土地や空き家のこと2023.07.28

土地売却で知っておきたい 「公示価格」とは?実勢価格との違いも確認

こんにちは。イエステーション北章宅建 美唄店の小河です。

土地売却で売買価格を決める際、参考にする価格の1つに「公示価格」があります。

土地売却を検討中の方には、「そもそも公示価格って何?」と疑問に思われている方もいるのではないでしょうか。

また、実際の取引価格「実勢価格」とどう違うのか気になる方もいるでしょう。

そこで今回のコラムでは、公示価格とは何か、また実勢価格との違いを解説します。
公示価格の調べ方や、参考にする際の注意点もあわせてご紹介しますので、ぜひご活用ください。

地価

 

土地売却で知っておきたい公示価格とは?実勢価格との違いもご紹介

公示価格(地価公示価格)とは土地の価格の1つで、国土交通省が定めます。
その土地が市場で自由に取引される場合にいくらになるかという、土地取引の指標となる価格です。

ここまで聞くと「実勢価格とはどう違うの?」と思われる方もいるかもしれません。
実勢価格は、実際に市場で取引される価格のことだからです。

公示価格の概要や設定の目的とあわせて、実勢価格との違いも解説していきます。

 

公示価格とは?

公示価格は、全国で選ばれた調査地である「標準地(令和5年地価公示では26,000地点)」の価格(毎年1月1日時点の価格)を鑑定し、審査を経て決定されます。

具体的には次の流れで、調査から公表まで進みます。

1.  2人以上の不動産鑑定士が標準地を調査・分析を行い、価格を鑑定する
2. 鑑定された価格を、国土交通省の土地鑑定委員会が審査する
3. 毎年1月1日時点における標準地の正常な価格が、毎年3月に公示(一般公表)される

特徴として押さえておきたいのは次の3点です。

  • 1㎡あたりの価格である
  • 建物が建っていても、土地のみ(更地)で評価した価格である
  • 土地取引における売り手・買い手の特別な事情が含まれない価格である

上記の流れで定められた公示価格は、不動産鑑定や公共事業用地を取得する際の価格算定の規準、相続税や固定資産税など税金を算定する際の目安として活用されます。

 

公示価格設定の背景は?

公示価格設定の背景には、個人が「土地の適切な価格」を客観的に判断するのは難しいという理由があります。

売買における土地の価格には、立地や形状、面積など土地の特徴はもちろん、売り手と買い手の事情(売買を急いでいるなど)、経済状況や社会情勢といったさまざまな要因が影響するからです。

提示された価格が正しいかなど公平な土地取引をするために、公示価格が規準として定められるということですね。

 

公示価格は毎年公表される

公示価格は毎年更新され、最新の動向は、国土交通省のホームページから確認できます。

令和5年地価公示(令和4年1月1日からの地価動向)の住宅地における地価の動向の特徴を、簡単にご紹介しますね。

  • 全国的に住宅需要が伸びており、都市中心部や生活利便性に優れた地域以外でも地価が上昇している
  • 都市部を中心に、郊外部でも上昇の範囲が広がっている
  • 地方四市(札幌市・仙台市・広島市・福岡市)は上昇率が拡大している
  • 北海道の住宅地は変動率の上位を占め、全体としてプラス(7.6%)になっている

出典:国土交通省「地価・不動産鑑定:地価公示」より「令和5年地価公示の概要

 

公示価格と実勢価格の違いとは?

公示価格と実勢価格(実際に市場で取引される価格)との違いを表でご説明します。

公示価格 実勢価格
誰が決める? 国(国土交通省) 取引の売り手と買い手
変動する? 1年間固定している 取引の都度変動する
何に使う? 相続税や固定資産税の
算定規準など
不動産売買
評価はいつ? 毎年1月1日 取引の都度

 

実勢価格は取引当事者の意思が関わりますが、公示価格は売り手と買い手の事情を取り除いている点が大きな違いです。

ちなみに、実勢価格は広告などに記載された売出価格(販売価格)ではなく、売買契約が成立した価格である点にご注意ください。

 

公示価格の調べ方は?公示価格から実勢価格の目安を確認する方法も

公示価格の調べ方と、公示価格から実勢価格の目安を確認する方法をご紹介します。

 

公示価格の調べ方

公示価格は、国土交通省の「土地総合情報システム」から調べることができます。

まずは、トップページに表示されている「地価公示都道府県地価調査」をクリックして「標準地・基準値検索システム」に移り、以下の手順で検索しましょう。

1.  ページの下部にある日本地図から、検索したい都道府県名を1つ選択する
2.  次ページに表示される市区町村名から、1つ選択する
3. 「検索条件指定」のページに移り、以下の項目を選択し「検索」をクリックする

  • 「対象」(公示価格なら「地価公示のみ」を選ぶ)
  • 「調査年」(最新の公示価格なら「最新調査年のみ」を選ぶ)
  • 「用途区分」(選択しない場合は、全ての区分が検索対象)
  • 「地価」(選択しない場合は、全ての区分が検索対象)

