土地や空き家のこと2026.10.02
傾斜地や擁壁がある空き家は売れる?崩壊リスクと失敗しない売却対策
こんにちは。イエステーション北章宅建 小樽店の柴田です。
北海道内で傾斜地や高低差のある土地、あるいは大きな擁壁(ようへき)が設置された空き家をお持ちの方の中には、「将来的な維持管理が心配」「売却したいけれど、このままで買主が見つかるだろうか」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。
特に北海道の積雪や冬場の凍結融解といった厳しい自然環境下では、傾斜地や擁壁の老朽化が進みやすく、安全性の確認や定期的なメンテナンスが欠かせません。
放置してしまうと、思わぬ土砂災害や隣地への被害といったトラブルに発展するリスクもあります。
この記事では、傾斜地や擁壁がある空き家の売却における注意点や必要な安全対策、スムーズに取引を進めるためのポイントについて詳しく解説します。
傾斜地や擁壁のある空き家が抱える主なリスク

傾斜地や高低差のある土地に建てられた空き家は、一般的な平坦地と比べて管理上の注意点が多く存在します。
特に安全性の維持や将来的な負担について、事前に理解しておくことが大切です。
崩壊や土砂災害による被害リスク
傾斜地や擁壁は、経年劣化や大雨、地震などの影響を受けて水はけが悪くなり、水圧や土圧によってひび割れや膨らみが生じることがあります。
北海道では冬場の積雪や凍結による水分膨張も影響を与えるため、老朽化が進んだ擁壁を放置すると、最悪の場合は崩壊や土砂崩れを引き起こす危険性があります。
万が一、周囲の家屋や通行人に被害を与えてしまった場合、所有者としての法的責任を問われるおそれもあります。
補修や工事にかかる費用負担の増大
老朽化した擁壁のやり変え工事や強度の補強工事には、数百万円から場合によっては1,000万円以上の費用が必要となるケースがあります。
高低差が大きい土地や重機が入りにくい敷地では、工事費用がさらに高額になる傾向があります。
この工事費用の負担感が、購入を検討する買主にとって大きなハードルとなることがあります。
建築制限や法令上の制限
傾斜地や安全性が確認できない擁壁の上にある土地は、建築基準法上の「がけ条例」などに抵触する可能性があります。
この場合、新しく建物を建て替える際に防護壁の設置や建物の構造制限が課されるため、買主側で自由な建築計画が立てにくく、売買価格や需要に影響を及ぼすことがあります。
売却前に確認しておくべき安全対策とチェックポイント

トラブルを防ぎ、安心できる取引を行うためには、事前に敷地や擁壁の状態を正しく把握しておく必要があります。
擁壁の劣化状況と外観チェック
まずは専門家に依頼する前に、ご自身で視覚的に確認できる範囲のチェックを行います。
- 擁壁の表面に著しいひび割れや亀裂が入っていないか
- 擁壁の一部が前方に膨らみ出たり、傾いたりしていないか
- 水抜き穴が詰まっておらず、水が正しく排出されているか
- 擁壁のつなぎ目や周辺の地盤に隙間や沈下が見られないか
これらの症状が見られる場合は、内部に水が溜まっているか、構造的な危険が生じている可能性があるため注意が必要です。
擁壁の検査済証や設計図書の有無
擁壁が建築基準法に準拠して正しく作られたものであるかを証明するには、建築確認を経て、完了検査の「検査済証」が交付されているかを確認します。
過去に確認申請を経て築造された擁壁であれば、安全性が担保されていると判断されやすく、評価や取引がスムーズになります。
書類が見当たらない場合は、お近くの自治体で建築確認の記録を照会することが可能です。
既存住宅売買瑕疵保険や専門家によるインスペクション
擁壁だけでなく建物の安全性も担保するため、専門家による建物状況調査(インスペクション)の活用も検討できます。
状態が明瞭になることで、買主に対して安心感を提供することができます。
傾斜地・擁壁付き空き家をスムーズに売却するためのポイント
複雑な条件を持つ物件であっても、正しい手順と適切な価格設定を行うことで売却を進めることが可能です。
現状のままで売却する(現況渡し)
擁壁の補修や解体を行わず、現在の状態のまま売却する方法です。
売主側で多額の解体工事費や補修費用を先行して負担する必要がない点がメリットです。
ただし、補修や解体にかかる想定費用分を売り出し価格に反映させる必要があり、価格交渉の対象となりやすくなります。
契約不適合責任の取り扱いを明確にする
買主へ物件を引き渡した後、事前に説明のなかった不具合や欠陥が見つかった場合、売主が修繕責任などを負う仕組みが「契約不適合責任」です。
特に傾斜地や老朽化した擁壁では、事前の調査内容や現状の課題を「物件状況確認書」などに詳細に記載し、契約時に双方で合意しておくことがトラブル防止のために極めて重要です。
不動産会社による買取や専門的な活用法の検討
一般の個人の買主へ売却することが困難な場合、不動産会社が直接買い取る「買取」という選択肢もあります。
不動産会社が買い取る場合は、再開発や補修を前提として取り扱うため、売主の契約不適合責任が免除されるケースが多く、早期に現金化することが可能です。
税制や手続きに関する注意事項
空き家を売却する際には、譲渡所得税に関する控除や特例(空き家の3,000万円特別控除など)が適用できる場合があります。
ただし、耐震基準の適合要件や解体後の土地の引き渡し期限など、適用には細かな要件が定められています。
税制や法律に関する具体的な適用条件や手続きにつきましては、最新の制度に基づいて税理士や司法書士などの専門家へご相談ください。
まとめ
擁壁や傾斜地のリスクを正しく把握する
北海道の厳しい気象条件では老朽化が進みやすく、崩壊リスクや建築制限への理解が必要です。事前チェックや必要に応じた調査で状況を明確にしておきましょう。
契約不適合責任などのトラブル防止を徹底する
引き渡し後の不具合によるトラブルを防ぐため、擁壁や地盤の状態を正確に開示し、契約書面で条件を明確にしておくことが大切です。
状況に合わせた最適な売却方法を選択する
現況での売却や不動産会社による直接買取など、資産の状況や費用負担の希望に応じた適切な売買プランを検討しましょう。傾斜地や擁壁のある空き家の管理や売却でお悩みの方は、豊富な実績を持つ北章宅建へお気軽にご相談ください。当社スタッフが北海道の地域特性に合わせた最適な解決策をご提案いたします。
著者
小樽店 柴田 朋也小樽市内では毎年約2,000人ほどの人口減少となっていますが、最近は移住されたり二拠点居住の対象として選択される方も増えていて街が明るくなる兆しを感じています。 今後も当社が目標とする、不動産流通を通じた地域貢献ができればと思っております。小樽はとても魅力的な街で、国内外の各地から多くの観光客が訪れる場所としても知られています。 この街の豊富な地域資源から、他地域より移住したいとお問い合わせくださる方もたくさんいらっしゃいます。 今後も不動産の売買を通して、少しでも地域の発展に寄与したいと考えています。不動産の売却・購入を検討されている方は、是非、当社にご相談ください。
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