不動産管理コラム

不動産管理のこと2026.06.25

アパート経営の敷金とは?相場の考え方やトラブル回避の対策をご紹介

こんにちは。イエステーション北章宅建 不動産管理部の小幡です。

「アパート経営で敷金はいくらに設定すれば良いのだろう」
「高く設定すると入居者が集まりにくくなりそうだが、低くしすぎると退去時の費用負担や家賃滞納への備えが不安…」
そんな悩みをお持ちではありませんか?

実際、敷金の設定金額は、入居者募集のしやすさやオーナーのリスク対策にも関わってきます。

今回は、敷金の相場や考え方から、設定パターンごとのメリット・デメリット、返還トラブルを防ぐための注意点まで詳しく解説していきます。
アパート経営

 

アパート経営における「敷金」とは?一般的な相場や考え方を確認

敷金がどのような役割を持つお金なのかを理解しておくと、自分の物件に合った金額を考えやすくなります。

まずは敷金の役割と一般的な相場を確認していきましょう。

 

敷金とは

敷金とは、入居者が賃貸借契約を結ぶ際にオーナーへ預けるお金です。

家賃滞納が発生した場合の精算や退去時に借主負担となる「原状回復費用」への充当に使われます。

オーナーへのお礼の意味を持つ「礼金」とは違い、敷金は賃貸借契約の終了後、物件の明け渡しを受けた際に、未払い家賃や入居者負担となる原状回復費用などを差し引いた残額が返還されるのが原則です。

 

敷金の一般的な相場

敷金の金額に明確な決まりはありませんが、家賃の1〜2カ月分と設定されるケースが多いです。

ただし、この相場はあくまで一般的な目安であり、全ての物件に当てはまるわけではありません。

物件のあるエリアや築年数、周辺の競合状況、空室の有無、ペットの飼育を認めるかどうかなど、さまざまな条件によって金額は変わってきます。

例えば、競合物件が多いエリアでは、敷金を抑えて募集力を高めるという考え方もあります。

また、敷金は家賃を基準に算出されることが多いため、まずは家賃そのものの設定が適切かどうかを見直しておくと、敷金の金額も考えやすくなります。

家賃の設定方法については、「家賃設定の根拠とは?算出方法や決め方のコツを解説」で詳しく解説していますので、敷金とあわせて検討する際の参考にしてください。

 

アパート経営で敷金はいくらにする?主な設定パターンやメリット・デメリットを比較

アパート経営での敷金は、家賃の1〜2カ月分を目安にしつつ、「募集力」と「リスク対策」のバランスを踏まえて判断することが大切です。

敷金を設定するか・しないか(または少額にするか)で大きく変わるのは、主に以下の2点です。

  • 初期費用の負担感(入居者側)
  • 滞納・原状回復への備え(貸主側)

敷金があるとリスクに備えやすくなりますが、初期費用の高さが申し込みのハードルになる場合があります。

 

敷金を設定する場合のメリット・デメリット

敷金を設定するメリットは、原状回復費用や家賃滞納などのリスクに備えられることです。

入居者が退去する際、故意・過失による汚れや破損があった場合は、原状回復費用の一部を入居者に負担してもらうことがあります。

敷金を預かっていれば、退去時の精算に充てられるため、オーナー側の金銭的な負担を抑えやすくなります。

また、家賃の未払いが発生した場合には、退去時の精算において敷金を未払い家賃に充当できる場合があります。

もちろん、全ての滞納リスクを敷金だけで防げるわけではありませんが、一定の備えになる点は大きなメリットです。

一方で、入居者の初期費用は高くなるため、競合物件と比較された際に選ばれにくくなる可能性があります。

 

