不動産売却のコツ2022.10.14

底地の売却は難しい?売る方法や相場の目安を詳しくご紹介

こんにちは。イエステーション北章宅建 滝川店の上家です。

底地(そこち)とは、借地権が付いている土地のこと。
すでに借り手がいる底地を売却することはできるのでしょうか?

売却自体は可能ですが、底地を売るには市場相場よりも価格が低くなることが一般的です。

今回は、底地の売却方法とポイントを解説。

底地の売却が難しい理由や売却相場の目安、売る際にかかる税金などもご紹介します。

 

底地とは?売却が難しい理由

底地とは、借地権が付いている土地のこと。
借地権とは、建物を所有するために地代を払って、他人から土地を借りる権利です。

なぜ底地の売却が難しいかというと、地主(土地の所有者)と借地人(土地の借り手)それぞれに土地の権利が与えられた、特殊な土地といえるからです。

つまり既に借り手がいる状態で売るため、第三者が購入した場合、借地人の許可なく土地を自由に使えないデメリットがあります。

借地人に立ち退いてもらう(賃借契約の解除)には正当な理由が必要なので、底地の購入は基本的に底地のまま所有することが前提になります。

底地の地主となれば借地人から地代収入を得られますが、同じ広さの土地における賃貸や駐車場から得られる収益と比較すると、非常に低くなる可能性も。

また、「地代を期日通りに払ってもらえない」「無断で増改築された」といった借地人とのトラブルが発生する恐れもあるため、底地は普通の土地より選ばれにくく、売れにくいといえます。

以前、イエステーション北章宅建に底地の売却の件でお問合せいただいたお客様も、地代の滞納や徴収・管理の手間を理由に手放したいとのご相談でした。
借地人が複数になれば手間も増え、売却はさらに困難といえるでしょう。

実際のご相談内容とご提案した解決策はこちらで紹介しています。
底地(賃貸中の土地)を売却したい。

 

なお、借地権について詳しく知りたい方は、こちらのコラムで紹介していますので、ぜひご覧ください。
借地権とは?旧法・新法による借地権の種類や調べ方などを解説

 

底地を売却する方法とポイントを詳しく解説

底地は売りづらくはありますが、売ることは可能です。
売却方法はいくつかあり、誰に売るか・どのように売るかによって売却価格や売りやすさが異なります。

買主側のメリットが多いほど売却価格は上がり、購入希望者も増えるため売りやすいでしょう。

いずれにしても、売却についてあらかじめ借地人に十分説明し、売却先とトラブルに発展しないよう配慮が大切です。

具体的な方法を、売却のポイントもあわせてご紹介します。

 

借地人に直接交渉して買ってもらう

最も売りやすく、高額での売却が期待できる方法は、借地人へ売ることです。
借地権所有者から土地の完全な所有者に変わるメリットはとても大きいでしょう。

通常、借地人が借地権付きの建物を売却したい場合は、地主に許可を得たうえで、承諾料を支払う必要があります。

借地権付きの建物については、「借地権付き建物は売れない?売却する方法やメリット・デメリットも」でも詳しく解説していますので、ぜひあわせてご参照ください。

借地人が底地を購入すれば、地主の許可なく建物の建て替えをするなど借地ではできなかった土地の自由な利用ができ、将来的に「一般的な土地付き一戸建て」として売却することもできます。

売却のポイント

借地人への売却を検討する場合は、話を切り出すタイミングが大切。
たとえば、借地人から建物の増築や建て替えの相談、売却の相談を受けたときは狙い目です。
世代を超えて長く借地を利用する場合も、将来的にかかる地代の負担がなくなる良い機会です。
借地人が土地所有者になるメリットを感じやすい場面で、売却を相談してみましょう。

 

借地人に底借(そこしゃく)交換をしてもらう

借地人が土地の完全所有者になる方法としては、地主と借地人が持つ底地と借地権の一部交換(底借交換)という手も。

地主と借地人それぞれが完全な所有権のある土地を持つことができ、第三者への売却を含め、自由に土地を利用できます。

評価額が等しくなる割合で交換し、交換後の土地を互いに更地とした場合は、土地(底地)と土地(借地権)の交換となるため、譲渡所得税がかからないメリットもあります。

参照:国税庁「No.3505 借地権と底地を交換したとき

売却のポイント

底借交換には、分筆(土地を分ける)や所有権移転の登記など手続きが必要なため、実際に行うには専門的知識が必要です。
底借交換を検討する際は、不動産会社や不動産の詳しい知識を持った専門家(弁護士など)にサポートしてもらうことをおすすめします。

 

借地人に借地権を同時売却してもらう

借地人も借地を手放したいと考えている場合は、底地と借地権をセットで売る方法もあります。
同時に売れば土地の利用に制限がなくなり、買主にとって通常の土地と変わりません。
底地売却を難しくする理由が解消されるため、周辺環境など土地の条件によっては高く売れる可能性も期待できます。

売却のポイント

同時売却には借地人との協力が欠かせません。
無理に話を進めようとはせず、契約の更新時期など売却を相談するタイミングを見極めたり、売却益の取り分などをしっかり話し合ったりして、トラブルにならないよう備えましょう。

また、買主との契約においては「地主と買主の一方との契約が破棄された場合、もう一方も破棄となる」など、お互いの契約につながりを持たせて(不可分一体の契約)、買主に不利益とならないよう配慮が必要です。

