不動産売却のコツ2021.12.02
生産緑地内の土地は売ることはできる?
生産緑地は、生産緑地法を満たした土地が受けることができる制度になります。
生産緑地として指定されると、一定の条件はあるものの税制メリットも大きく、土地の活用の仕方次第では魅力的なポイントです。
このような生産緑地の土地を、売却したい場合はどのようにしたら良いのか?
今回は、生産緑地内の土地を売却する方法をご紹介します。
生産緑地内の土地を売却する方法
生産緑地内の土地を売却するには、いくつかの方法があります。
生産緑地に指定された土地は、通常の不動産を売却するように自由に判断することはできません。
注意点も踏まえて、売却の方法を覚えておきましょう。
①生産緑地の指定を解除して売却
②農業委員会で農地転用の許可を得て売却
③地目変更登記をして売却
①生産緑地の指定を解除して売却
生産緑地内のままでは、売却をすることができません。
生産緑地で税制メリットを受けるには、一定の条件があり30年間売却や用途変更ができない決まりとなっています。
そのため、生産緑地内の土地を売却するには、市町村の農業委員会に生産緑地の指定解除の申請を出すことが必要です。
申請を出して指定解除されるには、下記の条件があります。
・生産緑地に指定されてから30年が経過
・病気や体調の都合により、農業に従事することができない
・所有者本人が死亡し、相続人が農業を行わない
この3つの条件を満たしていると、市町村に買い取りの申し出をすることができます。
そして、行政や買取業者から買い手が出てこない場合は、生産緑地の指定が解除される流れとなっています。
②農業委員会で農地転用の許可を得て売却
農業委員会にて、農地転用の許可をもらい変更手続きが必要です。
農地のままでは、所有権を第三者へ移転することができません。
また、平米数や土地の形状など、開発許可を得る必要もあります。
③地目変更登記をして売却
法務局へ、農地転用の許可証を添付して、地目を「雑種地」または「宅地」に変更できれば、土地を売却することができます。
生産緑地内の土地を売却する時の注意点
生産緑地内の土地を売却する時には、いくつかのよくある注意点があります。
売却する時以外にも、売却した後の注意すべきポイントもあるのでよく覚えておきましょう。
①相続税納税猶予・免許措置がされているか確認
②生産緑地から外れると固定資産税が高くなる
③生産緑地の指定解除をした場合、もう一度生産緑地に戻すことはできない
④売却で利益が出た場合には譲渡税の申請をする必要がある
相続税納税猶予がされている場合には、相続税と利子税を支払うことになります。
一定の要件を満たしている場合には、免除されるケースもありますので、早めに税務署に相談しておくと良いでしょう。
さらに、一度生産緑地から指定解除をすると、その後生産緑地に戻すことはできません。
よく考えて、後々の問題にならないよう注意しましょう。
生産緑地内の土地を売却する方法の家族信託とは
生産緑地の売却までは、指定解除までの過程もあり長期間かかるものです。
そのため高齢者の場合にあり得るのが、所有者が手続き中に認知症になってしまう・・・、意思能力が低下して判断が難しい、亡くなってしまうことも考えられます。
そんな時の解決方法として、家族信託が有効的です。
家族信託をしておくことで、万が一の時に受託者である親族が管理することができます。
生産緑地の土地売却は長期戦になる
生産緑地内の土地を売却できるようになるまでは、さまざまな手続きがあることと、その過程も長期間に渡るケースもあります。
生産緑地の土地を売却する方法は、主に下記の3つです。
①生産緑地の指定を解除して売却
②農業委員会で農地転用の許可を得て売却
③地目変更登記をして売却
そして、指定解除ができたからといってすぐに売却が完了できるとは限りません。
農地であることから、面積も広いものが多く、買い手が見つかるまでも時間を要することでしょう。
生産緑地内の土地を売却するための注意点や、万が一に備えた対策も含めて知識を身に着けておくと安心です。