敷金ゼロ・少額に設定する場合のメリット・デメリット

敷金ゼロや少額に設定するメリットは、入居者の初期費用を抑えられることです。

賃貸物件を探している方のなかには、できるだけ契約時の費用を抑えたいと考える方も多くいます。

敷金ゼロまたは少額という初期費用の負担の軽さをアピールできれば、募集面でプラスに働く可能性があります。

特に、近隣に競合物件が多いエリアや、空室期間をできるだけ短くしたい場合は、敷金を抑えることで入居希望者の目に留まりやすくなるでしょう。

ただし、敷金ゼロや少額にする場合は、オーナー側のリスクが増える可能性があります。

退去時に入居者負担となる原状回復費用が発生しても、預かっている敷金がない、または足りなければ、退去後に別途請求する必要があります。

支払いが遅れたり、連絡が取りにくかったりすると、回収に手間がかかるかもしれません。

 

敷金の設定とあわせてリスクに備える方法

敷金をゼロや少額に設定する場合や、退去時の費用負担に備えたい場合は、契約内容や保証の仕組みを整理しておきましょう。

代表的な方法を3つご紹介します。

 

①家賃保証会社を利用する

家賃保証会社を利用すれば、入居者が家賃を滞納した場合に、契約内容に応じて保証会社が一定範囲で家賃などを立て替える仕組みを利用できます。

敷金だけでは滞納リスクを十分にカバーしきれない場合もあるため、家賃保証会社の利用も選択肢の一つです。

 

②ハウスクリーニング費用について、特約として定めておく

退去時のハウスクリーニング費用について、あらかじめ特約として定めておく方法もあります。

例えば、退去時に一定額のクリーニング費用を入居者負担とする内容を契約時に明記しておくことで、退去時の費用負担に関するトラブルを防ぎやすくなる場合があります。

ただし、特約は内容が不明確だったり、入居者に一方的に不利だったりすると認められない可能性があるため注意が必要です。

※ハウスクリーニング費用の特約については、契約内容や説明状況によって有効性の判断が異なる場合があります。

 

③敷金償却を設定する

敷金償却とは、預かった敷金のうち、契約であらかじめ定めた金額を退去時に返還しない取り決めのことです。
通常の敷金は、未払い家賃や入居者負担の原状回復費用などを差し引いた残額を返還しますが、敷金償却を設定している場合は、契約で定めた償却分を差し引いた上で精算します。

敷金償却を設定しておくと、退去時の精算内容をあらかじめ見込みやすくなります。

また、償却分の扱いや金額を契約時に明確にしておくことで、少額の精算をめぐるやり取りを減らし、退去時の費用負担に関するトラブルの軽減につながる場合があります。

ただし、居住用賃貸では特約の有効性や説明方法が問題になることもあるため、契約条項の内容は管理会社や専門家に確認した上で設定を検討しましょう。

 

敷金返還トラブルを防ぐためにアパート経営のオーナーが知っておきたい注意点

注意点
敷金の設定だけでなく、退去時の返還をめぐるトラブルを防ぐ仕組みづくりも大切なポイントです。
基本のルールと対策を確認していきます。

 

敷金返還の基本ルール

敷金は、退去時に全てオーナーの収入になるお金ではありません。

家賃の未払いや、入居者の不注意による傷・汚れの修繕費などがあれば差し引き、残った金額は入居者へ返します。

この敷金返還の考え方は、2020年(令和2年)施行の改正民法で一定のルールが明文化されています。

 

原状回復費用の考え方

敷金から差し引くことが多い原状回復費用についても、全てを入居者に負担してもらえるわけではありません。

国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」では、原状回復費用の負担について、オーナー(貸主)負担となるものと、入居者(借主)負担となるものの考え方が示されています。

【オーナー側の負担となる例】

  • 家具の設置跡や日照による壁紙の色あせ
  • 経年劣化や通常使用による設備の傷み

【入居者の負担となる可能性がある例】

  • タバコのヤニやにおいによる壁紙の変色
  • ペットのひっかき傷やにおいによる床・柱などの損傷

通常の使用で生じる傷みや経年劣化による損耗は、基本的にオーナー側の負担となります。

一方で、入居者の故意・過失や通常の使用を超える使い方によって生じた傷や汚れは、入居者の負担となる可能性があります。

実際の負担割合は物件の状況や契約内容、経過年数などによっても異なるため、判断に迷う場合は管理会社や専門家に確認すると安心です。

 

