不動産管理コラム

不動産管理のこと2023.10.11

マンション管理適正評価制度とは?メリット・デメリット、申請方法も

こんにちは。イエステーション北章宅建 管理事業部の佐々木です。

「マンション管理適正評価制度」という制度をご存知でしょうか?
2022年より新たに開始した制度で、マンション管理の適正化の推進を図ることを目的としています。

当社は、都市部以外の賃貸アパート・戸建ての管理業務が中心ですが、2022年から始まった新しい制度ということで、今回は、マンション管理適正評価制度について取り上げます。
制度の概要やメリット・デメリットに加え、間違うことの多い「マンション管理計画認定制度」との違いもご紹介します。

マンション

 

マンション管理適正評価制度とは?

マンション管理適正評価制度は、2022年4月にスタートした制度です。
一般社団法人マンション管理業協会が不動産関連団体と協力し、全国共通の評価基準に沿ってマンションを評価するというもの。

そもそも、なぜこのような制度ができたかというと、これまでマンションの管理が適正に行われているかどうかを、客観的に判断する基準がなかったことが背景にあります。
そのため、マンションが適正に管理されないまま、老朽化するマンションが増加傾向にありました。

今後、老朽化していくマンションの管理を適切に行うためにも、マンションの適正な管理推進を図り、市場での正当な評価につなげるために、マンション管理適正評価制度が制定されたのです。

 

評価項目

マンションの管理状態や管理組合の収支・運営状況などを6段階で評価され、その管理評価はマンションの市場価値に反映することが期待されます。
なお、評価の有効期間は永久的なものではなく、1年間となっています。

マンション管理適正評価制度の評価は、「管理体制」「建物・設備」「管理組合収支」「耐震診断関係」「生活関連」5つのカテゴリー・合計30項目について行われます。

 

管理体制

管理体制に関する項目は、次の6項目です。

1.管理者等の設置
2.集会(総会)の開催
3.総会議事録
4.管理規約の有無
5.管理規約への規定の有無
6.規約改正状況

 

建物・設備

建物・設備に関する項目は、次の11項目です。

1.特定建築物定期調査
2.建築設備定期検査
3.昇降機(エレベーター)定期検査
4.専用水道定期水質検査
5.簡易専用水道管理状況検査
6.貯水槽の清掃(水道法施行規則に基づく)
7.浄化槽の保守点検、清掃、定期検査
8.消防用設備等点検
9.自家用電気工作物定期点検
10.長期修繕計画の有無
11.直近5年間の共用部分の修繕等の履歴情報

 

管理組合収支

管理組合収支に関する項目は、次の8項目です。

1.管理費と修繕積立金の区分経理
2.管理費会計収支
3.修繕積立金会計収支
4.管理費滞納額(戸数)
5.管理費滞納額(期間)
6.管理費滞納額(滞納率)
7.修繕積立金滞納額(滞納率)
8.修繕積立金の額

 

耐震診断関係

耐震診断関係に関する項目は、次の1項目です。

1.耐震性(耐震診断の実施)

 

生活関連

生活関連に関する項目は、次の4項目です。

1.緊急対応
2.消防訓練の実施状況
3.名簿の整備状況
4.防災対策

 

申請方法

マンション管理適正評価制度の申請方法は次の通りです。

1.マンション管理組合で総会の決議をとる
2.管理会社へ登録申請を依頼する
3.マンション管理業協会が指定する講習を修了した、管理業務主任者・マンション管理士がマンションの管理状態を評価する
4.管理業務主任者・マンション管理士が、評価結果をマンション管理業協会に登録する
5.評価が「マンション管理適正評価サイト」に公開される

マンションが適正に管理されていると評価を受けるためにも、マンション管理組合の総会前に、マンションの管理状態について自分で事前にチェックをしてから申請しましょう。まずは先ほどご紹介した30項目について、事前評価をしてみてくださいね。

 

マンション管理適正評価制度のメリット

Merit

マンション管理適正評価制度には、さまざまなメリットがあります。

 

メリット1:マンション管理組合が運営しやすくなる

マンション管理適正評価制度の評価項目は、細かく分類された30項目が明確化されています。
そのため、マンション管理組合は適正管理を行う上で目標を設定しやすくなり、それに伴って運営もしやすくなります。

 

