不動産管理コラム
不動産管理のこと2024.01.16
家賃滞納の督促はどう行う?手順や注意点、滞納防止対策を解説
こんにちは。イエステーション北章宅建 不動産管理部の佐々木です。
貸し出しているマンションやアパート、戸建てなどの物件がある不動産オーナー様にとって、入居者の家賃滞納はぜひとも避けたい問題です。
万が一、入居者が家賃を滞納した場合は、支払いの督促をしなくてはいけませんが、どのような手順で行えば良いかわからないという方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、家賃滞納が発生した際の督促の手順について解説。
督促状の作成方法や注意点、家賃滞納の防止策などもあわせてご紹介します。
家賃滞納が発生。督促の手順とは
入居者の家賃滞納が発生した際、督促をして家賃を支払ってもらう必要があります。
督促の手順は次のとおりです。
1.入居者に連絡をする
2.入居者に督促状を送付する
3.入居者に契約解除の催告書を内容証明郵便で送付する
4.連帯保証人に連絡する
5.法的な措置をとる
詳しく見ていきましょう。
①入居者に連絡をする
家賃が約束の期日までに支払われず滞納が発生したら、まずは入居者に家賃が未払いであることを連絡します。
その際は、電話やメール、SMS(ショートメールメッセージサービス)、手紙などの方法で連絡をしましょう。
入居者は家賃の支払いをうっかり忘れていたということも考えられるため、家賃が未払いであることを伝えるだけでOKです。
電話に出なかったり返信がなかったりした場合は、自宅へ直接訪問するのも良いでしょう。
②入居者に督促状を送付する
入居者と連絡がとれない状態が1週間以上続いた場合は、督促状を送付します。
書面で伝えることで、入居者に家賃未納の問題の大きさを理解してもらうことができます。
督促状には、家賃が未納であることや、至急振り込みをしてほしいことなどを記載しましょう。
督促状の作成方法は次のブロックで詳しく解説します。
③入居者に家賃支払いと契約解除の催告書を内容証明郵便で送付する
督促状を送付したにも関わらず、家賃滞納が1カ月以上続く場合は、催告書を内容証明郵便で送付します。
家賃振り込みの期日などを記載し、支払いが確認できない場合は連帯保証人へ連絡する旨や契約解除する旨などを記載します。
内容証明郵便とは、郵便局が「いつ、だれが、だれに、どのような内容の手紙を送ったか」を証明してくれる郵便です。
のちに法的措置が必要となった場合に証拠となるため、必ず内容証明郵便で送りましょう。
公的な書類として届くことで、問題の重大さを認識して支払ってくれるケースも少なくありません。
④連帯保証人に連絡する
催告書に記載した振り込み期日までに家賃が入金されなかった場合は、連帯保証人に連絡をします。
連帯保証人には、賃借人と同じように滞納家賃の支払いを求めることができます。
⑤法的な措置をとる
連帯保証人とも連絡がとれず、家賃滞納が3カ月以上続いた際は、家賃の取り立て裁判や明け渡しの強制執行などの法的措置をとることになります。
明け渡しの強制執行とは、法律上の手続きによって、家賃滞納している入居者を強制的に退去させる手続きです。
強制執行を行うには、まずは執行文付与の申し立てを行います。
申し立て書類を送付し、送達証明書を発行してもらいましょう。
判決が確定したら強制執行の申し立てをし、滞納者へ明け渡し催告を行なったあと、明け渡し強制執行が実行されます。
入居者の家賃回収のほかにも、アパート管理にはさまざまな業務が発生します。
詳しくは下記コラムでご紹介していますので、あわせてご覧ください。
アパートの管理業務の内容は?管理方法や資格についても確認
家賃滞納発生時の督促状の作成方法
督促状を送付する段階では、入居者が単に家賃の振り込みを忘れているだけの可能性があります。
そのため、督促状を記載する際は、入居者に支払いのプレッシャーを与えるものではなく、その後の関係性が崩れないよう物腰のやわらかい文章で書くよう注意してくださいね。
督促状には次の内容を記載します。
- 家賃の入金が確認できていない旨
- 物件名・部屋番号
- 未納賃料
- 振込先
例えば、次のような内容を送ると良いでしょう。
<督促状の文例>
○○○○様
家賃お支払についてのご連絡
いつもお世話になっております。
○○様がご入居中の○○マンション○○○号室の家賃のお支払についてのご連絡です。
現在、下記のとおり入金の確認ができておりません。
