不動産売却のコツ2022.02.03
地盤の弱い土地の売却。どんな点に気を付けるべき?
土地を購入した買主は、建物を建てるのが楽しみで夢が膨らんでいることでしょう。
しかし、実際に建設が始まり地盤調査をしてみたら、地盤の改良が必要なほど軟弱だったという事例もあるようです。
買主が地盤の弱さについて事前に認識していれば問題ありませんが、想定外だった場合はトラブルにも繋がりかねません。
今回は、地盤の強弱をめぐる土地売買のトラブルを避けるため、売主として注意すべき点についてご紹介します。
地盤が弱い土地の売買、売主の責任負担は
土地を売却する前に地盤調査を行わなくてはならないという法律はありません。ですが、売却した土地のトラブルは売主が責任を負うこととなります。
なぜなら、売主は契約の目的を達成できるような状態で土地を売却しなければならないためです。仮に軟弱な地盤だった場合、買主が建物を建てる予定だったならば目的を達成することができません。
売買対象が更地の場合、今までは買主側で建築前に地盤調査を行うのが一般的でしたが、トラブル回避のため売主が売却前に調査する流れに変化しつつあります。
その理由として「契約不適合責任」が挙げられます。
契約不適合責任とは
契約不適合責任とは、2020年4月1日の民法改正によって瑕疵担保責任が変化したものです。
旧民法では、「売買の目的物に隠れた瑕疵※があったとき」に売主は担保責任を負うものとされていました。ところが新民法の「瑕疵担保責任」では、隠れた瑕疵に限定されなくなりました。
※瑕疵(かし)…法律上の欠点や欠陥
そのため、買主が建物を建築できる土地を望んでいた場合、地盤が軟弱で建築できない土地だと判断されると、目的を達成できないという理由で売主が契約不適合責任を負うことになります。
土地の売買で地盤トラブルを避けるために
売買される土地が、建物を建築できないほどの軟弱地盤であると知りながら、買主に告知しなかった場合、告知義務違反として、地盤改良工事の費用負担を求められることは十分に考えられます。
トラブルを回避するため、売主が地盤の弱さを認知している場合には、売買の前に不動産会社を通して買主に知らせておくことが大切です。
それでも売買契約後のトラブルが気になるようなら、費用がかかりますが地盤調査を入れておくのがやはり安心でしょう。
いずれにしても、心配な場合は売却のサポートを任せる不動産会社に相談してみることをおすすめします。