マンションのこと2021.07.13
売れないマンションの特徴と売却を成功させるコツを解説〜その2
少子高齢化の影響で、地方では売れないマンションが急増しています。
前回の記事では、なかなか売れないマンションには、「立地が悪い」「新耐震基準を満たしていない」「管理状態が悪い」といった特徴があることをお伝えしました。今回は、そうしたマンションでも売却を成功させるためには、どのような対策を立てれば良いのかを解説していきます。
マンションをスムーズに売却するための対策
売れにくい地方のマンションは、どうすれば売れるようになるのか、対策を考えてみましょう。
住人の総意で修繕工事を実施する
物件の老朽化が目立つ物件であれば、まずは修繕工事が行うことが挙げられます。
しかし修繕工事は個人の判断でできるものではありません。住人同士で話し合いの場を持ち、物件の魅力を上げるためにどのような修繕工事が必要かを検討して、管理組合に修繕工事を依頼する必要があります。
工事が必要な箇所や内容のほか、依頼する工事業者も、みんなが納得するところを選びましょう。
リフォームやリノベーションで部屋の魅力を高める
築年数が経ったマンションは、間取りや設備がどうしても時代遅れになっていて使いにくいもの。購入者が懸念するポイントでもあります。
古さをカバーする対策として、部屋のリフォームを検討してみましょう。劣化が気になる床やクロスの張り替え、キッチンやお風呂などの水回りを交換すると、かなり印象が変わります。
また、和室を洋室に変える、細かい部屋の仕切りを取り払って間取りを変更するなど、大胆にリノベーションすれば、まるで新築のような部屋に生まれ変わらせることができます。
費用はかかりますが、建物の外観と違い、部屋の内装や設備であれば個人の意思で新築に近い状態にできるのです。
不要な設備・施設をカットして管理費を下げる
管理費が高いマンションは、立派な共有施設を備えているケースが多いものです。管理費がかさむ施設には、例えばキッズルームやプール、ジムなどがありますが、住人が年齢を重ねるごとに使われなくなっていきます。
現在ほとんど利用されていない場合は、不要な管理費を払い続けているだけとも言えます。無理に維持せず、撤去することを管理組合に相談してみましょう。
撤去によって管理費を減らすことができれば、新しい住人にとっても大きなメリットとなります。
修繕計画を見直して維持費を下げる
築古マンションは修繕積立金の大きさがネックになりやすいため、この負担を軽減できないか働きかけることも大切です。
修繕積立金の額は長期の修繕計画に基づいて決めらますが、中には管理組合で緻密な計算を行わずに決められていることもあり、なんとなく払い続けている、というケースもあります。工事費が高い業者に依頼していれば、当然、修繕積立金も高くなります。
相見積りを取って工事費が適正な業者に依頼する、修繕計画を見直して必要以上の修繕は見送るなど、毎月の修繕積立金を少しでも減らせる対策を講じてみましょう。
管理費と修繕費は毎月必ずかかるコストです。負担が少しでも軽くなれば、買い手も見つかりやすくなります。
スケルトン状態にしてから売る
個人でできる対策には、家をスケルトン状態にしてから売りに出すことも挙げられます。
売る側には数百万円の費用がかかりますが、買い手にとっては、新築よりも安く理想の間取りやインテリアを実現できる点が、大きな魅力になるでしょう。売りやすさは大幅に上がるはずです。
最初からスケルトンにするのではなく、買主のリフォーム代を売主が負担するという条件での売却も、同じように買主のメリットが大きいため検討してみましょう。
不動産会社と二人三脚で行う売却対策
マンションの住人同士で力を合わせるにしても、個人の働きかけや意思でできる対策には、やはり限界があります。
不動産会社は不動産売却のプロです。信頼できる不動産会社に協力してもらうことも、スムーズな売却活動には重要です。
複数の不動産会社に査定を依頼する
不動産会社にマンション売却を申し込む時は、まず複数の会社に価格査定を依頼するのが一般的です。その中から、マンション売却のノウハウが豊富な不動産会社を選びます。
提示される査定額は会社によって幅があります。売主からすれば、最も高い査定額を提示した会社を選びたくなるものですが、そこは注意が必要。やたらと「高値で売ること」を強調する不動産会社は、自社と専任媒介契約を結んでもらおうと考えている可能性が高いからです。
スムーズに売却するためには、相場に合わせた「売れる価格設定」が重要です。相場とかけ離れていると売却期間が無駄に過ぎていく上、いざ売却を任せると「この金額では売れないので」と、大幅な値下げを提案してくることもあります。
査定価格の根拠をしっかり示してもらい、売却に強い不動産会社や、信頼できる担当者がいる不動産会社を選ぶようにしましょう。
エリアに強い不動産会社を選ぶ
不動産会社によっては、エリアにも得意不得意があります。その点、売却物件のあるエリアで長年営業していて、かつ売却実績も多い不動産会社であれば信頼度は高いはず。
エリアに精通している分、得意先も多く、周辺地域の魅力をしっかりと購入希望者に伝えてくれることも期待できます。
価格設定を見直す
売り出しても問い合わせすら全くないという場合、価格設定が高すぎる可能性があります。
当然ながら相場と同等、または少し安い方が売れやすいため、まずは適正価格に見直しましょう。そうすれば問い合わせや内覧など、物件への反応はある程度増やすことができます。
内覧者は来ているのになかなか購入まで至らない場合、原因は部屋が汚れているなど、物件の見せ方や内覧の対応に問題があるケースが多いものです。掃除や整理整頓をしておくのはもちろん、リフォームやリノベーションも検討してみましょう。
物件が売れない原因を客観的に分析し、不動産会社と相談しながら必要な対策を取ることが大切です。
長期間売れない場合は買取を依頼
できる限りの対策をしても一向に売れる気配がない時は、不動産会社に買取を依頼する方法もあります。
不動産会社なら、築古物件を購入しても再生する手段を熟知しています。買取を利用すると、売却価格は相場の7〜8割程度になってしまいますが、売れにくい物件でもすぐに現金化できるのは大きなメリットです。
売却活動に難しさや限界を感じたり、新居を購入するために売却を急ぐ場合などは、不動産会社による買取が適しているでしょう。買取なら内覧対応も一度だけで済み、忙しい人や遠方の物件売却にも向いています。査定額に納得できれば、大抵は1~2週間程度で契約、決済までが完了します。
まとめ
売れにくいマンションには、築年数が古い、立地が悪いといった「売れない理由」があります。また、古い物件では管理費や修繕積立金などの維持費も高いことが多いため、ランニングコストの高さからも敬遠されがちです。
売却対策としては、リフォームやリノベーションのように個人の判断でできるものと、修繕工事を管理組合に依頼したり、維持費を減らす方法を提案するなど、マンションの住人同士が協力しあって取り組む方法があります。
いずれにしても、マンションの売却には不動産会社の協力が不可欠です。地元に強く、信頼できる不動産会社を選んで売却活動を進めましょう。手間をかけずにできるだけ早く現金化したい場合は、不動産会社に買取を依頼するのも手です。
北章宅建でも、マンション売却に関するご相談に対応しています。築年数が古い、地方にあるなど、売却に不安のある方も、まずはお気軽にご相談ください。