不動産管理コラム
不動産管理のこと2025.08.27
遠方のアパート経営を成功させよう。メリット・デメリットや管理のコツ
こんにちは。イエステーション北章宅建 不動産管理部の小幡です。
近年、遠方でのアパート経営に関心をお持ちの方が増えています。
「親から相続したアパートが遠方にあるが、経営を継続すべきか悩んでいる」「遠方での経営にも興味があるが、一歩踏み出せない」といったお悩みを持っている方もいらっしゃるでしょう。
実際、メリットもある一方で、距離による制約から生じる課題もあるため、慎重な検討が必要です。
今回は、遠方のアパート経営のメリット・デメリットから、成功させるための具体的な方法まで詳しく解説していきます。
遠方の物件でアパート経営をするメリット
まずは、遠方のアパート経営ならではの利点を紹介していきましょう。
1. 「条件の良い物件」を見つけやすい
遠方の物件でアパートを経営するということは、言い換えれば「全国の物件を候補にできる」ということです。
エリアを全国に広げた分、高利回り・好立地・建物の状態が良好な物件に出会えるチャンスも増えます。
今住んでいる地域に人口減少や地価下落といったリスクがある場合でも、そのようなエリアを避け、都市圏や大学、工場周辺など、安定している地域を選ぶことが可能です。
土地代が比較的安いエリアなら、初期費用を抑えてアパート経営をスタートできることも。
このように「条件の良い物件を選べる自由度の高さ」が、遠方のアパート経営の大きな魅力です。
2. エリア戦略で収益リスクを抑えられる
遠方の物件を複数所有すれば、災害や経済変動など、地域ごとのリスクを分散できます。
例えば、今住んでいる地域が大雪や災害の影響を受けた場合でも、別地域の物件が安定した収益を生んでいれば、全体の経営に与える影響を抑えられます。
3. プライベートと切り離して、経営に集中しやすい
今住んでいる地域の物件だと、「顔見知りの入居者がいて気を遣う」「知人に頼られてしまう」といったプライベートと経営が混ざり合ってしまうケースも少なくありません。
遠方であれば、そうした私情が絡んできづらく、ビジネスとして合理的な判断をしやすくなります。
4. 別荘的な使い方も可能
立地によっては、アパートの一部を別荘として活用することも可能です。
例えば、自室を確保しておいて残りを賃貸に出せば、収益を得ながら自分の拠点としても利用できます。
旅行先や帰省先に拠点を持ちたい方にとっては、一石二鳥の選択肢となるかもしれません。
購入したアパートに自分で住む方法については、こちらのコラムもあわせて参考にしてください。
アパートを一棟買いして自分で住む方法は?メリット・デメリットも
遠方の物件でアパート経営をするデメリット・注意点
遠方でアパートを経営する場合、やはり「距離の壁」は避けて通れません。
ここでは、実際に起こりやすいデメリットや注意点を整理しておきましょう。
1. 緊急対応や現地確認がすぐにできない
最大のネックは、距離があるため、トラブル時にすぐ現地へ行くことができないことです。
例えば、設備トラブルが発生したとき、すぐに現地に駆けつけて対応するのは難しいでしょう。
また、現地に行かないと見えないような劣化や管理不備にも気づきにくく、対応が遅れてしまうリスクもあります。
2. 管理会社に任せきりになる不安がある
遠方物件では管理業務を全て委託するケースが一般的ですが、管理会社の質によって経営の安定度が大きく左右される点に注意が必要です。
対応が雑だったり、空室対策に消極的だったりする業者に任せてしまうと、トラブルが増える、空室が長引くなどの支障が出ることもあります。
3. 地域特性やニーズを把握しにくい
実際に暮らしたことのない地域では、家賃相場や入居者ニーズを正確に把握するのが難しいものです。
例えば「近くに大学があるから学生向けに」と考えても、実際は学生の多くが他エリアに住んでいるといったケースもあり得ます。
このようなニーズの読み違いは、空室リスクにつながります。
4. トラブル時の対応コストが高くなりがち
現地に自分で出向くのが難しい分、外部に頼らなければならないケースが増えます。
その結果、コストがかさむ可能性も理解しておく必要があります。
遠方のアパート経営を成功させるには?
