土地や空き家のこと2024.01.09
土地売却で多い失敗例とは?失敗しないコツを解説
※コラム内容は掲載当時の最新情報となり、現在改正されている場合があります
こんにちは。イエステーション北章宅建 江別店の寺杣です。
土地売却は人生のなかでそう何度も経験することではありませんから、事前によくある失敗例を知っておき、対策したいと考えている方もいらっしゃるでしょう。
そこで今回のコラムでは、土地売却で多い失敗例について解説します。
失敗しないためのコツや、土地売却の簡単な流れもご紹介しますので、ぜひあわせて参考にしてください。
土地売却の失敗で多い事例とは?
土地売却における失敗は、大きく次の3つに分けられます。
- 売却利益の減少(安く売ってしまい、利益が少なくなった)
- 時間的なロス(売却に手間がかかり、時間的なロスが発生した)
- 売却後の金銭的損失(売却後に金銭的な損失があった)
そして、それぞれの具体的な失敗例として、次の8つが挙げられます。
<売却利益の減少>
- 土地の相場を把握していなかった
- 売り急いでしまった
- 不動産会社選びを間違えた
<時間的なロス>
- 必要書類の準備が不足していた
- 売却に諸費用がかかるのを知らなかった
- 内覧の準備が万全でなかった
- 土地の境界トラブルがあった
<売却後の金銭的損失>
- 売却に関わる税制を知らなかった
事前に失敗例を確認しておくと、土地売却に着手する際、失敗を回避するための対策を取れます。
1つずつ解説していきましょう。
失敗例①土地の相場を把握していなかった
土地売却における失敗として、土地の相場を把握しておらず、本来ならばもっと高く売れるところを安く売ってしまったという失敗があります。
「いくらで売れそうか」という市場相場を知っていないと、基準となる価格が曖昧なので、買い手との値段交渉にも自信を持って対応しにくくなるでしょう。
土地の相場を知っていれば「その金額では安すぎる」と交渉したり、適切な売却価格の設定を行なったりできます。
失敗例②売り急いでしまった
土地を安く売ってしまう失敗としては、売却に焦るあまり売り急いでしまったという例もあります。
よくあるパターンが、土地の売却費用をなんらかの資金に使いたい場合です。
「すぐに現金化したい」と焦るあまり、買い手の値段交渉をやむなく受け入れてしまうケースがあります。
失敗例③不動産会社選びを間違えた
3つ目に紹介する失敗例は、適切な不動産会社を選べず、うまく土地売却を進められなかった例です。
「査定価格が高額だったから」「会社の規模が大きいから」などと深く考えずに選ぶと、売りたい条件に合わない可能性があります。
土地売却の際に、不動産会社から十分なサポートが受けられなかったり、物件の魅力を十分に買い手に伝えてもらえなかったりすると、売却期間の延長や売却価格の低下につながりかねません。
とりわけ、土地が不整形地であるなど一般的に売りにくい土地の場合は、ノウハウや実績のある不動産会社を選ばないとスムーズに進まない可能性が高いでしょう。
不整形地については「不整形地が売却しにくい理由は?評価方法や早く売るコツを詳しく解説!」で解説していますので、詳しく知りたい方はぜひあわせてご覧ください。
失敗例④必要書類の準備が不足していた
土地売却に必要な書類には、役所や法務局、金融機関より取得するものも含まれます。
事前に必要書類が用意できておらず、準備に手間取って土地売却がスムーズに進まなかったという例もあります。
失敗例⑤売却に諸費用がかかるのを知らなかった
土地売却には、印紙代や登記費用など諸費用がかかります。
不動産会社に売買契約の成約報酬として支払う「仲介手数料」も諸費用のひとつです。
売却の際、いつどんな費用がかかるか知っておかないと、いざ費用が必要なときに用意できず、資金のやりくりが難しくなる可能性があるでしょう。
失敗例⑥内覧の準備が万全でなかった
内覧は買い手の判断に大きく影響するため、不動産売却においてとても重要です。