毎月賃料を口座振替で納めていただいておりますが、今回〇月分賃料が引落されませんでした。
大変お手数ではございますが、内容をご確認の上、下記振込先へご入金ください。
なお、本状と行き違いで既にご入金いただいておりましたら、ご容赦ください。
物件名:○○○マンション ○○○号室
未納賃料:○月分賃料○○万円
【振込先】
○○銀行○○支店
普通口座:○○○○○○
口座名義:○○○○○○
家賃滞納の督促で注意すること
家賃滞納の督促を行う際は、次のことに注意しましょう。
注意点①早朝や深夜の連絡は避ける
家賃の入金が未納であることを伝える最初の連絡の際は、日中に連絡をしましょう。
早朝や深夜の連絡は迷惑になってしまうことがあります。
注意点②何度も訪問しない
一日に何度も訪問するのは、相手にプレッシャーや不快感を与えることにつながり、家賃滞納を早期に解決するのが困難になってしまうことも。
複数回の訪問は控えましょう。
注意点③本人のみに通知する
入居者と連絡がとれないからといって、職場や学校に連絡するのはNG。
家賃滞納については入居者本人のみに伝えましょう。
注意点④感情的にならない
家賃滞納が発生しても、相手を威圧したり脅迫したりしてはいけません。
場合によっては、入居者に訴えられてしまう可能性があります。
入居者と連絡をとる際は、毅然とした態度で対応することが大切です。
家賃滞納を防ぐためにできること
入居者の家賃滞納は未然に防ぐことができます。
ポイントは次の4点です。
- 管理会社を利用する
- 入居審査の基準を高める
- 家賃の支払いを口座引き落としにする
- 日頃から入居者とコミュニケーションをとる
マンション・アパートの管理は、管理のプロである不動産管理会社に委託できます。
管理会社に委託すれば、家賃滞納をはじめとした、クレームやトラブルにも的確に対応してくれるので安心です。
また、入居時の審査の基準を高めることも、家賃滞納を防ぐためには有効です。
収入が安定しているなど、安定的に家賃を支払えるかどうかを、厳しくチェックすることが大切ですよ。
家賃を振り込みではなく、口座引き落としに設定するのもおすすめです。
そうすることで、入居者の振り込み忘れによる家賃滞納を防止できます。
引き落とし先の口座は、入居者の給与振り込み口座にしてもらえると、より安心でしょう。
そして、日頃から入居者と顔をあわせてコミュニケーションをとることも大切です。
入居者と良好な関係を築いておくことで、家賃滞納が発生しにくくなります。
まとめ
●家賃滞納が発生したら督促をする
入居者の家賃滞納が発生した際、督促をして家賃を支払ってもらう必要があります。督促の手順は、①入居者に連絡をする、②入居者に督促状を送付する、③入居者に契約解除の催告書を内容証明郵便で送付する、④連帯保証人に連絡する、⑤法的な措置をとる、という流れです。
●督促状は物腰のやわらかい文章で書く
督促状には、「家賃の入金が確認できていない旨」「物件名・部屋番号」「未納賃料」「振込先」などを記載します。入居者が単に家賃の振り込みを忘れているだけの可能性があるため、督促状を記載する際は、その後の関係性が崩れないよう物腰のやわらかい文章で書くよう注意しましょう。
●家賃滞納の督促をする際の注意点
家賃滞納の督促を行う際は、「早朝や深夜の連絡は避ける」「何度も訪問しない」「本人のみに通知する」「感情的にならない」といった点に注意を。特に、入居者と連絡をとる際は、毅然とした態度で対応することが大切です。相手を威圧したり脅迫したりすると、場合によっては、入居者に訴えられてしまう可能性があります。
●家賃滞納を未然に防ぐポイント
入居者の家賃滞納を未然に防ぐには、管理会社を利用するのがおすすめです。また、入居審査の基準を高めたり、家賃の支払いを口座引き落としにしたりするのも有効でしょう。日頃から入居者とコミュニケーションをとることも、入居者の家賃滞納を防ぐには大切です。
北章宅建では、都市部以外の賃貸アパート・戸建てを中心に不動産管理を行なっております。
入居者の家賃滞納など不動産管理のことでお悩みがあれば、お気軽にご相談ください。
著者
栗山店 佐々木 博明不動産オーナー様の大切な資産の管理と、入居者様の住環境維持に努めてまいります。些細なことでもお気軽にご相談ください。 どうぞ、よろしくお願い致します。
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