になっている
- 近隣に公共施設や生活利便施設の建築予定がある
売却物件が上記のような条件を備えているなら、広告や内覧などでしっかりアピールしましょう。
「近くにスーパーが建つ」といったニーズが高まる周辺環境の変化が予定されているなら、売り出し時期をずらすのもおすすめです。
売却実績が豊富な、地域情報に強い不動産会社と媒介契約を結べば、客観的に見てどんな需要が高いのかアドバイスをもらえるでしょう。
「大手ハウスメーカーが建築した注文住宅」は、住宅性能やデザイン性、施工後のアフターフォロー体制も優れていることが多く、人気条件といえます。
ハウスメーカー製の一戸建ての魅力は「ハウスメーカーの戸建ては高く売れる?査定が優位な理由とは〜その1」で詳しくお伝えしていますので、ぜひあわせてご参照ください。
ポイント②こだわった部分を隠さず魅力をアピールする
一見こだわりが強すぎるデザインや間取りであっても、「この間取りだからこそこんな生活ができる」「住み心地が良い」と魅力が伝わる工夫をすると、売却につながる可能性が広がるでしょう。
スキップフロアの場合を例に取ると、人によっては「移動に負担がかかるのでは?」という厄介な点に注目するかもしれません。
しかし、良い面を見れば、開放感を演出したり、収納が作りやすかったりといったメリットがあります。
好みに合わないと感じる買い手は、実はメリットを知らないだけで、住人ならではの視点からきちんと説明を受ければ、「意外と悪くないな」と考えを変える可能性もあるのです。
ポイント③買い手の印象を下げる要素はなるべく取り除く
注文住宅の特徴や個性を上手くアピールするには、買い手の印象を下げる要素を、できるだけ取り除いておくことが重要です。
印象が悪いと、そもそもの物件への興味を抱いてもらえない可能性があるからです。
広告や検索サイトに掲載する写真は、晴天時に撮影した明るい雰囲気のものを用いたり、様々な角度で撮影したりして、見る人になるべく快適で、かつ良い印象を与えるような工夫をしましょう。
そして、物件を見に来た人はまず、建物の周囲や外観を目にします。
築年数が経っているなど、劣化や故障が見られるなら、対処法として、修繕や清掃を行い、きれいに整えておきましょう。
リフォームは費用が大きくなりやすいので、不動産会社と相談しつつ検討してみてください。
まとめ
●注文住宅とは「建築主のこだわりが反映された戸建て住宅」
注文住宅とは、建築主の好みの内装・外装で設計・建築された戸建て住宅です。
土地とセットで売られる建築済みの建売住宅とは異なります。
●注文住宅が売れないといわれる理由
注文住宅が売れないといわれる大きな理由は、建築主のこだわりが強く反映されているからです。
また、家の建築費が上がる分、土地の費用を抑えようとして、土地の条件が悪くなるのも理由に挙げられます。
●注文住宅が売れない傾向は最近では低下しつつある
近年では、中古物件の需要が高まっています。
注文住宅の良い設備・良い間取りへの期待感もあり、工夫次第で十分売却できるでしょう。
●注文住宅の売却成功の鍵は「あえてこだわりをアピールすること」
売却を成功させるには、注文住宅の特徴を洗い出し、こだわった部分を隠さず魅力をアピールすることが大切です。
同時に、買い手の印象を下げないよう、掃除や修繕などで対処しておきましょう。
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