「土地売却の内覧の場合、どこをチェックするの?」と疑問を浮かべる方もいるかもしれませんね。
土地が更地であっても、雑草が生え放題でゴミなどの不要物が散乱していたら、内覧に訪れる人の印象は良くないでしょう。
売り出し中の土地の定期的な掃除・点検を怠ると、買い手がつかず、売却期間が延びる可能性があります。
失敗例⑦土地の境界トラブルがあった
土地の境界トラブルとは、主に隣地との境界線が曖昧で起こるトラブルをいい、スムーズな売却を妨げる要因となります。
境界が曖昧でも売却自体は可能ですが、正確な土地面積が把握できませんし、購入後に隣地所有者と揉める原因になりかねないので、進んで購入したい人は少ないでしょう。
土地の境界トラブルの具体的な内容については「土地の境界トラブル、どうすればいい? 戸建て・土地売却前に知るべき事例と対策」で詳しく解説しています。
ぜひあわせて参考にしてください。
失敗例⑧売却に関わる税制を知らなかった
土地の売却代金が、土地の取得費用や売却費用の合計を上回った場合、売却益「譲渡所得」が発生し、「譲渡所得税」という税金が課されます。
税制の一つに、「物件の所有期間が5年を超えていれば、5年以下の場合よりも税率が低くなる」というものがあります(※)。
この決まりを知っていれば、「あと少しで5年経つから、売るのを待てば節税できる」などと売るタイミングの判断材料にできるでしょう。
また、一定の条件を満たすと、税率を下げたり、税額計算の際に課税金額を控除したり、損失をほかの所得と通算できたりといった特例があります。
特例の活用は、確定申告時に売り主自身が申請手続きを取らないとできません。
失敗例として、特例の存在を知らず、本来であれば適用できた節税措置を受けられなかったというものもあるでしょう。
※所有期間が5年を超える「長期譲渡所得」の場合:20.315%、5年以下の「短期譲渡所得」の場合:39.63%(所得税・復興特別所得税・住民税の合計)の税率となります。
土地売却で失敗しないコツもご紹介
土地売却における失敗を踏まえた上で、土地売却で失敗しないためには、次のようなコツがあります。
- 相場価格の確認をし、適切な価格設定をする
- 売却スケジュールをきちんと立てておく
- 適切な不動産会社を選ぶ
- 隣地との境界線を確定しておく
- 利用可能な節税制度を調べておく
1つずつ解説していきます。
相場価格の確認をし、適切な価格設定をする
土地売却を失敗しないためにも、なるべく正確な相場を知ることが大切です。
その上で、適切な価格や値下げした場合の最低価格を決めておくと、最低限の利益を守りつつ、スムーズに売却を進められるでしょう。
相場を正確につかむには、「査定を複数の不動産会社に依頼し、結果を比較すること」と「自分でも相場観を掴んでおくこと」が重要です。
複数社に依頼することで査定の根拠や価格を比較でき、客観性が増します。
加えて、自分でも市場相場を調べておけば、査定額が常識的なものか判断しやすいでしょう。
土地相場は、国土交通省の「土地総合情報システム」で調べられます。
購入者向けの不動産検索サイト、売り出し中物件の広告チラシや、新聞の折り込みなどで類似物件と比較するのもおすすめです。
売却スケジュールをきちんと立てておく
売却の流れはのちほどご紹介しますが、売却までにどんな行程があるか把握しておけば、「いつまでに売りたい」というゴールまで余裕をもって進めやすくなるでしょう。
さらに、書類や内覧の準備など、売り主がすべきことも順序立てて実行でき、売却をスムーズに進められます。
「諸費用の準備がまだできていない」といった状況も防げるはずです。
売却のプランを練り直したり、売却価格を調整したりといった次の対応が可能になり、慌てて売り急ぐ、という失敗を回避できるでしょう。
不動産売却の必要書類や不動産売買に必要な諸費用は、こちらのコラムでご紹介していますので、ぜひあわせて参考にしてください。
不動産売却の必要書類は?必要となるタイミングについてもご紹介
家の売却でかかる手数料や諸費用を詳しく解説!
