不動産売却のコツ2021.11.22
買ったばかりの家を損せずに売却する方法はある?〜その2
買ったばかりの家でも、さまざまな事情からすぐに売却したいというケースがあります。新築、かつ居住期間も短いなら、購入時と同等の価格で売却できそうに思うかもしれませんが、実際には新築だと損をする場合がほとんど。なぜなら、新築信仰の強い日本人の傾向を反映し、家の価値・価格は新築時が最も高いからです。そのため誰かが住んだ瞬間に「新築プレミアム」はなくなり、価値が大きく下がります。
しかし中には、損をしないケースもあります。どれは一体どのような場合でしょうか。詳しく見ていきましょう。
買ったばかりの家をすぐに売っても損しないケースもある
買ったばかりの家を売って、損をしないこともあります。それは中古物件を購入している場合です。
中古一戸建て・中古マンションの場合、新築のような上乗せされた価格がありませんから、購入時の価格は純粋に物件価格のみのはず。中古の売却価格は主に相場で決まります。適正な相場価格で購入してすぐに売るなら、よほど短期間に地域の相場が変動しない限り、同程度の価格で売れる可能性が高いといえます。
中古マンションは購入後に値上がりし、売って得になるケースもあります。値上がりしやすい状況には次のような例があります。
①周辺が再開発された、または再開発の対象になっている
再開発された、あるいは開発の予定が立った地域は、周辺の地価が全体的に上がる傾向があります。マンション購入後にこの状況が生まれれば、購入時よりも高値で売れる可能性が高いでしょう。特に新しい駅ができて利便性が高まった地域は、一気に地価が上がります。
②同等クラスの中古物件が高額で売り出された
周辺地域で同等クラスの中古マンションが高く売り出されると、それに準じてあなたのマンションも同程度の価格を付けても売れやすくなる可能性があります。
③周辺に高級マンションが建築された
近くに高級マンションが建つと、その販売会社が熱心に広告を出します。すると周辺地域のイメージが良くなって、同じエリアの中古マンションにも関心を持つ人が増え、需要が増えるため価格が高くなりやすいのです。
④周辺地域が話題になった
「住みたい街」などに選ばれテレビや雑誌で取り上げられると、周辺地域に関心を持つ人が増えて潜在的な顧客が多くなるので、高めの価格設定でも売れやすくなります。
特に駅近などの人気エリアは、少々築年数が経っても値崩れしません。しっかり管理されているブランドマンションや築浅の大規模マンションの場合などは、むしろ価格が上がることもあります。住み心地が良いエリアのマンションは、値崩れしにくいのです。
購入時より安くしか売れないと、住宅ローンはどうなる?
買った時より高く売れるケースを見てきましたが、高くなるのは珍しく、ほとんどの場合は損をしてしまいます。マイナスになると問題なのが住宅ローンです。
家を購入する時、多くの方は住宅ローンを利用するでしょう。もしフルローンで家を購入していれば、安い価格で売ることによりオーバーローンになり、完済は極めて難しくなります。
家の売却代金だけで住宅ローンを完済できないとなれば、不足分を預貯金などで補う必要があります。それもできない場合は、家を手放した後も残債を返済し続けるしかありません。
また、忘れてはならないのが、家の売却にはさまざまな諸費用も発生する点です。不動産会社への仲介手数料や司法書士への費用なども把握し、手元にいくら残るのか計算してお金の計画を立てましょう。
次回は、買ったばかりの家を売って後悔しないための対処法をお伝えします。