不動産売却のコツ2025.10.02

築40年の一戸建ては売れない?スムーズに売却するポイントをご紹介

こんにちは。イエステーション北章宅建 美唄店の小河です。

「築40年の一戸建てを相続したけれど、売却できるのだろうか?」
「築40年だと売れないと聞いたが、どうすれば良いのかわからない」

このような不安を抱えていませんか?

実際、築年数が古い家は建物の価値が低く、買い手が付きにくいのが現実です。
しかし、適切な売却方法と事前準備を行えば、築40年の家でも売却は十分可能です。

今回のコラムでは、築40年の一戸建てが「売れにくい」といわれる理由を踏まえた上で、具体的な売却方法、注意点、高く・早く売るためのポイントまでわかりやすく解説します。
築40年の一戸建て

 

築40年の一戸建てが「売れない」といわれる理由

築40年の一戸建ては、市場での価値が低く見られやすいため、買い手がつきにくい傾向があります。

「売れない」といわれる理由を4つご紹介します。

 

理由① 建物の価値がゼロと評価されやすい

木造住宅の法定耐用年数は、国税庁の定めによって22年とされています。
築40年の建物はすでにその期間を大きく超えているため、税務上の評価額はゼロと見なされるケースが多くなります。

その結果、買い手にとっては「建物に価値がない=土地だけの価格で検討する」傾向となり、購入対象に入りにくくなるのです。

築年数と売却価格の関係について詳しく知りたい方は、下記のコラムもあわせてご覧ください。
家の売却額相場と築年数の関係は?築年数別の特徴や例外も解説
家の耐用年数は何年くらい?価値は耐用年数で決まるのか〜その1

 

理由② 「すぐ住めないかもしれない」という不安がある

築年数が古い住宅は、「そのまま住めるのか」という点が大きな懸念になります。

例えば、築40年の家では以下のような不安を持たれがちです。

  • 建て替えが必要なのでは?
  • 大規模なリフォームをしないと住めないのでは?
  • 建物が傷んでいて、すぐに暮らせないのでは?

居住可能な状態にするまでに、手間、費用、時間がかかる可能性がある点が、購入をためらわせる要因になります。

 

理由③ 旧耐震基準で建てられている可能性がある

築40年ということは、1981年(昭和56年)以前に建てられている可能性があります。
この時期の建物は「旧耐震基準」で建てられていることが多く、耐震性能に不安を感じる人も少なくありません。

「大きな地震に耐えられないのでは?」と懸念し、耐震診断や補強工事がされていない物件では、「安全面が不安」という理由で購入を敬遠されやすくなります。

 

理由④ 住宅ローンが組みにくい

築40年の家は、建物の担保評価が低くなりやすいため、金融機関の住宅ローン審査が厳しくなる傾向があります。

ローンが通りにくいということは、自己資金での購入が必要になることも多く、買い手の選択肢が限られてしまいます。

結果として、購入希望者の母数がさらに限られ、「売れにくい」という評価につながるのです。

 

売れないといわれる築40年の一戸建てを売却する方法は?

築40年の一戸建てを売却する方法としては、「そのままの状態で売る」か、「建物の価値を少しでも高めて売る」かの2パターンに分けられます。

 

① そのままの状態で売る

まず、この方法は 「なるべく早く売り出したい」「売却に費用をかけたくない」「相続などでとにかく処分したい」 という方に適した方法です。

リフォームや解体といった手間をかけずに売り出せるため、準備期間を短くして早く市場に出せるというメリットがあります。

選択肢としては、主に下記の2つです。

 

仲介で「古家付き土地」として売る

建物を解体せず、そのまま土地付きの状態で売却する方法です。

建物に古民家の雰囲気がある、リノベーションを楽しみたい買い手層に需要があり、成約に結びつきやすいケースもあります。

 

