不動産売却のコツ2025.02.05

袋小路の土地は売れない?理由や売却するためのポイントを解説

こんにちは。イエステーション北章宅建 石狩店の古木です。

「相続した土地が袋小路にあって、売却を迷っている…」
「袋小路は売れないと聞いたことがあるけど、本当だろうか?」
このように、袋小路の土地の売却について不安を感じていらっしゃる方は多いのではないでしょうか。

結論から先にいいますと、袋小路の土地は立地や利用の制約があるため、通常の土地に比べると売れにくく、価格も下がりやすい傾向があります。

しかし、売れないと決めつける必要はなく、適切な手順を踏めば売却は可能です。

今回は、袋小路の土地が売れないといわれる理由と、スムーズに売却するためのポイントを解説します。
袋小路の土地を売る際に役立つ、不動産会社選びのポイントもご紹介しますので、ぜひご参考にしてください。

袋小路

 

袋小路の土地は売れない?その理由とは

袋小路とは、道路の行き止まりにあって通り抜けができない土地のことを指します。

袋小路の土地は売却が不可能ではありませんが、通常の土地と比べて売却価格が3〜5割程度下がる傾向があるといわれています。

このような価格の低下が起こる理由について、詳しく見ていきましょう。

 

理由1|建物の建て替えができないことがある

袋小路の土地は、建築基準法の規定により、建物の建て替えができない場合があります。

例えば、建物を新たに建てるには「接道義務」が定められており、条件を満たす必要があります。

  • 敷地が幅員4m以上の道路(建築基準法上の道路)に接していること
  • 道路に接している敷地部分(間口)が2m以上あること

しかし、袋小路の土地はその立地ゆえに、上記の基準を満たしていないケースがあります。

基準を満たしていない場合、その土地は「再建築不可物件」となります。
現在建っている建物はそのまま使用できても、解体して新築したり、建て替え・大規模なリフォームなどができなくなってしまったりするのです。

生涯にわたって住み続けることを考える購入者にとって、不安要素となるでしょう。

再建築不可物件については「再建築不可物件でも売却できる?売却する際のポイントをご紹介」で詳しくお伝えしています。

 

理由2|私道の場合は利用に制約がある

袋小路の土地に接する道路は、個人が所有する私道であるケースが多いです。

国や自治体が管理する「公道」とは異なり、私道を利用するには、所有者からの許可が必要になったり、管理・整備の負担を負う必要があったりします。

私道の管理者によっては、通行に制限を設けたり、通行料を求めたりする場合も。

例えば、ガスや水道の引き込み工事も制限されることがあります。

土地の使い勝手の悪さをイメージして、「購入は避けたい」と感じる買い手もいるでしょう。

私道について詳しくは「私道を相続した。問題点や注意点が知りたい」で解説していますので、ぜひあわせてご覧ください。

 

理由3|緊急時の対応に不安がある

災害時の避難や救助活動に課題があることも、袋小路の土地の売却を難しくする要因です。
例えば、火災や地震が起きた際に道路が塞がれてしまうと、避難経路が断たれてしまう危険性があります。

また、救急車や消防車がスムーズに進入できない場合、緊急時の対応が遅れることも考えられます。

特に小さな子どもやお年寄りがいる家族にとって、この点は大きな不安要素となり得ます。

 

理由4|自動車の利用に制限がある

袋小路は車を切り返す(方向転換する)スペースが狭いため、バックで進入しなければならないことがよくあります。

そのため、敷地内で車の切り返しをされてしまう可能性があるでしょう。

さらに、道幅が狭い場合、宅配便の車が一時停車しただけでも通行ができなくなることも。
車で通勤する方や、車の利用頻度が高い方にとっては、不便に感じることが多いでしょう。

リフォームなどで工事車両が入る場合、道が狭いので、重機が入れないことがあります。
その場合、人手による作業が増え、その分人件費がかさみ、結果的に工事費用が高くなる可能性もあります。

 

理由5|近隣との距離感が保ちにくい

袋小路は車の通り抜けがないため、住民同士の交流が密接になりやすい環境です。

特に道路が狭く、人通りが少ないと、近所の方々が家の前で立ち話をすることが多くなり、プライバシーを確保しにくくなることがあります。

例えば、立ち話をしている近所の人たちに家の中の様子が見えてしまうことも。
買い主(購入希望者)によっては、「人の目が気になる」「立ち話で道がふさがれてしまうのでは?」と不安を感じるかもしれません。

袋小路に限らず、土地には「高く売れる」「売れない」といった特徴があります。
対策も含め、詳しくは「高く売れる土地と売れない土地の違いとは?売れない時の対策も紹介」で解説していますので、ぜひあわせてご覧ください。

 

袋小路の土地を売るには?成功のポイントをご紹介

袋小路の土地をスムーズに売却するには、どのような工夫が必要なのでしょうか?
成功のポイントをご紹介します。

 

