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不動産に関する手続き2025.09.20
任意売却は連帯保証人にどう影響する?進め方や注意点も紹介
こんにちは。イエステーション北章宅建 小樽店の柴田です。
「任意売却をすると連帯保証人にどのような影響があるのだろう」
「連帯保証人に迷惑をかけてしまうのではないか」
住宅ローンの返済が困難になり任意売却を検討されている方のなかには、そんな心配をされている方も多いのではないでしょうか。
確かに任意売却は連帯保証人にも影響が及ぶことがありますが、適切な対応をすることでその影響を最小限に抑えることが可能です。
今回は、任意売却と連帯保証人の関係についてわかりやすくご紹介。
連帯保証人がいる場合の任意売却の進め方や注意すべきポイント、トラブル防止策まで詳しく解説します。
そもそも任意売却とは?メリット・デメリットからご紹介
任意売却とは、住宅ローンの返済が難しくなったときに、金融機関の同意を得て不動産を売却する方法です。
任意売却という選択肢を取らずに滞納を続けると、最終的には裁判所を通じた競売にかけられることになります。
「競売にかけられるなら、わざわざ任意売却を選ぶ必要があるの?」と考える方もいらっしゃるでしょう。
しかし、任意売却には競売と異なり、次のようなメリットがあります。
- 市場価格に近い金額で売却できる(目安は80〜90%程度)
- プライバシーが守られやすい
- 引越し時期や条件を交渉できる
- 残債を分割返済で交渉できる可能性がある
任意売却は、競売のように大幅な値下げを強いられず、残債を少なく抑えられるのが大きな特徴です。
ただし、任意売却には次のようなデメリットもあることを知っておきましょう。
- 金融機関や連帯保証人の同意が必要
- 競売の開札が行われると任意売却に切り替えられない
- 信用情報に滞納記録が一定期間残る可能性がある
下記のコラムで任意売却について詳しく解説していますので、ぜひあわせてご参照ください。
任意売却には種類がある?6種類の任意売却の方法を解説します
離婚での任意売却にデメリットはある?メリットや注意点、流れも知っておこう
連帯保証人とは?任意売却との関係を確認
連帯保証人とは、住宅ローンの契約者(主債務者)が返済できなくなった場合、代わりに同じ責任で返済義務を負う人を指します。
住宅ローンでは、配偶者や親、子どもなどの親族が連帯保証人になることが多く、ペアローンや収入合算、共有名義などでも設定されるのが一般的です。
通常の保証人には「催告の抗弁権(債権者が保証人に請求する前に、まず主債務者に弁済させるよう要求できる権利)」や「検索の抗弁権(主債務者の財産から優先的に取り立てを行うよう債権者に請求できる権利)」があります。
しかし、連帯保証人にはこれらの権利がなく、金融機関は主債務者を飛ばして直接連帯保証人に返済を求めることが可能です。
また、似た制度として「連帯債務者」があります。
これは、借入の当事者として最初から平等に返済義務を負う人であり、連帯保証人とは区別されます。
なお、任意売却を進めるには、原則として「連帯保証人の同意」が必要です。
残債が残る場合、金融機関は連帯保証人の責任を確認するため、同意なしでは任意売却を承諾しないからです。
さらに、ローンを滞納した時点で、すでに金融機関から督促が届いている場合が多く、連帯保証人に内緒で任意売却を進めることはできません。
連帯保証人がいる場合の任意売却の進め方
連帯保証人がいる不動産の任意売却は、以下の手順に沿って進めましょう。
1.返済が厳しいと感じたら、早めに金融機関と連帯保証人に相談する
2.任意売却を検討し、選択を決める
3.不動産会社へ相談し、査定を依頼する
4.債権者(金融機関)へ申請し、承諾を得る
5.売却活動と契約を進める
6.決済・引き渡し後、残債の返済方法を確定する
それぞれ順番に確認していきましょう。
1. 返済が厳しいと感じたら、早めに金融機関と連帯保証人に相談する
住宅ローンの返済が難しくなったと気づいた時点が、最初の行動のタイミングです。
まずは、金融機関に相談し、返済が厳しい状況を伝えます。
同じ段階で、連帯保証人にも正直に状況を説明し、任意売却を検討していることを共有しておきましょう。
話す前に金融機関からの督促が届いてしまうと、連帯保証人に不安を与えてしまいます。
任意売却には連帯保証人の同意が必須のため、落ち着いて話し合いができるタイミングで相談しておくことも大切です。
2. 任意売却を検討し、選択を決める
金融機関から競売の可能性を示唆されたら、任意売却を正式に検討します。
連帯保証人には、任意売却の仕組みを伝えた上で、売却価格の下落や残債の増加のおそれがあるなど、競売になった場合のデメリットも説明しておきましょう。
「なぜ任意売却を選ぶのか」を具体的に伝え、理解を得ておくことが重要です。
競売については「競売にかけられたらどうする?流れや回避方法を知って対応しよう」で詳しく解説しています。
3. 不動産会社へ相談し、査定を依頼する
任意売却の実績が豊富な不動産会社に相談し、査定を依頼して売却計画を立てます。
連帯保証人には、査定価格や売却方針を共有し、進行状況を把握してもらうことが大切です。
保証人の同意を得ておくと、後の債権者(金融機関)への申請が円滑になります。