遠方の物件でも、正しい戦略と準備でアパート経営を成功させることができます。
ここでは、成功を目指すための実践的なポイントを整理してお伝えします。
1. 信頼できる管理会社を選ぶ
遠方物件の経営では、管理業務を委託する管理会社の役割が非常に重要です。
信頼できる管理会社を選ぶことで、入居者対応・設備管理・空室対策などを安心して任せられます。
良い管理会社を見極めるポイントは以下の通りです。
- 報告頻度・報告内容が明確に定められている
- 地域の賃貸需要に詳しい
- 入居者・オーナー双方への対応が丁寧で誠実
- 入居募集の仕組みやノウハウがある など
「毎月〇回の定期報告」「写真付き報告書」「対応履歴の共有」など、報告体制が契約時に明文化されている管理会社は、実務面でも信頼できる傾向にあります。
口コミや実績のチェックはもちろん、契約前に「どんな体制で管理しているか」「緊急時の対応はどうか」などを細かく確認しておくことが大切です。
遠方物件に限らず、「信頼できる管理会社を見極めたい」という方は、下記のコラムで選び方のポイントを詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
不動産の管理会社の失敗しない選び方を解説
2. 定期的に物件の状態をチェックする体制を整える
自分で現地に頻繁に足を運べない分、定期的な確認体制を整えることが経営安定のカギになります。
例えば、管理会社に写真付きの定期報告を依頼したり、年に数回は自分で現地を訪問したりなど、無理のない範囲で物件の状況を把握できるように工夫しましょう。
近隣に住む親族・知人に簡易チェックを頼んだり、外部の点検業者による建物診断を活用したりするのも有効です。
特に以下のようなポイントは、定期的にチェックしておくと安心です。
- 外壁・屋根・バルコニーなどの劣化状況
- 共用部(廊下・階段・ポスト・駐輪場)の清掃状態や破損状況
- 植栽や雑草など、敷地内の景観の管理状態
- 設備(給湯器・ポンプ・照明など)の不具合
- 空室の換気・雨漏り・カビ発生の有無
こうした定期点検を怠ると、トラブルの発見が遅れて修繕費がかさんだり、入居者離れにつながったりするおそれもあります。
特に空室発生時や設備トラブルの際は、写真や動画での詳細な情報共有をお願いしましょう。
3. 慎重に物件を選び、リスクを最小限に抑える
物件選びの段階で失敗すると、管理や空室対応に大きな負担が生じます。
遠方のアパート経営では、「物件選びの時点で勝負が決まる」と言っても過言ではありません。
遠方経営に向いている物件には、以下のような特徴があります。
- 賃貸需要が安定しているエリア(大学・病院・駅近・企業周辺など)に建っている
- 築浅またはリフォーム済で、初期修繕コストが少ない
- 設備や外観の管理がしやすい
- 分譲アパートタイプなど、他オーナーとの共同管理が不要である
管理会社がすでに入っていて運用実績のある物件も、スムーズに経営を始めやすい点でおすすめです。
4. 契約条件や収支計画をシビアに検討する
遠方経営では現地の様子をリアルに感じにくい分、数値と条件で冷静に判断することが求められます。
物件価格・想定家賃・空室率・管理委託費・修繕費などを盛り込んだ詳細なシミュレーションを行い、「想定外の支出が出ても赤字にならないか」を見極めましょう。
まとめ
●遠方の物件でアパート経営をするメリット
全国を視野に入れることで、より条件の良い物件に出会えるチャンスが広がります。
エリア分散によるリスク軽減や、私情が絡みにくい環境で経営できる点、立地次第では別荘としても活用できる柔軟性も魅力です。
●遠方の物件でアパート経営をするデメリット・注意点
現地確認が難しく、物件の状態把握や緊急対応が遅れるリスクがあります。
また、地域特性の理解不足や管理コストの上昇など、運営面での難しさもあるため注意が必要です。
●遠方のアパート経営を成功させるポイントは主に4つ
経営の成功には、「信頼できる管理会社に任せる」「定期的な物件確認をする」「慎重に物件を選ぶ」「契約条件や収支計画もしっかりと検討する」の4つが重要です。
これらのポイントを押さえることで、遠方でも安定したアパート経営を実現できます。
北章宅建では、都市部以外の賃貸アパート・戸建てを中心に不動産管理を行なっております。
不動産管理のことでお悩みがあれば、お気軽にご相談ください。
著者

小樽駅前店 小幡 将大賃貸物件に関するお悩みや不安、ご相談ごとは、どんなに小さなことでも私たちにお任せください。入居者様にとっては毎日の暮らしを支える住まいであり、オーナー様にとっては大切な資産です。だからこそ、お一人おひとりに寄り添い、誠実で丁寧な対応を心がけています。「ここに相談して良かった」と思っていただけるサービスを、これからも提供してまいります。
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