ローンやお金のこと2021.07.16
本当にお得なの?今話題のフラット35を徹底解析
最近テレビCMでもよく見かける住宅ローンのフラット35。漠然とした解釈は把握していても、変動金利の住宅ローンと何が違うのか、全てを理解する機会はなかなか得られないものです。
CM上での言葉が印象的なので、「ずっと固定金利で、先々までの資金管理ができる」と察しますよね。
確かに、民間の金融機関の商品である変動金利のように、経済情勢の影響を受け、金利が変動してしまうと、未来の金利予測はなかなかつきづらく、将来の貯蓄や返済シミュレーション計画もボヤッとしてしまいます。
不動産を購入する買主にとっては、お得と推測するフラット35。メリットや注意点、また、変動金利との差別化は何があるのか、あらゆる視点で解析していきます。
まずはフラット35とはどんな住宅ローンなのか?
フラット35は、全国300の金融機関と、住宅金融支援機構が提携をして取り扱いをしている住宅ローンの種類の1つです。
フラット35の特徴の1つとも言えるのが、申込者の勤続年数や、職種に限定がないということ。世の中の変動が早く、働き方の考え方も1年間で大幅に変わってくる現代では、制限の幅がないことはとても魅力的です。
そんなフラット35のまずは利用条件を見ていきましょう。
1:申込者について
契約者は、申し込み時、満70歳未満であり、日本の国籍を保有していること。日本国籍を保有していない外国の方は、永住者か、特別永住者の権利を持っていれば申し込み可能となります。
もし、親子リレー返済を考えての申し込みであれば、年齢は70歳以上でも申し込みをすることができます。
返済負担率の考え方は、フラット35以外の借り入れがある場合(自動車ローンなど)も含めて、返済額を合計した年間の返済負担率の基準を設けられています。
年収400万円未満:30%以下
年収400万円以上:35%以下
借りたお金の使い道を俗に「資金使途」と言いますが、フラット35の資金使途は、申込者本人、もしくは、親族が居住する住宅のみとされています。
2:住宅について
まずは、住宅金融支援機構の技術基準に満たすことが条件となります。敷地に関しては特段の条件はなく、建物に関しての要件のみとなります。
一戸建ては、床面積70m2以上、マンションなどの共同住宅では、専有面積が30m2以上であることが条件となります。
3:借り入れ金額について
住宅購入のみ、もしくは、土地代と住宅の建築費用を合計した価格で、100万円以上8000万円以下まで借り入れが可能です。
店舗と兼用住宅の場合は、居住スペースではない店舗部分は借り入れ不可となり、土地のみの借り入れもできません。
また、返済期間は最短で15年から、最長で35年、もしくは、「80歳から申し込み時の年齢」を引いた数のどちらか短い方を上限期間としています。
フラット35のメリット
ここまでで、フラット35の具体的なローンの詳細を説明しました。では、借り入れをするあなたにとって、フラット35にはどのようなメリットがあるのでしょうか?
固定金利のため金利に左右されない安心がある
ずっと固定金利とCMでも流れている程、固定金利は、フラット35の最大のメリットと言えるでしょう。
借り入れの際に金利の決定をし、変動金利のように左右をされない安心があるので、将来設計を立てやすく、具体的な返済スケジュールを考えることができます。
繰上げ返済時の手数料がかからない
民間の金融機関では、事務手数料や、繰上げ返済の際も返済手数料がかかりますが、フラット35では、繰上げ返済の際も手数料はかかることはありません。
団体信用保険の加入が任意
通常、金融機関での住宅ローン契約の際は、団体信用保険の加入が必須となります。逆に考えると、健康状態に不安があり、団体信用保険に加入ができなければ金融機関での住宅ローン契約は難しいと考えられるでしょう。
フラット35は、団体信用保険の加入を任意とし、加入をしない場合でもフラット35を利用することができるのです。
フラット35のデメリット
変動金利と比較をすると金利が高い
これは、言葉の通りになりますが、一般的に変動金利と比較をすると、フラット35を利用した金利の方が高めとなります。
ご自身や、ご家族だけで判断ができない場合は、専門的なアドバイスももらうようにしましょう。
市場に左右されないのが時にデメリットとなる
メリットにもあるようにずっと固定金利は、時にデメリットに働くこともあります。仮に、市場金利が下がった場合、変動金利も影響を受け、金利が下がりますが、フラット35は、この場合でも、金利が下がることはありません。
将来のことや、月の返済額など総合的に考えること!
正直な話ですが、どちらがオススメです!とは言い切れません。今、読んでいる読者の方も、背景は様々であり、全く同じ状況にある人はいないですよね。
現実的な話ですが、家計の収支を改めて見ること、また、月の返済額が、家族の総収入に対して余裕を持てることがポイントとなり、基本的な考え方となります。
建設的に資金計画を考え、将来ゆとりのある暮らしを実現できるのは、どちらの住宅ローンなのか、改めて考えてみるといいかもしれません。