不動産査定について2019.08.28
家を売却したいが赤字。損失をどうやって抑える?
※コラム内容は掲載当時の最新情報によるものです。現在の状況は変わっている場合がありますので、ご了承下さい
こんにちは。
イエステーション北章宅建 むかわ店 営業の藤田です。
「家を売却したいけど赤字になりそう……」そんな心配があってなかなか家の売却に踏み切れない方も多いと思います。
家の売却では赤字になることもありますが、赤字になった時には確定申告をすることで税金の還付を受けられる可能性があります。
今回は家の売却で赤字になる場合に知っておきたいお話です。
家の売却が赤字になった場合の税金の扱いや赤字額をできるだけ抑える方法についてもご紹介します。
家の売却、赤字になるのはどんな場合?
家を売却した時に売却額が購入額よりも安く損をしてしまう場合は赤字です。
例えば・・・
- マイホームを購入したが、数年後に転勤で手放すことになり売却した
- 家を売却した利益で住宅ローンを完済しようと思ったが払いきれず残債が残ってしまった
- 中古住宅を購入価格とほぼ同じ金額で売ることができたが、仲介手数料などを差し引いたらマイナスになってしまった
家を売るためには不動産仲介手数料や印紙税などの費用がかかりますので、単純に「買った時よりも高く売れたから利益が出た」とはなりません。
物件の売却価格から物件を購入する際にかかった費用【取得費】と物件を売却するためにかかった費用【譲渡費用】を差し引いて、マイナスになる場合は赤字です。
不動産を売却して出た赤字のことを譲渡損失といいます。
譲渡損失=不動産の売却金額 -(取得費+譲渡費用)※マイナスになる場合
一般的に家は時間が経つごとに経年劣化で価値が下がっていきますので、購入価格よりも高く売れるということは少なく、家を売って赤字になることはよくあることなのです。
赤字になったとき税金はどうなる?還付を受けるためには?
マイホームを売却して赤字になった場合、翌年に確定申告をすることで税金の還付を受けられるケースがあります。
譲渡損失のマイナス分をその他の所得から差し引いて課税所得を下げ、所得税額が下がることで納めすぎとなった所得税が戻ってくるのです。
これを損益通算といいます。
その他の所得とは給与所得や事業所得、退職所得や一時所得など。
マイナス分が大きくて相殺しきれない場合は最大その後3年間控除を繰り越す事ができます。
優遇措置の特例は「買い替えを伴わずマイホームを売却した場合」と「買い替えのためにマイホームを売却した場合」の2種類あります。
1.特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例
マイホームを売却して譲渡損失が出た場合の特例です。
【条件】
- マイホームの売却であること
- 5年以上所有している家であること
- 譲渡先が家族や同居の親族でないこと
- 10年以上の住宅ローンがある家であること
2.居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例
家の買い替えのためにマイホームを売却し、譲渡損失が出た場合の特例です。
【条件】
- マイホームの売却であること
- 5年以上所有している家であること
- 譲渡先が家族や同居の親族でないこと
- 売却した年の前年の1月1日から、売却した翌年の12月31日までに新しい家を購入すること
- 新しい家を購入した翌年12月31日までに住み始めること
- 購入物件の床面積が50㎡以上あること
- 10年以上の住宅ローンを組んで購入すること
両方ともそれぞれ上記の条件を満たした上で、翌年2月16日~3月15日までに確定申告が必要です。
家を売却した時に活用できるその他の税金優遇特例とは併用できないので注意しましょう。
- 3,000万円の特別控除
- 10年以上所有物件売却の軽減税率の特例
- 特定の居住用財産の買換えの特例
会社員の場合所得税は当年度中に源泉徴収されていますので、翌年確定申告をして損益通算の特例を受けることで、納めすぎとなった所得税分が還付されます。
仮に売却益が出たとしても税金の優遇を受けられる場合がありますので、マイホームを売却した場合は確定申告を忘れないようにしましょう。
不動産を売却した際の確定申告についてはこちらでも詳しくご紹介しています。
家や土地を売却した際の確定申告について理解しよう!
赤字を未然に防ぐためのポイントはあるの?
家の売却で赤字を避けたり赤字額を少しでも抑えたりするためには、家をできるだけ高い金額で売却することです。
そのためには売りたい物件やエリアに精通し信頼のおける不動産会社へ仲介を依頼し、媒体掲載や広告など積極的な販売活動を行ってもらいましょう。
また自分でできることとしては、自宅の整理整頓やハウスクリーニングを行って少しでも高い価格をつけてもらえるように心がけましょう。
家を高く査定してもらうコツについてはこちらで詳しくご紹介しています。
家の査定で高く売るコツ!タイミングや注意点は?
また、意外と大きな費用となるのが不動産仲介手数料です。
物件の売却価格によって不動産仲介手数料の上限は決まっています。
なお、一般的な売却活動に伴う広告費などは通常不動産会社の負担となります。
売却の際には余計な費用がかさむのを防ぐためにも、具体的にどのような計算と内訳でどんな金額になっているのかを把握しておくようにしましょう。
まとめ
- 不動産を売った時に売却価格からその不動産の購入費用と譲渡費用を引いてマイナスになった場合、その赤字を譲渡損失といいます。家の売却では購入金額よりも安い金額で売却したり、売却金で住宅ローンが清算しきれない場合は赤字となってしまいます。購入価格と同額程度で売れた場合も譲渡費用を差し引くと赤字となる場合がほとんどです。
- 家を売却して赤字になった場合、一定の条件を満たし翌年に確定申告をすることで税金の優遇措置を受けられるケースがあります。特例にはマイホームを売却した場合と、買い替えのためにマイホームを売却した場合の2種類があります。譲渡損失をその他の所得から控除することができ、マイナスが大きくて控除しきれない分はその後最大3年間繰越控除することができます。
- 家の売却時の赤字を避けたり少しでも赤字額を減らすには、家をできるだけ高く売ることが重要です。信頼のおける不動産会社へ仲介を依頼し、積極的な販売活動を行ってもらいましょう。不動産仲介手数料についても内訳をきちんと把握しておくようにしましょう。
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著者
むかわ店 藤田 修宏これまでたくさんのお客様のご縁を仲介させていただきました。 地域のご縁を大切に、地域密着をモットーに精一杯頑張りますので、ご購入・ご売却・お買い換えのご相談は藤田 修宏におまかせください。宜しくお願いいたします。
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