土地や空き家のこと2024.09.05
空き家の実家は売るべきか貸すべきかどっち?メリット・デメリット
こんにちは。イエステーション北章宅建 江別店の寺杣です。
「空き家の実家は、売るべきか貸すべきかどちらが良いのだろう」
そんなお悩みをお持ちではありませんか?
空き家を放置すると劣化が進みやすいなどのリスクがあるため、「処分をするか活用するかで迷っている」という方は多くいらっしゃいます。
今回のコラムでは、空き家となった実家を売るべきか貸すべきかという2つの選択肢に分けて、メリット・デメリットを解説していきます。
どちらが適しているかを判断するポイントもあわせてご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
空き家が増えている現状と空き家の選択肢から確認
日本の空き家は増加傾向にあり、総務省の「令和5年住宅・土地統計調査」によると、2023年(令和5年)の時点で、空き家の総数は900万戸と過去最多を記録しました。
年々空き家が増え続ける背景には、核家族化や高齢化が挙げられます。
親が介護施設に入居したり、あるいは亡くなったりして実家が空いても、すでに子どもは独立してマイホームを構えているなどの理由があるため、家が余ってしまうのです。
そうした空き家は、「売却する」「貸す」「定期的に管理しつつ所有を続ける」というのが一般的な選択肢となります。
親族や知り合いなどに住んでもらう場合もあれば、賃貸物件として広告し、一般的な戸建て物件として貸し出すケースや、ゲストハウス・民泊施設として利用する場合も。
所有物件として管理しつつ、二地域居住用(セカンドハウス)や別荘として自分で住む事例もあります。
ただし、「遠方に住んでいるから管理が難しい」などの理由から、空き家のまま放置されているケースも少なくありません。
空き家を放置すると劣化が進みやすいですし、倒壊などの危険性や、周辺の住環境に防犯・衛生・景観上の悪影響を及ぼすリスクがあります。
次のブロックから紹介する、空いた実家を「売る」あるいは「貸す」メリット・デメリットを参考に、取り扱いの検討をぜひ進めていきましょう。
空き家を放置するリスクは「空き家を放置するリスクと相続時の対処法」で解説していますので、リスクについて知りたい方はぜひあわせてご覧ください。
空いた実家を「売る」メリット・デメリット
まずは、空いた実家を「売る」メリット・デメリットをご紹介していきましょう。
実家を売るメリット①まとまった資金を得られる
空いた実家を売ることで、まとまった資金を得られます。
親が介護施設に入居する予定なら、介護・入居に関わる費用を貯金を切り崩すことなく、捻出しやすくなるでしょう。
また、子どもの教育費、老後の資金、生活費にするなど、さまざまな用途で活用可能です。
実家を売るメリット②家の維持・保有にかかる費用を節約できる
売却すれば、実家の維持や保有にかかる費用を節約できます。
具体的には、固定資産税や都市計画税などの所有にかかる税金の支払いがなくなりますし、経年劣化への対策である、メンテナンス費用もかからなくなります。
防犯や火災対策の費用も節約できますね。
実家を売るメリット③相続分割がしやすくなる
不動産を相続した場合、複数人の相続人の間で分割方法で揉めるトラブルが起こるケースがあります。
不動産は、均等に分割しにくい資産だからです。
その点、現金化すれば分割しやすいですし、相続税の納税にも充てられます。
実家を売るメリット④管理にかかる負担がなくなる
売却すれば、空き家の管理について、物理的・心理的負担から解放されるメリットもあります。
定期的な管理も防犯対策も不要となるため、手間もお金も省けるからです。
実家を売るデメリット①実家を使用できなくなる
売却すると、将来的に実家で暮らすことはできなくなります。
親が施設を出る場合は、同居か、新たに家を用意するかの二択となるでしょう。
実家を売るデメリット②受け継いだ資産を手放すことになる
実家を売ることは、先祖代々受け継いできた土地や家を手放すことになり、家族の大切な思い出が詰まった場所を失うことにもなります。
普段遠方に住む場合は、実家がなくなることで行き来が減り、近隣住民とのつながりが薄れる可能性があります。
家を売るメリット・デメリットは、「家を相続したら、売るのか住むのか?メリットデメリットを解説」のコラムでもご紹介していますので、ぜひあわせてご参照ください。
空いた実家を「貸す」メリット・デメリット
続いて、空いた実家を「貸す」メリット・デメリットをご紹介していきます。
実家を貸すメリット①賃貸収入を得られる
空いた実家を賃貸に出すことで、定期的な賃貸収入につながるでしょう。