4. 条件に当てはまる全ての標準地が表示される
5. 調べたいエリア周辺の地名を探し「価格(円/m²)=公示価格」の欄をチェックする

公示価格から実勢価格の目安を確認する方法

公示価格がわかると、実勢価格の目安にすることができます。
実勢価格は、公示価格の1.1〜1.2倍ほどだからです。

次の計算式でおおよその実勢価格を算出できます。

実勢価格=(公示価格×土地の面積)×1.1(もしくは1.2)

実勢価格は土地の面積を乗じたあとの価格なので、公示価格(㎡あたりの価格)に面積をかけ忘れないようにご注意ください。

 

土地売却の実勢価格に近い価格を知るには?

土地の正確な価格を知りたい場合は、不動産会社に査定を依頼するのがおすすめです。

また、公示価格と実勢価格の違いを知っておけば、それ以外の土地価格からも、土地売却の実勢価格に近い価格を知ることができます。

地価の動向をみる指標には、国が定める公示価格のほかに、以下の3つがあります。

  • 都道府県が基準地に設定する「基準地価」
  • 相続税や贈与税の算定基準になる「相続税路線価」
  • 固定資産税の課税時に使われる「固定資産税評価額」

基準地価格は、設定者が都道府県という違いだけで、価格の評価方法は公示価格とほぼ同じです。
相続税路線価は公示価格の8割程度、固定資産評価額は7割程度で評価されます。

「実勢価格=(公示価格×土地面積)×1.1(あるいは1.2)」という式を応用すると、実勢価格の目安を次の式でも求めることが可能です。

実勢価格=(公示価格×土地面積)×1.1(あるいは1.2)
=(相続税路線価÷0.8×土地面積)×1.1(あるいは1.2)
=(固定資産税評価額÷0.7×土地面積)×1.1(あるいは1.2)

各土地価格については、「土地の実勢価格の特徴や調べ方を徹底解説!公示地価や路線価とは何が違う?」にて詳しく解説していますので、ぜひあわせて参考にしてください。

 

土地売却で公示価格を参考にする際の注意点

注意点

土地売却で公示価格を見る際は、あくまで参考に留めた利用が良いでしょう。

また、公示価格と実勢価格には乖離(かいり)があるので、公示価格から実勢価格の目安を算出するだけでなく、類似物件の実勢価格を調査して目安にしたり、ほかの土地価格(基準地価や路線価)を調べたりすると、より土地の価値をイメージしやすいでしょう。

理由としては、次の2つが挙げられます。

  • 公示価格は評価が1年間固定される
  • 公示価格には取引当事者の事情などが考慮されない

公示価格は、毎年1月1日の時点で評価されるため、それ以降に経済状況や社会情勢が変わっても評価に影響しません。

加えて、早く売りたいから価格を下げるといった当事者の事情が考慮されないので、物件の状況によっては金額に差が出る可能性もあります。

より正確な土地価格を知るにはやはり、不動産会社の査定サービスを利用するのがベスト。
不動産会社は、複数の土地価格やプロの情報力・知識を踏まえて、査定額を算出するからです。

公示価格は、不動産会社の査定額が市場の価格と大きく違わないか確認するための判断基準としての利用をおすすめします。

一括査定サービスを利用すれば、複数社にまとめて、無料で査定を依頼できますよ。

まとめ

●公示価格は国土交通省が毎年3月に公示する標準地の価格
公示価格とは、全国で選ばれた調査地「標準地」を鑑定し、国土交通省が審査して定める土地の価格です。毎年1月1日時点における標準地の正常な価格が、その年の3月に公示されます。土地取引の参考、相続税や固定資産税の算定の目安などに利用されています。実際に市場で取引される価格「実勢価格」との大きな違いは、取引当事者の事情が反映されず、評価が1年間固定になる点です。

●公示価格から実勢価格の目安を確認できる
公示価格は1㎡あたりの金額なので、「(公示価格×土地の面積)×1.1(もしくは1.2)」の計算式で、実勢価格の目安を算出できます。

●実勢価格に近い価格を知るには不動産会社に査定を依頼するのがおすすめ
公示価格と実勢価格には乖離があるので、土地売却時に公示価格を見る際はあくまで参考に留め、より実勢に近い土地価格は不動産査定を依頼することをおすすめします。

北章宅建は、不動産に関するご相談を全て無料で対応しています。
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土地売却で知っておきたい 「公示価格」とは?実勢価格との違いも確認

美唄店 小河 利也特に担当している岩見沢東部、三笠市、美唄市、奈井江町は地元という事もあり、細かな対応に自信があります。 不動産売買仲介のみならず、買取、賃貸仲介、管理等不動産に関する事はどのような事でもご相談ください。どうぞ宜しくお願いします。

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