方法1|隣地とあわせて「再建築可能」にする

建て替えができない土地の場合、「隣接する土地を取得して接道義務を満たす=再建築可能にする」という方法があります。

再建築が可能となれば、土地の価値は大きく向上し、新築希望の買い主にも購入者層を広げられるでしょう。

ただし、この方法は以下の点に注意が必要です。

  • 隣地所有者の協力(合意)が必要である
  • 購入資金の確保が必要である
  • 交渉に時間がかかる可能性がある
  • 土地が広くなりすぎて、かえって売れにくくなる可能性もある

条件は厳しいものの、使いやすい土地に整えて売り出せば、立地の良さと相まって高額売却も期待できるでしょう。

 

方法2|隣地所有者への売却を検討する

隣地を購入するのではなく、隣地所有者に売るという方法もあります。

一般の買い手と違い、すでに隣地が接道義務を満たしていれば、隣地所有者にとっては、土地が広がるメリットが大きいため、購入を検討しやすくなります。

隣地所有者が将来的な建物の増築や土地利用を考える場合は、一般の買い手よりも高く買い取ってくれる可能性も。

直接交渉はトラブルにつながる可能性があるため、不動産会社を通じて購入の相談をするのがおすすめです。

 

方法3|現状の建物の価値を高める

「再建築可能」にするのではなく、現状の建物の耐震補強をするなど、家の価値を向上させる工夫も効果的です。

建物の安全性を高めることで、購入検討者の不安を軽減することができます。
また、「この家なら、すぐに住めそうだ」と買い手に印象付けられるように、修繕や軽微なリフォームをしてから売り出すのも良い方法です。

ただし、リフォームが必ずしも売却価格に反映されるとは限りません。
どの部分を修繕・改善するかは、不動産会社のアドバイスを参考に慎重に検討しましょう。

 

袋小路の土地を売るための不動産会社選び

選び方

袋小路の土地を売るためには、不動産会社選びも重要です。
次のポイントに注意して、信頼できる不動産会社を選定しましょう。

 

ポイント1|地域に精通した会社を選ぶ

物件がある地域での、土地の取引実績が豊富な不動産会社を選びましょう。

地域に詳しい会社は、以下のような強みを持っているからです。

  • 周辺の取引相場を熟知している
  • 地域特有の商習慣や市場動向を把握している
  • 地元の購入希望者とのネットワークがある
  • 袋小路のデメリットを補う地域の利点を知っている

特に、袋小路や再建築不可物件を扱ったことがある不動産会社だと心強いですね。

土地や物件のメリット・デメリットを理解し、豊富な知識と経験を生かして販売活動を進めてくれるでしょう。

 

ポイント2|複数社の査定を比較する

複数の不動産会社に査定を依頼することも重要です。
査定結果(金額や査定の根拠など)を比較して、より正確な物件の価値を把握し、適正な売り出し価格を設定しやすくなるからです。

また、査定の際は、以下の点もチェックしましょう。

  • 査定価格の根拠説明が明確か
  • 担当者の対応は丁寧か
  • 具体的な販売戦略の提案があるか

担当者が親身に対応してくれるかどうかも、信頼できる不動産会社を選ぶポイントです。

 

ポイント3|早期売却を希望する場合は買取も検討しよう

価格よりも売却スピードを重視する場合は、不動産会社に直接売却する「不動産買取」も検討してみましょう。

仲介での売却価格よりも買取価格は低くなることが多いものの、売却までの期間が短く、確実な売却が期待できます。

不動産買取だと現状のまま売却できるため、手間を掛けたくない方にはおすすめの方法です。

 

まとめ

●袋小路の土地が売れない・売却が難しいとされる理由はさまざま
袋小路の土地は、建物の建て替えができない可能性があることや、私道利用の制限、緊急時の避難の不安、車の出し入れの困難さ、近隣との距離感など、さまざまな理由から売却が難しいとされています。

●袋小路の土地は状況に合わせた売却方法を選択することが重要
隣地所有者との交渉により、隣接する土地を取得して接道義務を満たし「再建築可能」にする方法や、建物の耐震補強による価値向上など、物件の状況に応じて適切な売却方法を選択することで、より良い条件での売却できる可能性が高くなります。

●袋小路の土地の売却を成功するには、信頼できる不動産会社選びがカギ
地域に精通し、土地取引の実績が豊富な不動産会社を選ぶことが重要です。
複数の不動産会社から査定を依頼し、対応や提案内容を比較検討することで、スムーズな売却につながります。

北章宅建は、不動産に関するご相談を全て無料で対応しています。
空き家に関する相談や無料査定、相続問題など、どんなことでもお気軽にご相談ください。

 

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著者
袋小路の土地は売れない?理由や売却するためのポイントを解説

石狩店 古木 篤広過去の経験や知識を活かして、お客様のお悩みや不安を解消する、最善と思われるご提案をさせていただきます。 お住替えや不動産売却などのお取引を通じて皆様のお役に立てるよう頑張ります。 不動産に関するご相談お待ちしております。

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