不動産売却のコツ2021.10.29
「契約不適合責任」とは何?分かりづらい不動産用語を解説します
不動産業界では、難しい用語がたくさんあります。
いざ、不動産売却を始めてから知る用語やルールもたくさんあるでしょう。
不動産売買は重要な取引であり、「知らなかった・・・」「難しい・・・」では大きな失敗に繋がってしまう可能性があります。
今回は、不動産用語の中でも「契約不適合責任」についてご紹介します。
契約不適合責任とは?
今までの「瑕疵担保責任」が、2020年4月1日に改正され「契約不適合責任」となりました。
契約不適合責任とは、売り主から買い主に引き渡した物件が、契約内容と異なるものであったと判断された場合に、売り主側が改善に責任を負わなくてはいけません。
例えば、部屋に欠陥があるのに売却前に伝えていなかった場合、契約不適合責任に関わるものとなり、売り主側に負担が発生します。
簡潔にまとめると、「売却物件が契約内容と異なる場合に契約不適合責任」となります。
不動産の条件や欠陥がある場合には、必ず売買契約書への記載が必要です。
後々のトラブルにならないよう、売買契約書にはしっかりと条件を記載しておきましょう。今までの「瑕疵担保責任」より「契約不適合責任」の方が、売り主側の責任が重くなっているため慎重に進めることが大切です。
契約不適合責任で買い主に認められる権利
欠陥や条件と異なり、契約不適合責任が認められた場合には、買い主側は5つの権利があります。
どちらの場合でも、売買契約書の記載の有無が重要な判断ポイントです。
契約書に書かれている場合には、契約不適合責任は認められません。
① 追完請求
追完請求とは、主に修理費用の請求となります。
「〇〇が壊れていると契約書に記載がなかったが壊れていた」というような場合は、契約不適合責任が認められ、「〇〇を修理してください」という請求が可能です。
ただし、築年数があまりにも古いケース(築70年80年)や、手入れが明らかにできていない物件は、買い主側でも想像できる範囲のため、契約書に書かれていない欠陥があったとしても、契約不適合責任が認められないケースがあります。
② 代金減額請求
追完請求をしても売り主側が対応してくれなかった場合、代金減額請求が可能です。
修理対応してくれないのなら、売買代金を減額してくださいという方法になります。
修理対応自体ができない欠陥の場合でも、代金減額請求は可能です。
基本的に直せるものは追完請求となり、直せない場合は代金減額請求となることが一般的です。
③ 催告解除
追完請求をしたけど全く応じてもらえない場合は、契約自体を解除することができ、これを催告解除と言います。
追完請求に応じてもらえない場合は代金減額請求ができますが、買い主にとっては減額では納得できない場合もあるでしょう。
そのような場合には、契約解除として催告解除をすることが可能です。
催告解除による契約解除の場合には、違約金が発生することはなく、売買代金が返還されることになります。
④ 無催告解除
無催告解除とは、追完請求をしたけど一行に改善の期待ができない場合や、不可能と判断した場合に、催告することなく契約を解除できる方法です。
⑤ 損害賠償
買い主側に故意や過失がない場合、損害賠償の責任を負わなくても良いケースがあります。
売り主の過失や故意に不具合を隠していた場合は、損害賠償をすることが可能です。
売り主が注意すべきポイントとは?
売り主が契約不適合責任で気を付けるべきポイントは2つあります。
・売買契約書への記載
・期間を設けること
欠陥がある場合には、隠さずに売買契約書へ記載することが大切。
大きなトラブルにならないよう重要なポイントです。
また、契約書には責任を負う期間を設けておくことがおすすめ。
この2つのポイントが、注意すべき最低限気を付けておくポイントと言えます。
分かりづらい不動産用語はポイントを押さえましょう
契約不適合責任とは、以前の瑕疵担保責任が改正された内容です。
物件受け渡し後まもなく欠陥が発生した場合には、売り主側に契約不適合責任を負う必要があります。
分かりづらい不動産用語でも、重要なポイントは覚えておくようにしましょう。