不動産買取を利用する

仲介で買い手を探すのではなく、不動産会社に直接買い取ってもらう方法です。

価格は仲介で売るより低くなる傾向がありますが、短期間で現金化できるのが最大のメリット。
内覧対応などの手間もかからず、早期売却を優先したい方におすすめです。

不動産買取のメリットは「不動産の売却方法、仲介と買取の違いや特徴とは?」で詳しく解説しています。

 

② 物件の価値を少しでも高めて売る

こちらは、「なるべく高く売りたい」「早く買い手を見つけたい」「売却までのスケジュールにある程度余裕がある」 という方に向いている方法です。

選択肢としては、主に下記の2つがあります。

 

リフォームして売却する

水回り設備の交換や壁紙の張り替えといった軽微なリフォームを行い、物件の印象を改善して売却する方法です。

大規模なリノベーションは費用回収が難しいため、最低限の補修にとどめるのが現実的です。

リフォームによって買い手の不安を減らせれば、販売価格の下落を抑えたり、成約スピードを早めたりできる可能性があります。

 

更地にして売却する

建物を解体して更地にし、新築用地として売却する方法です。
特に立地が良い場合は、新築需要が高まり、売れやすくなるケースもあります。

買い手は土地を購入後、すぐに建築に取り掛かれるため、築古のままより購入意欲が高まりやすいでしょう。

ただし、解体費用や固定資産税の増加などのコストが発生するため、「本当に解体して良いか」という点を不動産会社などプロの客観的な意見を交え、慎重に検討しましょう。

解体費用や解体のデメリットについては「空き家の解体費用はどれくらい?更地にせずに売る方法はある?」で解説しています。

なお、所有物件が築50年に近い場合は、こちらのコラムもぜひあわせてご参照ください。
築50年の物件の価値について、スムーズに売るための方法などを解説しています。
築50年超えの古い家は売れる?少しでも高く売るためのコツを解説〜その1
築50年超えの古い家は売れる?少しでも高く売るためのコツを解説〜その2

 

築40年の一戸建てを売却するときの具体的な準備と注意点

築40年の一戸建ての売却手続きをスムーズに進めるには、あらかじめ必要な情報を整理し、買い手からの質問や交渉に先回りして対応できる状態を整えておくことが大切です。

どんな準備が必要か、また、どんな点に気を付ける必要があるかご紹介します。

 

売却をスムーズに進めるためにやっておきたい事前準備

まず、事前準備として次の3つを進めておきましょう。

 

① 境界や登記情報を整理しておく

築40年ともなると、土地の境界が曖昧になっていたり、登記情報と実際の状態にズレがあったりするケースも珍しくありません。

販売活動中や契約直前にこうした問題が見つかると、対応に時間を取られ、売却スケジュールが遅れる原因になります。

売り出す前に土地家屋調査士に依頼して境界確定測量を行い、登記情報を整理しておきましょう。

 

② 建物と設備の状態を把握しておく

建物付きで売る場合は、建物本体だけでなく、キッチン・給湯・排水設備といった付帯設備の不具合も事前に把握しておくことが大切です。

更地にして売る場合でも、地中障害物や残置物の有無など、土地の現況を確認しておくことで、解体時や引き渡し時のトラブルを防げます。

売却前に状態を把握しておけば、販売活動中に「調べてください」と言われて慌てるような事態を避けられます。

 

③ インスペクション(住宅診断)を受けておく

築40年の物件では、買い手が建物の老朽化や欠陥を気にするのは自然なことです。

売り主が事前にインスペクションを実施し、建物の現状を客観的に示せれば、買い手の不安を先回りして解消できます。
販売活動の信頼性が高まり、交渉もスムーズになりやすいでしょう。

 

価格交渉・不動産会社選びで後悔しないための注意点

続いて、以下の点にもご注意ください。

 

① 費用の事前見積もりを取っておく

リフォーム・解体・測量・インスペクションなどに必要な費用感を把握していないと、交渉の主導権を買い手に握られる可能性があります。

あらかじめ費用の根拠を持っておくことで、値引き交渉にも冷静に対応できるでしょう。

 

