ローンやお金のこと2022.07.21

住宅ローンで後悔したくない!よくある失敗事例に学ぶ注意点〜その3

住宅ローンは返済期間が最長35年にもわたるため、借入時の安易な見通しやライフステージの変化によって、返済が困難になることがあります。

後から「失敗した」と嘆くことのないように、陥りがちな失敗事例を挙げながら、原因や注意点を探っていきましょう。今回は第3回目です。

住宅ローンの失敗例【借りる前の失敗】

住宅ローンを借りる前の行動によっては、住宅ローンが借りられないこともあります。審査に通らなかった理由などから、事前に注意すべきポイントが見えてくるはずです。

①住宅購入前に車をローンで購入していた

住宅ローンは返済負担率をもとに計算します。返済負担率とは、「税込み年収に占める年間返済額の割合」のこと。この割合が高いと返済できないリスクが高まるため、多くの金融機関では、返済負担率の基準を30〜35%としています。

返済負担率の計算式は「返済負担率=年間返済額÷年収×100」。
例えば、年収500万円で返済負担率35%とすれば、年間返済額の上限は175万円。金利1.35%であれば、借入可能額は4,800万円となります。

ただし、ここで注意すべきは、年間返済額には住宅ローン以外のすべての借り入れを含めて計算するという点です。奨学金やクレジットカードのリボ払い、携帯電話の端末代金の分割払いなど、他にローン返済があればその金額もすべて含まれます。上記の例で言えば、借入可能額は4,800万円でも、他に借り入れがあれば、その分、借入額は少なくなるということです。

結構な額の自動車ローンを返済中であれば、それだけ住宅ローンの審査も厳しくなります。「希望額が借りられなかった」「返済負担率の上限が理由で審査に通らなかった」という事例もあります。

住宅の購入を予定している人は、車など他のローン利用は控える、返済中のローンは繰り上げ返済するなどして、住宅ローンを利用しやすい環境を整えておきましょう。

②クレジットカードに延滞歴がある

住宅ローンの重要な審査基準に、個人信用情報があります。

過去にローンやクレジットカードで引き落としができなかったという場合は要注意。「ブラックリスト」と呼ばれる個人信用情報には、ローン契約やクレジットカードの金融事故歴が登録され、住宅ローン審査の際に厳しくチェックされます。特に長期延滞や延滞の繰り返し、過去5年以内に債務整理などの履歴がある「ブラック」状態だと、審査に通るのは困難です。

「自分は大丈夫」という油断は禁物です。実際に、スマートフォンの利用料金の滞納で住宅ローンが通らなかった事例もあります。利用料金は個人信用情報の対象外ですが、機種代込みで支払いしている場合は機種代がローンのため、滞納があると個人信用情報に登録されてしまうのです。

③住宅ローンの諸経費を考慮していなかった

諸経費とは、手数料や税金、保険料など、住宅を購入する際に必要な費用のことです。物件の購入費用のほかに別途かかる費用で、一般的に中古物件は物件購入価格の6〜10%、新築物件は物件購入価格の3〜7%が相場といわれます。原則として現金で用意する必要があるため、余裕をもった資金計画が大切です。

では、住宅ローン借入時の諸経費にはどのようなものがあるのでしょうか。特に以下の2つのいずれかが高額になることが多いので、覚えておきましょう。

〈融資手数料〉
住宅ローンを借りる際に金融機関に払う事務手数料で、金額は金融機関によって異なります。

ネット銀行で多いのは、消費税込みで「融資額の2.2%」。借入額が3,000万円の場合、手数料は66万円と高額です。一方、市中銀行は概ね3〜6万円などの定額型にしているのが一般的です。

〈保証料〉
保証料は、保証会社に保証人になってもらうための費用です。
もし住宅ローン契約者が返済できなくなった場合は、保証会社がローンの残債を借入先へ弁済する仕組みになっています。弁済が行われた後も、ローン契約者の返済相手が保証会社に変わるだけなので、支払いの義務は無くなりません。

ネット銀行の多くは保証料を「無料」にしていますが、市中銀行は保証料の設定が高くなっています。保証料の支払い方法は、全額を借入時に一括で支払う「一括前払い型(外枠方式)」と、返済中の金利に上乗せして毎月の返済額とともに支払う「金利上乗せ型(内枠方式)」があります。

一括前払い型は、返済期間が35年の場合で融資額 1,000万円当たり約20万円かかるのが一般的。3,000万円借りた場合は60万円が必要なため初期費用は高いですが、金利上乗せ型に比べ支払い総額は低くなります。

他にも諸経費には以下のようなものがあります。ここでは例として4,000万円の新築一戸建ての購入に3,000万円の住宅ローンを利用したケースを示します。

・融資手数料+保証料……63万円(保証料一括払い)
・印紙税……2万円
・火災保険料……20万円
・団体信用生命保険料……0円
・登録免許税……12万円
・司法書士報酬……5万円

金融機関などにより金額は異なりますが、この例でいえば諸経費は合計約100万円かかります。諸経費は住宅引き渡しの日までに支払いをする必要があるため、自己資金はしっかり用意しておきましょう。

金融機関によっては諸経費分を住宅ローンに組み込んで融資してくれることもあります。しかし、毎月の返済額はそれだけ大きくなります。住宅ローンを組む際は、諸経費を自己資金でまかなうことを前提に検討することが肝心です。

次回は、住宅ローンの利用で注意すべきことを解説します。

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著者
住宅ローンで後悔したくない!よくある失敗事例に学ぶ注意点〜その3

札幌手稲店 野口 祥子

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