4. 債権者(金融機関)へ申請し、承諾を得る
不動産会社が査定書や計画を準備したら、金融機関に任意売却を申請します。
この段階で、連帯保証人の同意書や署名が必要になるのが一般的です。
事前に連帯保証人へ説明し、署名のタイミングや必要書類を伝えておくとスムーズです。
5. 売却活動と契約を進める
金融機関の承諾を得たら、市場で買い主を探し、売却活動を行います。
内覧や価格交渉、契約条件などの進捗は、適度に連帯保証人へ報告しておくと安心感を与えられます。
連帯保証人が情報を把握していれば、最終決済時の手続きも滞りなく進められます。
6. 決済・引き渡し後、残債の返済方法を確定する
売買契約が成立し、決済と引き渡しが完了したら、残債の返済方法について債権者と連帯保証人を交えて取り決めます。
任意売却後にローン残債が残る場合、主債務者だけでなく連帯保証人にも返済義務が生じます。
そのため、返済方法や分割返済の可否、負担割合を明確にし、必ず書面で合意を残すことが重要です。
連帯保証人がいる任意売却で注意すべきポイントは?トラブル防止策も紹介
連帯保証人がいる任意売却では、通常の任意売却以上に慎重な対応が必要です。
事前に注意すべきポイントを把握し、適切に備えることで、トラブルや負担を最小限に抑えることができます。
①任意売却は連帯保証人にも大きく影響する
任意売却は、自分(主債務者)だけの問題ではなく、連帯保証人にも影響することを自覚し、常に配慮して進める必要があります。
【連帯保証人への影響例】
- 滞納が続けば、金融機関から督促状が連帯保証人にも届く
- 連帯保証人の同意が得られなければ、金融機関は任意売却を承諾しない
- 競売に進むと売却価格が下がり、連帯保証人の負担が大きくなる
信頼関係を保つには、定期的な情報共有を行い、進捗(内覧件数・価格交渉・契約状況など)を連帯保証人にこまめに伝えることが大切です。
②任意売却後の残債は連帯保証人にも請求される
任意売却で不動産を売却しても、売却代金がローン残債を下回れば、残りの返済義務は消えまません。
金融機関は、主債務者と同様に連帯保証人にも残債返済を請求できますし、主債務者が自己破産しても、連帯保証人の返済義務は免除されないのです。
残債の返済方法(分割・一括・債務整理など)は、必ず事前に協議し、書面で合意を残すことが大切です。
③同意が得られない場合は競売に移行し、負担が増すリスクがある
連帯保証人が任意売却に同意せず、金融機関も承諾しない場合、最終的には競売に移行してしまいます。
競売では、売却価格が市場価格の50〜70%程度まで下がることが多く、売却額が低くなるぶん残債が多く残ります。
その結果、金融機関が連帯保証人に対して一括返済を求める可能性が高くなり、さらに分割返済の交渉も難しくなるため、関係者全員にとって不利な結果となることが少なくありません。
任意売却を進める場合は、実績や専門知識があり、信頼できる不動産会社・弁護士・司法書士など、専門家へ早めに相談して安全に進めましょう。
任意売却の相談先は「任意売却するなら誰に相談すべき?相談先別のメリット・デメリットも」で詳しくご紹介しています。
また、不動産会社の選び方は、下記のコラムで詳しく解説していますので、ぜひあわせてご参照ください。
不動産会社選びが成功のカギ。家を売却するための選び方ポイント
不動産売却時の査定は何社に依頼する?不動産会社の選び方も
まとめ
●任意売却は競売よりも連帯保証人の負担を軽減できる
任意売却では市場価格に近い価格で売却できるため、連帯保証人への返済負担も最小限に抑えやすくなります。
●任意売却には連帯保証人の同意が必要
任意売却を進めるには、原則として連帯保証人の同意が欠かせません。
売却後も残債の返済義務が残るため、あらかじめ話し合いを行い、合意を形成しておくことが重要です。
●早期の相談と任意売却についての丁寧な説明がトラブル防止の鍵
住宅ローンの返済が困難だと感じた時点で、できるだけ早く連帯保証人に相談し、任意売却の流れやメリットを具体的に伝えることが大切です。
●連帯保証人がいる任意売却を進める際は、専門家のサポートを活用する
任意売却には債権者との交渉や法的な手続きが伴うため、経験豊富な不動産会社や弁護士などの専門家にサポートを依頼することで、スムーズかつ確実な解決につながります。
北章宅建は、不動産に関するご相談を全て無料で対応しています。
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著者

小樽店 柴田 朋也小樽市内では毎年約2,000人ほどの人口減少となっていますが、最近は移住されたり二拠点居住の対象として選択される方も増えていて街が明るくなる兆しを感じています。 今後も当社が目標とする、不動産流通を通じた地域貢献ができればと思っております。小樽はとても魅力的な街で、国内外の各地から多くの観光客が訪れる場所としても知られています。 他地域より移住したいとお問い合わせくださる方もたくさんいらっしゃいます。今後も不動産の売買を通して、地域の発展に寄与してまいりたいと思います。不動産の売却・購入を検討されている方は、是非、当社にご相談ください。
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