メリット2:適正な管理状態を長期維持できる

マンション管理適正評価制度の評価項目に沿ってマンション管理への課題を一つひとつ取り組み改善することで、長期にわたって適正な管理を維持できます。

 

メリット3:市場の評価を期待できる

マンションの管理状態が公平に評価・公開されるため、マンションへの入居希望者への安心につながります。
また、そのマンションを所有している人も売却判断をしやすくなるため、市場価値の向上が期待できますよ。

マンションの評価の有効期間は1年間のため、管理状態の最新情報を発信できる点もメリットでしょう。

 

メリット4:リセールバリュー向上が見込める

長期的にマンションの適正な管理を維持し続けることで、市場価値が向上し、リセールバリュー(再販または転売価値)の向上も期待できます。

 

マンション管理適正評価制度のデメリット

マンション管理適正評価制度のデメリットは、登録料がかかるという点です。

マンション管理適正評価制度に申請する場合は、登録料5,500円(税込)と、評価・申請手数料が発生します。
なお、評価・申請手数料は管理会社または評価者ごとの自由設定となっています。

この登録料はマンション管理業協会のシステムに管理情報を登録し、データ蓄積や更新・サイト公開などを行うために使われます。

また、申請にあたってマンション管理組合で総会決議が必要であったり、事務作業が発生したりするデメリットとして挙げられるでしょう。

 

マンション管理計画認定制度との違いは?

マンション管理適正評価制度と似ている制度で「マンション管理計画認定制度」というものがあります。
どちらもマンション管理について可視化し、適正な管理推進を図るという目的点は同じですが、運営や審査項目などいくつか異なる点があります。

 

運営

マンション管理適正評価制度の運営は「マンション管理業協会」ですが、マンション管理計画認定制度の運営は「地方公共団体」です。
そのため、マンション管理適正評価制度は全国のマンションが対象であるのに対し、マンション管理計画認定制度は地方公共団体が管理適正化推進計画を作成している地域に建っているマンションに限ります。

 

制度の内容

マンション管理適正評価制度はマンションの管理や管理組合の運営状況を評価し、評価情報をインターネットで公開します。
一方、マンション管理計画認定制度は、管理計画が基準を満たしたマンションを認定し、必要に応じて管理適正化に向けた助言や指導を行います。

 

審査項目

マンション管理適正評価制度の認定項目は30項目であるのに対し、マンション管理計画認定制度は管理組合の運営や規約、経理など約16項目を審査します。

 

評価・判定

マンション管理適正評価制度は6段階で評価されますが、マンション管理計画認定制度は認定か否かのみとなっています。

 

有効期間

マンション管理適正評価制度の有効期間は1年間ですが、マンション管理計画認定制度の有効期間は5年間です。

 

まとめ

●マンション管理適正評価制度が2022年4月にスタート
マンション管理適正評価制度は、一般社団法人マンション管理業協会が不動産関連団体と協力し、全国共通の評価基準に沿ってマンションが適正に管理されているかを評価する制度です。「管理体制」「建物・設備」「管理組合収支」「耐震診断関係」「生活関連」の5つのカテゴリー・合計30項目について6段階で評価。その管理評価はマンションの市場価値に反映することが期待されます。

●マンション管理組合が運営しやすくなるなどメリット多数
マンション管理適正評価制度で評価されると、マンション管理組合は適正管理を行う上で目標を設定しやすくなり、運営もしやすくなります。また、適正な管理状態を長期維持できる、市場の評価を期待できる、リセールバリューが向上するなどのメリットも見込めます。

●登録料が発生する
マンション管理適正評価制度に申請する場合は、システムに管理情報を登録し、データ蓄積や更新・サイト公開などを行うために、登録料5,500円(税込)と評価・申請手数料が発生します。

●地方公共団体が運営するマンション管理計画認定制度もある
マンション管理適正評価制度とマンション管理計画認定制度は、適正な管理推進を図るという目的は同じです。しかし、運営や制度の内容、審査項目、評価・判定、有効期限において違いがあります。

北章宅建では、都市部以外の賃貸アパート・戸建てを中心に管理業務を行なっております。
不動産管理でお悩みのことがあれば、お気軽にご相談ください。

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著者
マンション管理適正評価制度とは?メリット・デメリット、申請方法も

栗山店 佐々木 博明不動産オーナー様の大切な資産の管理と、入居者様の住環境維持に努めてまいります。些細なことでもお気軽にご相談ください。 どうぞ、よろしくお願い致します。

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