土地や空き家のこと2024.02.08
空き家は劣化するスピードが早い?理由や対処法を解説
こんにちは。イエステーション北章宅建 小樽店の小林です。
「空き家は劣化のスピードが早いと聞くけど、本当だろうか」
空き家を所有されている方はとくに劣化するスピードが早まる理由も含めて、真偽が気になるところですよね。
結論からいえば、空き家は劣化しやすい傾向があります。
今回のコラムでは、空き家の劣化が通常の家に比べて早くなりやすい理由と、劣化するスピードを遅らせるための対策を解説します。
家が劣化することでどんな悪影響を及ぼすかについてもあわせてご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
空き家の劣化のスピードが早い理由とは?
現在人が住んでいない・使われていない状態の「空き家」は、劣化のスピードが早くなりやすい傾向があります。
一言でいえば、人の出入りが通常の家に比べて少ないからです。
人の出入りが少ないと何が起こるのか、劣化速度を上げてしまう主な理由には、次の3つがあります。
- 換気が不十分で家に湿気がこもりやすくなる
- 水道が使われず通水の期間が空いてしまう
- 修繕の処置が遅れたり放置されたりしてしまう
1つずつ解説していきます。
理由1|換気が不十分で家に湿気がこもりやすくなる
人の出入りが少ない空き家は、ドアや窓の開け閉めをする機会が減り、湿気がこもりやすくなります。
湿気はカビの発生であったり、木造部材を腐らせたり、シロアリ被害の原因になったりします。
ダニや細菌の繁殖、内装の腐食が発生する恐れもあるでしょう。
理由2|水道が使われず通水の期間が空いてしまう
水道はしばらく使わないと、水道管がサビてしまう場合があります。
サビは劣化につながり、放置して破損すれば、水漏れの原因になります。
漏れ出た水分は床を腐らせ、カビやシロアリの発生、部材の腐食につながる恐れも。
また、通水が途切れると水道管が害虫やネズミの侵入経路になる場合もあり、死骸や排せつ物が家の床を腐らせるケースもあります。
理由3|修繕の処置が遅れたり放置されたりしてしまう
人の出入りがないと、家の不具合に気付くのが遅れます。
不具合の修繕を後回しにしてしまうと、例えば大雨に見舞われて雨漏りが酷くなるといったことが起こる可能性もあるでしょう。
空き家は修繕が必要なタイミングより遅れがちに、あるいはそのまま放置されやすいため、劣化しやすいのです。
空き家の劣化のスピードを遅らせる方法
空き家の劣化スピードを遅らせるには、人の出入りを増やすことが大切です。
基本的には、定期的にメンテナンスを行うのがオーソドックスな方法ですが、賃貸に出して誰かに住んでもらうのも方法の一つです。
それぞれ解説しますね。
方法1|月に1回以上定期的にメンテナンスを行う
空き家の定期メンテナンスは、月に1回以上行うのが良いでしょう。
具体的に何をするかといえば、次の3つのポイントが重要といえます。
- 換気を行う
- 通水をする
- 掃除や点検を行う
それぞれ、詳しく解説します。
換気を行う
まずは、空き家の窓を開けて家の空気を入れ替え、湿気対策となる換気を行います。
このとき、タンスや棚、押し入れなど家具や建具の扉も開き、こもった空気を外へ逃がすことが重要です。
空き家がまだ電気を契約中なら、換気扇など空調システムを用いて換気を行うのも一つの方法ですが、梅雨時期や高温多湿な夏場は使用を避けたほうが無難といえます。
かえって湿気を家のなかに取り込んでしまう可能性があるからです。
前日に雨が降って地面が濡れている場合、気温の高い夏の空気は湿気を多く含みますので、なるべく晴れた、湿度の低い日に換気を行うことをおすすめします。
通水をする
空き家の通水はキッチンやバスルームなど、すべての蛇口で行います。
複雑な手順はなく、蛇口をひねり、1分以上水を出しっぱなしにするだけです。
通水はサビを防ぐ目的のほか、排水トラップに水を満たし、下水から上がってくる悪臭や、害虫・ネズミなどの侵入も防いでくれます。
掃除や点検を行う