適切な不動産会社を選ぶ
土地売却に適切な不動産会社を選ぶポイントは、次のとおりです。
- 売りたい物件が取り扱いエリア内にある
- エリアの情報の知識が豊富である
- 土地売買を得意としている・実績がある
- 売却プラン(戦略)がある
- 広告媒体が幅広い
- 信頼して土地を任せられる など
信頼して任せられる不動産会社だと判断するには、査定時の対応を参考にすると良いでしょう。
査定価格の根拠を示してくれたり、質問に丁寧に答えてくれたり、誠実な対応のできる担当者がいる不動産会社を選ぶのがポイントです。
隣地との境界線を確定しておく
売却しようとしている土地の境界線が曖昧な場合は、隣地との境をきちんと調べ、確定させておくことが重要です。
買い手のなかには、「境界杭を最新のものにしてほしい」「測量図を提示してほしい」と希望してくる人もいるため、売り出し前に「確定測量」を済ませておくとスムーズに売却が進むでしょう。
確定測量とは、隣地所有者と土地家屋調査士とが立会って、土地境界を確定させる方法です。
確定測量の流れや費用は「確定測量とは?費用の目安や流れ、注意点までチェック!
」で解説していますので、ぜひあわせて参考にしてください。
利用可能な節税制度を調べておく
土地売却の際、譲渡所得を節税できる特例がありますので、適用条件を満たしているかあらかじめ調べておくと、節税の機会を逃さずに済むでしょう。
適用可能な主な特例は、次のとおりです。
- 居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例
- 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例
- 特定のマイホームを買い換えたときの特例
- マイホームを買い換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例
建物(住宅)が解体済みでも、過去に居住用に使われていたのなら、特例の適用対象となる可能性があります。
土地売却の前に売却の流れも確認しておこう
最後に簡単に、土地売却の流れを確認しておきましょう。
土地売却を失敗させないためには、売却の流れに沿ったスケジュールを立て、問題が起これば、その都度戦略を練り直して対応することが大切だからです。
不動産会社に買い手を探してもらう「仲介(媒介)契約」の場合は、土地売却は次の流れで進むのが一般的となります。
1.査定を不動産会社に依頼する
2.不動産会社と媒介契約を結ぶ
3.広告や内覧など販売活動を開始する
4.買い手が決まれば、売買契約を結ぶ
5.売却代金の決済、物件の引き渡しを行う
6.確定申告を行う(譲渡所得がある場合)
全体として売却にかかる期間は、3〜6カ月程度が目安です。
ただし、物件の立地条件や売り出すタイミングによっては、1年以上かかる場合もあります。
まとめ
●土地売却の失敗例を把握して対策しよう
土地売却の失敗には、「売却利益の減少」「時間的なロス」「売却後の金銭的損失」の大きく分けて3つがあります。土地売却でよくある失敗例を事前に知っておくことが、売却を成功につなげるコツです。
●複数社に土地売却の査定依頼をして、査定結果や対応力を比較しよう
土地売却を行う際は、複数の不動産会社に査定を依頼し、査定結果を比較することで、より正確な相場を掴めます。
対応力も比べて、信頼して土地を任せられるか決める判断材料にもできます。
●土地売却の流れを把握し、スムーズに売却を進めよう
スケジュールを立てることで、必要書類や内覧の準備、諸費用が必要なタイミングも算段が付けやすくなります。
土地売却の流れに沿って準備を進めることで、売却をスムーズに進められ、売り急ぎの失敗を防ぐことにつながります。
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著者
江別店 寺杣 友紀出身は和歌山県ですが、生まれは札幌です。前職は自動車の営業をしておりました。不動産業界は全くの未経験で不慣れなことだらけですが、早く仕事を覚えてお客様のお役に立てれるよう努めます。精一杯頑張りますので宜しくお願い致します。
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