うまく入居者を得られれば、保有にかかる税金や維持費用を相殺することや、そのほか、親の介護費用などにも活用できるかもしれません。
実家を貸すメリット②空き家の放置リスク対策になる
入居者に住んでもらえば、定期的な換気が自然と行われ、空き家の劣化スピードを抑えやすくなります。
所有者が定期的に点検せずとも、入居者に修繕の必要性などを報告してもらえます。
また、人が住んでいるだけで防犯効果は高まるでしょうから、近隣住民の安心感にもつながります。
実家を貸すメリット③将来「家に住む」という選択肢が残る
家の保有を続けることになるので、将来的に実家に戻ることが可能です。
思い出の詰まった家を手放さずに済む利点も。
ただし、入居者と借家契約を結ぶことになりますので、所有者側の好きなタイミングで戻れない可能性もあります。
実家を貸すデメリット①空室リスクがある
賃貸に出しても、入居者が必ず入る保証はありません。
入居者がいなければ賃貸収入は得られず、固定費がかかり続けるだけでなく、定期的な管理も必要です。
お金と時間だけ消費されることになるでしょう。
実家を貸すデメリット②オーナーとして入居者への対応が必要である
賃貸経営をするにあたって、少なからず入居者とやり取りする機会が生じます。
家賃滞納や騒音など、トラブルへの対処の必要性も考えられますし、建物に問題が起こった場合、メンテナンスなど緊急で対応しなければならないケースもあるでしょう。
そのほか、貸し出すにあたってリフォームが必要になる場合もあります。
空き家を賃貸するメリット・デメリットは、下記のコラムでも解説していますので、ぜひあわせてご参照ください。
空き家を賃貸にするメリットとデメリットとは?手続きや注意点も解説
実家を売るか貸すか判断するポイント
最後に、実家を売るか貸すか判断するポイントをご紹介しましょう。
まず、優先して確認したいのは、所有者である親の希望です。
親が実家に戻りたいと希望するなら、売却の選択肢はなくなり、戻るまでの期間で貸し出すのか、それとも管理のみ行うのか検討することになります。
親が実家に戻る予定がない場合は、「空き家にしたままではリスクがある」という点を確認した上で、家族全員で相談することが大切です。
条件のみで言いますと、下記のような物件は賃貸として需要が期待できますから、「貸す」方向で検討しても良いでしょう。
- 交通の便が良く、駅や生活利便施設が近い立地である
- 繁華街や観光地が近い
- 適切に維持管理されていたため、建物の状態が良い
- 所在する地域に賃貸需要がある
とはいえ、「貸す」デメリットでお伝えした通り、オーナーとしてのやり取りが増えますし、家を所有し続ける上でコストの支払いは続きます。
借り手がつくとは限らないため、空室中の管理や、防犯対策など懸念事項もあります。
家族全員が将来的に使う予定がない場合は、売却したほうが金銭的・時間的な手間が節約できるでしょう。
「どうしても貸す選択肢を捨てがたい」という場合は、不動産会社に相談して、賃貸需要や、貸し出した場合の収益をシミュレーションしてもらうと良いでしょう。
売却金額と比較して、どちらがお得か比較してみるのがおすすめです。
まとめ
●日本の空き家は増加傾向にあり、放置問題への対処が重要
人が住まない実家は劣化が進みやすく、周囲にも悪影響を与えるおそれがあります。
放置せず、「売る」か「貸す」か、取り扱いの検討を進めることが大切です。
●空いた実家を「売る」メリット・デメリット
売却すると将来実家を使えなくなるといったデメリットはありますが、まとまった資金を得られますし、維持や保有にかかる税金などを節約できます。
●空いた実家を「貸す」メリット・デメリット
賃貸に出すことで、定期収入を得られるほか、空き家の放置リスクへの対策にもなりますが、空室の場合はメリットが享受しづらいです。
●実家を売るか貸すかの判断ポイント
まずは売るか貸すか、親の希望を確認しましょう。
なるべく実家の管理などに手間をかけたくない場合は、売却したほうが金銭的・時間的な節約になります。
北章宅建は、不動産に関するご相談を全て無料で対応しています。
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著者
江別店 寺杣 友紀出身は和歌山県ですが、生まれは札幌です。前職は自動車の営業をしておりました。不動産業界は全くの未経験で不慣れなことだらけですが、早く仕事を覚えてお客様のお役に立てれるよう努めます。精一杯頑張りますので宜しくお願い致します。
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