トラブル回避の対策

敷金返還に関するトラブル防止のためには、次の2点が特に重要です。

 

①賃貸借契約書や特約の内容を整備しておく

敷金返還をめぐるトラブルは、原状回復費用の範囲についてオーナーと入居者の見解にずれが生じることで起こる場合があります。

退去時のハウスクリーニング費用やエアコンクリーニング費用、ペット飼育時の消臭・修繕費用などは、契約時に取り決めておきたい項目です。

負担する費用の内容や金額の目安を契約書や特約にできるだけ具体的に記載し、契約時に入居者へ説明しておきましょう。

 

②入居時の室内状況を記録しておく

退去時に傷や汚れが見つかっても、それが入居前からあったものなのか、入居中に発生したものなのかがわからないと、費用負担をめぐってトラブルになりやすいです。

入居時には、室内の傷や汚れ、設備の状態を写真で残しておきましょう。

あわせて、入居者にも室内の状態を確認してもらえば、退去時の認識違いを防ぎやすくなります。

管理会社に管理を委託している場合は、入居時・退去時の立ち会いや記録の残し方について、あらかじめ確認しておくと安心です。

自主管理の場合は、オーナー自身で写真やチェックシートを残し、日付や確認内容がわかる形で保管しておきましょう。

また、入居中の定期的な点検や入居者とのコミュニケーションの内容も、必要に応じて記録に残しておくと安心です。

設備の不具合や水漏れ、カビなどを早めに把握し、対応した履歴を残しておけば、退去時に「いつから不具合があったのか」「どのように対応したのか」を確認しやすくなります。

自主管理では、敷金返還だけでなく、家賃滞納や設備不具合、入居者対応などもオーナー自身で判断・対応する場面があります。

自主管理で起こりやすいトラブルや回避策については、「自主管理の大家が直面するトラブルと回避策を解説」で詳しく解説しています。

 

まとめ

●アパート経営の一般的な敷金相場は家賃1〜2カ月分が目安
敷金は、原状回復費用や家賃滞納時の精算に備えるためのお金です。
相場はあくまで目安で、エリアや築年数、競合物件の募集条件によって適切な金額は変わります。

●アパート経営の敷金は「募集しやすさ」と「リスクへの備え」のバランスで決める
敷金を設定すると、退去時の原状回復費用や家賃滞納に備えやすくなります。
敷金ゼロ・少額にする場合は、保証会社の利用やクリーニング費用の特約などもあわせて検討すると良いでしょう。

●敷金返還トラブルを防ぐには、契約内容と記録の整備が重要
民法改正や国土交通省のガイドラインを踏まえ、原状回復費用の負担範囲や退去時のクリーニング費用などを契約書・特約で明確にしておきましょう。

北章宅建では、都市部以外の賃貸アパート・戸建てを中心に不動産管理を行なっております。
不動産管理のことでお悩みがあれば、お気軽にご相談ください。

 

家を売るなら不動産売却相談 家を売るなら不動産売却相談
著者
アパート経営の敷金とは?相場の考え方やトラブル回避の対策をご紹介

小樽駅前店 小幡 将大賃貸物件に関するお悩みや不安、ご相談ごとは、どんなに小さなことでも私たちにお任せください。入居者様にとっては毎日の暮らしを支える住まいであり、オーナー様にとっては大切な資産です。だからこそ、お一人おひとりに寄り添い、誠実で丁寧な対応を心がけています。「ここに相談して良かった」と思っていただけるサービスを、これからも提供してまいります。

この担当者がいる店舗のページ
ご相談・お問い合わせはこちら
不動産売却物語 不動産売却のヒント 不動産売却のご相談
総合ガイドブック
電子ブックはこちら
空き家対策ガイドブック
PDFダウンロード
お役立ち冊子お申込み
ご相談
お問合せ
無料査定