空き家は普段人の気配がないので、害虫やネズミなどが入り込みやすい環境です。
埃やちりがつもった不衛生な環境を好む場合も多いので、居つかせないためも、掃き掃除や拭き掃除を行い、清潔に保つことが大切といえます。
雑草が生い茂っていると住処にちょうど良いので、草刈りも大事ですね。
あわせて建物の内側・外側の点検も行うことで、劣化の原因を早期発見し、対処しやすくなります。
【主な点検ポイント】
- 壁にひび割れはないか
- 天井に雨漏りのシミはないか
- 外壁が崩れていないか
- 屋根・軒裏が変形・傷んでいないか など
水が染みたような形跡があれば、雨漏りしている可能性があります。
外壁などの損壊は、災害時に崩れたり、雨水が侵入したりするので、劣化スピードを早めます。
定期的に訪れ、点検・掃除し、適宜修繕することで劣化を遅くできるでしょう。
方法2|賃貸に出す
所有する空き家の立地が良く、外観も悪くないのであれば、賃貸に出して誰かに住んでもらうのもおすすめの方法といえます。
賃貸に出せば、定期的に物件を訪れ、換気や通水を行う手間はかかりません。
オーナーとしてメンテナンスする必要はありますが、不具合や修繕が必要な部分があれば、住人から情報が伝わり、適宜対応できるでしょう。
うまく経営できれば家賃収入が得られるメリットもあります。
空き家が劣化することの悪影響と管理対策
空き家は意識して手をかけてあげないと劣化が進み、見た目が悪くなったり、災害への耐久力や安全性が低下したりするでしょう。
そうなれば、売却や賃貸、将来的に住む予定にも悪影響を及ぼします。
空き家の劣化にはデメリットしかない
住まいを求める人の多くは、きれいで安心して住める家を好み、購入や賃貸を希望します。
そのため、劣化した空き家は買い手や借り手が付きにくくなるでしょう。
将来的に自分が住もうと考えていても、居住用に使えるよう修繕が必要になり、すぐに入居できない可能性もあります。
また、弱った建材が何かの災害で損壊し、周囲へ迷惑をかけたり、事故の原因になったりする場合も。
空き家が倒壊した責任は所有者にあるため、損害事故となれば賠償金を求められる恐れもあります。
空き家の倒壊責任については「空き家の倒壊責任はだれが負う?放置するリスクや管理法も解説」にて詳しく解説していますので、あわせて参考にしてください。
空き家の管理対策
空き家は通常の家に比べて劣化しやすい傾向があります。
そのため、定期的な管理を行い、劣化を少しでも遅らせることが大切です。
しかし、相続で取得した実家であったり、転勤で住まなくなった家だったりすると、現住所から遠く、管理に時間を割けない場合もあるでしょう。
その場合は、売却したり、空き家の管理会社に任せたりといった対策を取りましょう。
将来的に使う当てがないなら、売却が良いですね。
管理の手間も税金も、メンテナンス費用もかからないのでおすすめです。
住む予定があるなら、管理会社に依頼すると、定期的なメンテナンスが受けられます。
業者によってサービス内容は異なりますが、換気や通水、掃除や点検などを行なってくれますので、自分でできないと放置してしまう前にぜひ検討してみてください。
まとめ
●空き家の劣化スピードは通常の家より早い
空き家は人の出入りが少なく、湿気がこもりやすいので、通常の家よりも劣化スピードが早い傾向があります。
湿気により建材の木材がカビたり腐ったりして傷みやすいからです。
雨漏りなど不具合に気付きにくく、修繕が遅れて劣化が進んでしまう場合もあります。
●空き家の定期的なメンテナンスが劣化スピードを遅らせる
空き家の劣化スピードを遅らせるには、定期的に換気や通水、掃除や不具合がないか点検することが大切です。
見た目が悪くない物件であれば、賃貸に出して人に住んでもらうのも良い方法です。
●空き家を将来的に使わないなら売却がおすすめ
管理が手に余る場合、将来的に使う当てがない空き家は売却がおすすめです。
所有を続けるなら、管理会社に依頼するなど放置しないことが重要です。
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