② 築古・土地活用に強い会社を選ぶ

築40年の物件は「建物の魅力」で勝負するのではなく、「土地の立地や活用価値(活用可能性)」を軸にした販売戦略が求められます。

古家付き土地としての活用提案に強い不動産会社や、築古物件の取り扱いに慣れた実績豊富な不動産会社を選ぶことで、売却がスムーズに進む可能性が高まります。

 

築40年の一戸建てを少しでも高く・早く売るためのポイント

ポイント
築40年の一戸建てでも、工夫次第で売却条件を改善できる可能性があります。
少しでも高く・早く売るための4つのポイントをご紹介します。

 

① 売却目的を明確にする

「価格を重視するのか」「スピードを重視するのか」を明確にすることが、売却成功への第一歩です。

高く売りたいなら仲介でじっくり買い手を探す、早く売りたいなら不動産買取を検討するなど、目的によって最適な手段が変わります。
あらかじめ方針を定めておくことで、ブレのない売却活動が可能になるでしょう。

 

② 複数の不動産会社に査定を依頼する

築古物件は、不動産会社ごとの評価や販売戦略の違いが出やすい傾向があります。

複数社に査定を依頼し、評価価格や提案内容、担当者の対応力を比較することで、より有利な条件を引き出しやすくなります。

査定額だけでなく、実績や担当者との相性も判断材料にしましょう。

 

③ 物件の印象をよくする工夫をする

高額なリフォームを行わなくても、簡単な手入れで印象を大きく改善できます。

不用品の処分や清掃、外観の整備、照明の調整などで「この家ならすぐ住めそう」というイメージを与えることができれば、成約率が上がり、価格交渉も有利になります。

 

④ 周辺環境の情報を活用する

築年数が古くても、立地次第で価格が伸びる可能性があります。

周辺の再開発情報や用途地域の変更を確認し、土地としての付加価値を把握しておくと、交渉材料として有効です。
国土交通省の都市計画情報などで確認できる場合もあります。

立地特性を生かせば、売却価格の向上も期待できます。

 

まとめ

●築40年の一戸建ては市場価値が低く見られやすく、購入希望者が限られる傾向がある
築40年の物件は、耐用年数の超過・旧耐震基準で建てられている可能性・住宅ローンの組みにくさなどの要因により、購入希望者が限られやすい傾向があります。

●築40年の一戸建ては売れないわけでなく、物件の状態や目的に応じて売却方法を選ぼう
築40年の一戸建ては、「 古家付き土地として売る」「更地にする」「不動産買取を利用する」など、状況に合った方法を選ぶことで希望の売却内容を目指せます。

●築40年の一戸建ての売却をする際は、事前準備で売却手続きをスムーズに進めよう
境界確定やインスペクション、設備の状態確認を事前に済ませることで、販売活動中のトラブルや交渉の遅れを防げます。

●築40年の一戸建ての売却は、戦略を立てて売却条件を少しでも有利に
売却目的の明確化、複数社査定、印象改善、立地特性の活用など、ちょっとした工夫で価格やスピードは大きく変わります。
築40年の一戸建てでも正しい手順と情報を押さえ、戦略を立てれば、納得のいく売却は十分可能です。

北章宅建は、不動産に関するご相談を全て無料で対応しています。
空き家に関する相談や無料査定、相続問題など、どんなことでもお気軽にご相談ください。

 

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著者
築40年の一戸建ては売れない?スムーズに売却するポイントをご紹介

美唄店 小河 利也北章宅建は、地域に根ざした不動産会社として、不動産売買に関わる様々な手続きをお手伝いしています。地元の街にある身近でお気軽に来店できる相談先として、これからも皆様のそばで全力サポートをさせてください。 皆様の声に耳を傾け、住まいのお悩みを解決に導く、ベストアンサーをご用意してお待ちしております。

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