土地や空き家のこと2022.02.17

雑種地とはどのような土地?相続をしたら何から始めるべき?

土地を相続した場合、登記簿や固定資産税納税通知書に記載されている「地目」によって、相続税申告における評価方法や、その後の活用方法に違いが出てきます。
あなたが相続をした土地は、宅地でしょうか?それとも畑や田んぼの農地でしょうか?どれにも当てはまらない雑種地?
この記事では雑種地を相続した場合の評価について、また基本知識を解説していきます。

雑種地とはどのような土地なのか?

まず聞きなれない言葉である雑種地について説明をしていきます。
土地の地目は、宅地、田、畑、塩田、鉱泉地、山林、池沼、牧場・・・など22種類に区分されています。
この22種類のどれにも該当しない土地が雑種地と言われており、分かりやすい例えで示すと、青空駐車場や宅地に隣接をしていないゴルフ場・テニスコート、資材置き場なども雑種地としてみなされています。
また相続不動産としては現実的にほとんどなく、一般的に馴染みはないですが、競馬場内の土地や、変電所の敷地なども雑種地となります。

土地の地目が分からない状態で相続をしたら何から始めるべき?

相続税の評価基準は「現在の土地の状況」で基準が決まるため、相続をした土地が分かりやすい宅地であれば現地調査などは必要ありませんが、何の土地なのか分からない・・・と少しでも疑問に思う節があれば下記の方法で土地の地目を確認しましょう。
ここでよくある間違いをご紹介します。
相続税申告における土地の地目とは、登記上の表記が全てではありません。被相続人が亡くなった日の現況地目を指し、実際の使われ方から判断します。
いくら登記簿上「宅地」と記載があっても、現地調査をしてみたら「雑種地」という評価の例もゼロではないので、念頭に置いておきましょう。

1:土地を実際に見に行く

土地の住所がさほど遠方でなければ、まず現地がどうなっているか確認しに行くのが近道です。また、あなた1人ではなく、専門家に調査を依頼することができるなら一層土地の種類の判断もつきやすいでしょう。
宅地と聞いていたけれど、実際見に行ったら全く違ったとなると相続税の評価にも響いてきます。

2:固定資産税納税通知書で確認をする

土地が遠方でなかなか現地に出向くことが難しいことも現実的にあるはずです。そのような場合は、Googleストリートビューで現在の様子を確認するのも1つの手法ですが、固定資産税納税通知書でも確認ができます。
確認の項目は「固定資産税の課税地目」で、その欄に書かれている名称で判断します。

雑種地の評価方法は?

現地調査も踏まえた上で相続した土地が雑種地であると確認できると、次に気になるのは雑種地の評価についてではないでしょうか。
雑種地の評価については、その土地が市街化区域にある土地なのか、市街化調整区域にある土地なのかによって評価方法が違います。
端的に説明をすると、市街化区域は都市形成を積極的に推進しており、建物の建築において大きな制限が定められていない区域、市街化調整区域は都市開発において建築制限のある区域となります。

市街化区域の評価方法

市街化区域内にある雑種地は、基本的に宅地としての評価扱いとなります。ただし雑種地自体がどこの区域にあるのかによって評価方法が異なるため、基準が非常に難しいとされています。
そのため、似たような雑種地を基にし、当該雑種地の形状などを差し引いて割り出す方式が採用されています。
市街化区域内で路線価が設定されている地域では評価額を使って計算し、路線価区域外の地域では、固定資産税評価額を利用した計算で割り出します。

市街化調整区域の評価方法

市街化調整区域は農地や山林が多いことから、似たような雑種地自体がないこともあり、別の地目で雑種地と似た形状を使って評価をしていきます。
したがって、どちらの場合も周辺の地目の固定資産税評価額に倍率を乗じて計算をしますが、周辺の地目が宅地の場合は、プラスアルファでしんしゃく割合を考慮しなければいけません。
しんしゃく割合は素人では判断が難しいので、税理士に相談することをおすすめします。

専門家に相談をしましょう

計算方法や、地目の複雑な調査など、1人で進めていくには限界のある雑種地の相続。可能であれば早期の段階で専門家に依頼をすることが最も早く解決できる手段でしょう。
コストはかかりますが、専門家でなければ手のつけられない評価方法もあるため、良く検討をすることをおすすめします。

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著者
雑種地とはどのような土地?相続をしたら何から始めるべき?

札幌手稲店 野口 祥子

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