 

第三者に買い取ってもらう

底地は土地の自由な利用ができず、一般では買い手が付きづらいですが、不動産投資家にとっては「安定的な地代収入が得られる」と評価できる側面も。

底地の所有には固定資産税など費用がかかるものの、納税額を上回る地代収入がある物件なら、第三者の買い取りも期待できるでしょう。

売却のポイント

第三者への売却を検討する場合は、滞納など徴収・管理の状況を正確に把握し、説明できる状態にしておきましょう。

購入後に借地人とトラブルにならないよう、土地の境界や借地部分を明確にしておくことも大切です。

 

底地専門の買取業者や不動産会社に買い取ってもらう

借地人や第三者への売却が難しい場合は、底地専門の買取業者や不動産会社に買い取ってもらう方法も。

なるべく早く手放したい、ある程度売却価格は低くても良い場合は特におすすめです。

売却のポイント

底地の買取実績が多く、底地に関する知識が豊富な業者・不動産会社を選びましょう。

複数査定を依頼し、売却価格だけでなく丁寧さ・スピードなど担当者の対応の良し悪しを比べることも大切です。

 

底地の売却価格の相場の目安や売る際にかかる税金も確認

底地の売却価格は明確な相場がなく、物件ごとに評価が大きく異なる場合も。

目安として、底地を借地人に買い取ってもらう場合は相場として更地価格の50%と高値になりますが、不動産買取業者に売却する場合(買取)は、売却価格は更地価格の10~15%ほどが相場といわれています。

おおよその売却金額を知りたい場合は、次の2つの方法でも求められます。

底地を売る際にかかる税金についても、あわせて確認しておきましょう。

 

路線価から「底地の評価額」を計算

国税庁が運営するホームページ「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表」では、土地に含まれる借地権の割合がどの程度かを確認できます。

借地権割合は、アルファベットのA(90%)から10%ごとに下がり、G(30%)まで設定されています。

まずは更地としての評価額を出し、その金額に(1-借地権割合)をかけた金額が底地の評価額です。

例えば、140Dの土地は、1平方メートル当たり140千円=14万円。
土地面積が100平方メートルなら、更地の評価額は1,400万円です。

借地権割合がD(60%)の土地では、以下の計算になります。

1,400万円×(1-0.6)=560万円

560万円が底地の評価額となります。

国税庁「路線価図の説明」でも計算例が載っているので、参考にしてみてくださいね。

ただし、あくまでも目安なので市場価格とは異なることも覚えておきましょう。

 

買取業者や不動産会社の査定を受ける

実際の売却においては、路線価で計算した額よりも底地の評価は低くなることが一般的です。

より具体的な価格を知るには、賃借契約の内容や収益状況などを絡めて総合的に判断する必要があります。

いちいち路線価で調べるのも面倒…といった場合もあわせておすすめなのが、「底地専門の買取業者」や「底地売却のノウハウがある不動産会社」の無料査定です。
必ずしも売却する必要はなく、価格を調べるだけでも利用できますよ。

 

底地売却にかかる税金は?

底地を売る際にかかる税金には「譲渡所得税」があります。

譲渡所得税とは、不動産売却で得た利益「譲渡所得」に対して課税される、所得税や住民税、復興特別所得税(平成25年から令和19年まで)を合わせたものです。

底地の売却金額から、取得費(購入にかかった費用)や譲渡費用(売却にかかった費用)を差し引き、残った利益に対して課税されます。

譲渡所得について、詳しい計算方法などはこちらのコラムでご紹介していますので、ぜひ参照してくださいね。
不動産売却時の譲渡所得税とは?仕組みや計算方法など詳しく解説!

 

まとめ

・底地とは?
底地とは借地権が付いている土地のことで、地主と借地人でそれぞれ権利が分かれるため、自由に土地を利用できません。地代収入が同等の土地における賃貸収益などと比較して低くなったり、借地人とのトラブルが発生したりする可能性があるため、通常の土地より売却が難しいといえます。

・底地を売却する方法
底地を売るには、借地人に直接交渉する方法がベスト。所有権を買ってもらったり、底地と借地権を等価で交換したり、底地と借地権を同時に売る方法などがあります。地代収入のメリットが大きい場合は不動産投資家など第三者への売却方法も。価格は低くても早く売りたい場合は、底地専門の買取業者は不動産会社への売却もおすすめです。

・底地の売却価格の目安とかかる税金
底地の売却価格の目安として、①路線価から「底地の評価額」を計算する、②買い取り業者の査定を受けるという2つの方法があります。また、底地の売却には「譲渡所得税」がかかります。

北章宅建は、不動産に関するご相談を全て無料で対応しています。
空き家に関する相談や無料査定、相続問題など、どんなことでもお気軽にご相談ください。

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底地の売却は難しい?売る方法や相場の目安を詳しくご紹介

滝川店 上家 郁也スポーツ全般が大好きで、サッカー、バスケット他いろいろな競技を行ってきました。体力とチームワークには自信があります。お客様満足を目指して、精一杯対応致します。又、以前は別会社で賃貸仲介業務に携わっていました。 売却、購入ともに、ご提案の際には実際の賃貸との比較など、経験を生かしたご提案をさせていただきますので、どうぞ宜しくお願いします。

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